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峠への道 大河原集落

作者: 僧籍

午後の1時に廃村の大河原集落に着いた。

二日前には土砂降りの雨が一日中降っており、山からの水はいつもより山深いこの峠へと向かう厳しい道に溢れていた。

廃村の一つの壊れた家の前の道で一匹の雨や泥に汚れたキツネが何かを咥えて、壊れた家の軒先に向かったのが見えたのでバイクを止めた。

床下から子ぎつねが3匹出てきてキツネのまわりで飛び跳ねた。

キツネがくわえていたのは鹿の足だった。

キツネは不思議なことに子ぎつねに足を与えた後に私に2メートル前まで近づき、じっと私をみた。


次の週、午前11時に廃村の大河原集落に着いた。

雨が降ってなくても先週と同じように山からの水は多く、道に溢れていた。

キツネは集落にはいなかったのでバイクで峠に向かう。

5分ほど走ると向こうからキツネが泥にまみれて何かを口にくわえて

やって来た。

止めた私のバイク横を通り過ぎて行った。


峠から戻る道

午後4時に廃村の大河原集落に着いた。

すでに日は陰り、山の向こうに姿を消した。谷あいにある集落は日が落ちるのが早い。

この道は河原からはるかに高い崖の上を這いつくように走るところがいくつもあり、日が落ちる前に走りぬきたかった。

しかし、少し疲れてきたので休みを入れた。

廃村の一つの壊れた家の前の道で待っているとキツネは消えて、

夕日の射すその家の前は無数の虫が舞って夕日にキラキラと光っていて幻想的な風景が現れた。


その光景とそれを見ている私を天が観ていた。


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