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12.謎の薬商人

「セリン殿! 村長です。どうやら、セリン殿がコボルトを退治した噂を聞きつけて、遠方から来た薬商人がセリン殿にぜひポーションを売りたいと頼んできていますぞ! どうしましょうか?」


「ぜひ通してください!」


 僕とルシナのパーティはヒーラーがいないので、ポーションの常備は必須だ。


 さらに、薬商人は冒険者を定期的な客にするために、市販よりも安く譲ってくれることが多い。


 冒険者試験で手に入れた200万Gもあるし、ここらでポーションや聖水を買い込んでもいいだろう。


「みんな大好きポーションですよ〜」


 すると、黒い外套を着た薬商人が部屋を訪ねてきた。


 フードを深くまで被っているので顔ははっきりと見えないが、恥ずかしがり屋なのだろうか。


「わざわざ遠くから来ていただきありがとうございます。ポーションの値段はいくらですか?」

 

「1個20Gになります〜」


「20G⁉︎ セリンさん! このポーションは絶対買いましょう! お得すぎますよ!」


 目を丸くして驚いて言うルシナ。


 確かに、王国の雑貨屋で売られているポーションの相場が100Gくらいと考えると、破格の値段だ。


 こんなお得な話が飛び込んでくるなんて、スキル『窃盗』の真の意味に気づけたおかげかな。


 この薬商人さんのように、僕たちがパーティで活躍すればするほどいい話が飛び込んでくるといいね!


「薬商人さん、ぜひ、そのお値段で買わせてください! 100個ほどポーションをいただきます!」


「はい、まいど〜」


 薬商人はニヤッ、と笑うと大量のポーションを置き始めた。


 そして、薬商人がお金を貰って立ち去ろうとしたところ。


「何やってるんですか薬商人さん、立ち去らないでそのポーションを使ってくださいよ」


「え……?」


「いや、ポーションの効能を知りたいので、実際に使って見せて欲しいんですけど……」


 すると、薬商人さんは大量の汗をかき始めた。


 おかしいな。


 何かポーションを使うと不都合な理由でもあるのだろうか?


「セ、セリン殿はどうしてワシにポーションを使わせたいのですか……? 体力の削れていないワシが使ってもポーションの効能はわからないと思うのですが……」


「僕、実は勇者パーティに所属していたんですけど、パーティメンバーからポーションに毒を混ぜられて飲まされた経験があるんですよ。そのおかげで、それ以来は初対面の人から物を貰う際は注意深くなったんです」


 はは……ポーションを自作したと聞いて、グレイクに飲まされた時は驚いたな。

 

 あの時、グレイクは調合を間違えたせいだと説明していたが、パーティを追放された今なら僕を本気で殺そうとしていたんだと理解できる。


 僕がポーションを試すように急かすと、薬商人さんはポーションを床に叩きつけた。


「ぐっ……流石は最強冒険者セリン! その洞察力で魔王様ですら見破れなかったワシの『変装』を見破ったか! ええい、こうなったら抹殺してやる!」


「⁉」


「ええ⁉ 薬商人がコボルトだったなんて……! 私、全然変装してるなんてわからなかったですよ! 相変わらずセリンさんはすごいですね!」


 いや、僕もわからなかったよ!


「ワシは、魔王軍コボルト領の長、ググルだ! よし、セリンも隣のエルフも武器を持っていない今がチャンスだな! ワシのナイフを喰らいやがれ!」


 ググルは外套から沢山のナイフを取り出すと、僕たちへ目がけて投擲した。

「面白い!」


「続きが早く読みたい!」


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