フツメンの俺がかました黒歴史イケメンムーブを忘れようと逃げたら被害者が復習しに追ってきた
初投稿です
頭がおかしかったんだろう。アニメの見過ぎか、ゲームにやりすぎか、中二病か。どちらにしろ後悔はどれだけしてもし足りない。自分をTolove○の天然ジゴロイケメンだとでも勘違いしていたのかもしれない。
4月。
それは新春の訪れと共に忌々しい過去を忘れ去って新しい環境で生存することができるようになる素晴らしい季節。今までしてきた行動は消せないが置き去りにして生きることはできる。こんなに素晴らしいことはない。もう被害者からの復讐に恐怖することもなくなった。
「行ってきまーす!」
新しい我が新居、我が白の一角に別れを告げる。去年まではお袋にキスなんてして出ていっていたが呪縛が溶けた今、もうそんな子はする必要もない!もう二度としないし一人暮らししたいということを母に告げたらちょっとびっくりされたが大丈夫だろう。
被害者も沢山出てしまったが、できるだけのアフターケアはした。謝罪もしたし言うことも聞いた。
そんな訳でこれから普通の、俺のフツメンモブライフが始まるんだ!
「ちょっとあんた!遅いじゃない!どれだけ待ったと思ってるの?!まあ?!しょうがないから待っててあげたけど?!ほらあたしって優しいから?許してあげるっていうか?まあちょっと中学でいい感じだったからって高校でもいい感じになるってわけでもないし?ちょっと勘違いしたあんたを相手してあげただけっていうか?ちょっとあんたどこ行くのよ。別にどこに行こうと構わないけどしょうがないから付いていってあげてるだけで?何よその顔私が悪いみたいじゃない!」
始まらなかった。
俺は殺されるんだろうか。早口過ぎてほとんど聞き取れなかったが多分呪怨レベルの恨みがつらつらと述べられていたんだろう。しかし困った。殺されたくないしとにかく誤魔化そう。
「どなたですか?私にこんな知り合いいませんけど。実家に帰ってお過ごしになったほうがよろしくてよ?」
「メガネかけてマスクして誤魔化しても無駄よ!匂いでわかるんだから!そんな猿芝居しても無駄よ!」
「何をしにいらっしゃたんでしょうか。もしや復讐をしに...「そんなわけ無いじゃない!これは...その...あんたが...、そう!あんたが一人暮らしするって聞いて心配だったから?わざわざ!この私が!わざわざおばさんに聞いて...ってそんなことどうでもいいでしょ!」
嘘だ。復讐をしに来たに決まってる。お袋は訴えるとか言われて脅されて言ってしまったんだろう。
「とりあえず!私もあんたと同じ高校だからあんたと一緒に登校してあげても...」
もしここで同じ高校に行っていたらこいつに晒し上げられ社会的に殺されていただろう。しかし俺はその先を行く。被害者には嘘の情報を流し俺の行く学校を偽装していたのだ。まだ制服の違いに気づいて無いみたいだが1つ目の曲がり角でその学校とは反対方向に行くし通学路が噛み合わないようにリサーチ済みだ。俺の計画に死角はない!
「そうだな!じゃあ行くか!」
「まあ?一緒に行ってあげてもいいていうか?仕方なくついてってあげるけど?普通だったらあんたみたいな凡人この私が相手にするわけないし?その点あんたは幸運っていうか?私っていう女神にちょっとは目を掛けてもらってるっていうか?そもそもあんたが...」
「じゃ!俺コッチだから!」
「でもあんたがいてくれたからあたしも...へ?」
「またなー」
もう二度と合うことはないだろう。さよなら俺の黒歴史!始めよう俺の平凡モブライフ!このまま学校まで行って俺の...
「待ちなさい!逃さないんだから!」
バチッッッッ
えっ