表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
I Love you 〜最愛の君へ〜   作者: 滝野 聖
第一章 はじまり
1/1

降雪の夜

息を吐けば白く変わり、風が吹けば体が震える。

体から放つ白くなる前の息を手にフーっとかけながら、俺は一人の女性を待つ。

誰一人としていない夜の公園。中央にそびえ立つ時計台偽をもたれながら。

ただ目の前に見えるのは、雪の布団をかけられたようなすべり台と、深々と降り続く雪。

けれどももう、帰るつもりだ。ましてやここは外。こんな寒い中、厚いジャンバーと手を突っ込んでいるポケットでは長くいることなどできない。

それに、どうせ女性は来ない。それは俺が()()()()()の男だから。

『とりあえず』付き合っとけば良い。そんな存在。

ある日女性が、友人らしき人と話しているのを見た。その時彼女は薄ら笑いを浮かべながら、友人らしき人とこう話していた。

「とりあえずあの人と付き合っとけばいいのよ。

だってそうでしょ?人間は愛する人に恋人がいるほど、もっと愛する人が欲しくなるんだから」

その言葉からわかったことは、俺という存在は彼女の餌に過ぎない。

どうせ今日は来ない。デートの約束なんてするんじゃなかった。

ただ、彼女の愛を知りたかっただけだった。

時計台に背をもたれるのをやめ、俺は歩きはじめる。

ただ静かに、ザクザクと雪を踏む音が聞こえるだけ。 

降雪の夜。今は21時を回ったところ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ