第10話 現れるはヒトならざるモノ
怖気に蹴飛ばされる様にして公園へと飛び込んだ俺が見たのは、何かに怯える子供達と、黒い渦……推定邪神の欠片こと触手が現れたときと同じソレ。
━━奴め、やはり滅んではいなかったか。
そう確信して戦闘体勢を取りつつ更に接近すると、渦の中に別のナニカが見えてくる。
渦から這い出てくるナニカ……触手ではない。手と腕がある。しかしそれは気色悪い緑色で、全うな生物の物とは思えないおぞましさ。
「何にせよ、敵だ」
あんな怖気を震わせるモノが友好的なはずがない。触手が出てくるにせよ、別のナニカにせよ、俺の敵には変わりないのだ。ならば、やる事は一つ。
「ブッ潰してやる……!」
だが、その前にやらなければならない事がある。
俺は子供達と黒い渦の間に割って入って盾となりつつ、渦と這い出てくるナニカを注視。まだナニカが完全に出て来れていないのを確認する。どうやら、余裕を持ってやれそうだ。
「ふぇ?」
「だ、誰……?」
ふむ。子供達は怪我をしてる様子もなければ、失神してる訳でもない。自力で避難出来そうだな。
「君達、危ないから下がってなさい」
「え、えっと……」
「向こうのドアが空いているお店……今オジちゃんが出て来たところに行きなさい。……早くっ!」
「は、はい!」
その場から動けない可能性も考えられたのだが、リーダー格の子だろうか? その子を中心に子供達がさっきまで俺が居た店へ避難し始める。その歩みは遅いが……まぁ、なんとか間に合うだろう。
「さ、て……なるほど。これが小鬼の正体か?」
子供達を避難させた後、俺は黒い渦とそこから出てくるバケモノに向き合う。
そうやってよくよく見れば渦は触手が出て来た物より弱々しく、また這い出て来たモノが店で聞いた小鬼の話通りだという事に気づけた。触手よりは弱い、そう見ても問題ないか……?
「おい嬢ちゃん! これはいったい……?」
「警部か。悪いが現実逃避するなら子供の相手でもしててくれ。懇切丁寧に相手してやる暇はない」
俺は合流してきた石山警部を雑に対応しながら、渦から出て来ている小鬼を睨む。
体長一メートルと少し、肌はゴツゴツとした緑色、目はギョロりと気味悪く、放つ気配はおぞましい。なるほど、話通りのバケモノだ。ただコイツは小鬼というより……
「ゴブリンだな。あれは」
「ゴブリン? 嬢ちゃんは何か知ってるのか?」
「むしろ知らないのか? ゴブリンは元々の原典では妖精だったが……まぁ、あれは原典寄りじゃない、変質した奴だろう。正真正銘のバケモノだよ」
元は妖精の一種で、決して邪悪で醜い存在ではなかったのだが……いつからああなったのか。いや、今はそんな事はどうでもいい。今大事なのは本来なら空想の産物であるファンタジーなゴブリンが、この現代日本に現れた事だ。つまり。
「アレらは生かしてはいけない、敵だ」
「……なるほど、そういう手合か。道理で寒気がする訳だ」
俺が戦闘体勢をとる中で、警部も腰の辺りから警棒を取り出す。まさか、ゴブリンと戦う気か……?
「おい、警部」
「言おうとしてる言葉、そっくりそのまま返してやるよ。嬢ちゃんが人間離れしてるのは知ってるがな……だからって、オッサンが引っ込む理由にはならねぇだろうが」
「……そうか。なら、せめて拳銃ぐらい出したらどうだ? あのゴブリンは鹿の首をへし折る程度の力はあるらしいぞ」
「んなモン普段から持ってる訳ねぇだろ。リボルバーも自動拳銃も署のロッカーに置きっぱだよ……チッ、こんな事なら面倒くさがらずに書類書いて持ってくるんだった」
どうやら警官なのに拳銃を携帯してないらしい警部を呆れと共に見つつ、注意は渦から離さない。そろそろゴブリンが完全に出てきそうだ。
「グギャ、ギャギャ」
渦より這い出て来たゴブリンはグルリと辺りを見渡し、どこか満足そうに嗤う。そして俺達に視線を合わせて、また嗤う。……何がおかしいんだ? スライムと違って確りと声を発せれるらしいが、これは知能レベルが低いと見ていいのか……?
「ギャギャッ、ギャギャギャ!」
「コイツ……!」
「……おい、嬢ちゃん。あのゴブリン? の後ろの渦。まだ何か出て来てないか?」
「何?」
俺が嗤い続けるゴブリンにイラつき始めたとき、警部がそんな事を言ってくる。触手のとき、渦から出て来たのは一本限りだったのだが……いや、見れば二匹目が顔を覗かせていた。一匹目よりも格段に早いペースで、こちらに這い出て来ようとしている……!
「あの渦をどうにかしないとキリがなさそうだな」
「……そうらしいな」
「アテは?」
「悪いが、無い」
確かに俺はTSさせられたときに魔改造されているが、残念ながら純粋なパワーファイターだ。あんなファンタジーな謎の物体をどうこうする力は無い。狐火を操る様な、優しくも頼りになる狐さんなら何か出来たかも知れんが……チラリと見回しても狐さんの姿は見えず、無い物ねだりになりそうだ。
しかし、逃げるには早いだろう。まだやれる事はあるのだから。
「取り敢えず、駆除を始めよう。あんな猿以下の脳ミソしかなさそうな相手でも、バケモノはバケモノだ。逃がせばロクな事にならない」
「同感だ。あんなのがうろついてたんじゃ枕を高くして寝れそうにないからな。……無限湧きなのが、アレだが」
「そうでない事を祈るか、増援でも期待してろ」
「増援、か。んじゃ、狐様にでも祈っとくかね」
自分の部下を呼び寄せる気はないらしい警部を横目に、俺はゴブリンを注視する。相変わらず嗤ってばかりで不気味だが、武器は持っていないし、数も今は一匹。……こちらから仕掛けてみるか。
「すぅーはぁ……シィッ━━」
深呼吸は一回。呼吸を整え、俺は一気にゴブリンへと肉迫する。近づかれても相変わらず嗤っているゴブリンが不気味だが、先ずは一撃っ!
「ブッ潰れろ━━!」
上から叩き付ける様な一撃をゴブリンめがけて降り下ろす。効かないかも知れない……そう思っていた一撃はしかし、ゴブリンへと直撃し、メキャッ、という嫌な音と共にゴブリンを地へと叩き伏せた。
「……ん?」
気持ち悪さすら覚える、明らかな手応え。見ればゴブリンは地に伏せて泡を吹いており……やがて触手と同じように塵となって消えた。どうやら倒せたらしい。一撃で。
「なんだ、やるじゃねぇか。嬢ちゃん。怪異を一撃でブチのめすとは」
「いや……そうだな」
今まで触手とスライム相手にノーダメ、カスダメを連発していたので意外だったが……思えば奴らの衝撃耐性がイカれてるだけで、本来はこんなものなのだろう。なんだ、俺強いじゃん。
「グギャ! ギャギャ! グギャギャッ!」
意外……というより、正しく身体の性能を実感した俺の近くで、新たに這い出て来たゴブリンが何かを叫んでいる。仲間がやられた悲しみ……ではなさそうだが。
「よーし。オッサンも少しはやるとするか」
見た目ロリの俺にだけやらせるのはプライドが許さなかったのか、警部が警棒片手に叫ぶゴブリンに近づく。タイマンなら放っておいても問題はないだろうと、俺は次が出てくるだろう渦へと注意を向け━━マズイ!
「警部下がれ! 新手だ!」
「ッ!? ━━とぉっ!?」
どういう理屈か、あのゴブリンが叫んだからか、グンッと一回り大きくなった渦から新手が湧き、警部を弓矢で攻撃する。幸いにも警部が横っ飛びに避けたので問題はなかったが、これは……
「おいおい、増えすぎだろ。コイツらはゴキか何かか?」
「あながち、間違ってないかもな」
次から次へと湧いてくる新手のゴブリン。俺が潰した様な無手の者も居れば、警部を攻撃しただろう弓持ちや、剣や槍を持っている奴もいた。中には防具らしき物を着けている奴もいる。それらの装備は錆び付いていたりしていて粗末な物だと分かるが……脅威度が上がった事には変わりなく、その数も増え続けていた。
「チッ、こんなんじゃ自動拳銃持って来てても焼け石に水だな。機関銃がいる。それもイイやつが」
「同意しよう。……だが、知らんぷりも出来まいさ」
黙って見ていては奴らは方々に散って暴れ始め、あちこちで地獄絵図が巻き起こるだろう。そんな事は俺の望む事ではない。奴らはここで駆除してやる!
「シィッ━━ゼヤァアア!」
地を蹴って前へ進み、ゴブリンの群れ目掛けて突敢。勢いそのままに手短なゴブリンを殴り飛ばす。
拳に嫌な感覚。だが止まれない。直ぐに近くのゴブリンや剣を、槍を突き立ててきたからだ。後ろへ下がりたい。だが慣性が効いてて下がれない。なら、前へ進むしかない。
「邪魔ァ!」
殴り飛ばし、肘を入れ、道を抉じ開ける。痛みは、無い。避けれた? いや……眼前、槍の壁。行き止まりだ。
「グギャギャ!」
いや、それどころか槍の壁が前進しはじめた! 咄嗟に急ブレーキをかけ、背後を見れば……そこには剣持ちのゴブリン達。金属の刃先がグルリと俺を取り囲んでいる。
詰んだ。アレに当たれば、斬られれば、刺されれば、俺は死ぬ。死ぬしかない。死ぬ? 俺が? ここで? あんな刃物で、あんなゴブリンごときに、やられて? ━━冗談! まだ詰んでないッ!
「━━ャァァァアア!!」
叫ぶ。突っ込むのは後方のゴブリン。突き立てられる剣を左手で払い、脇腹を掠められ━━痛み。今は噛み殺す。目の前のゴブリンを殴り飛ばし、返す刀で裏拳を放ってもう一匹沈め、蹴りを入れて更に潰す。
道が、開けた。駆け抜ける。
「くっ、はぁ━━」
包囲を脱し、脇腹を見れば服が破れて血が滲んでいる。やはり斬られたらしい。だが手当てをする暇はなさそうだ。ゴブリン達が立て直し、前進し始めた。
「おい、嬢ちゃん」
「構えろ、警部。人を気遣ってる暇があるなら、一匹でもゴミを仕留めてみせろ」
「……わーたよ。けど、後で病院な」
「検討しておく」
短く息を吐き、再度前に出る。迫る刃の壁。突っ込むのは無理だ。なら、回り込む。
重心を傾け、横っ飛びに移動し、ゴブリンの横合いへと回り込もうと試みる。だがそう上手くはいかない。後列のゴブリンがこちらに反応し、隊列を組み始めたのだ。
━━ゴブリンのクセに練度の高い連中め。忌々しい。
ならばともう一つ後ろへ回り込もうと駆ければ、今度は弓矢が飛んで来た。狙いは荒く、当たる物ではないが……接近すればそうはいかないだろう。
手詰まりか? そう僅かに思案する間にもゴブリンの隊列は完成し始め、前列が警部とぶつかった。
「オラァ! どうした、そんなもんかぁ!?」
年の様だし、アッサリやられるのでは? そう危惧して警部の方を伺ったが、その心配は不要の様だ。槍や剣持ちのバケモノ相手に互角以上に張り合っている。とはいえ、数の問題か仕留めるには至らないようだが……暫く持ちこたえれるのは間違いない。
「なら、後はこっちの問題か……」
隊列を組んだゴブリン達が槍や剣を突き出しながらジリジリと近づいて来る。回り込もうにも対応され、突撃すれば串刺しにされ━━本当に? 近づいたら確実に串刺しにされるのか?
否だ。僅かに攻防が発生する。……で、あるのならば。
━━負傷、覚悟なら。
やれる。痛みに耐えれれば、あちらを削れるはずだ。痛みに耐えれば。
「っ……」
俺は痛みに弱い。痛みに気を取られて足が止まってしまうのだ。これは触手のときがそうだし、スライムのときもそうだった。
そんな俺が痛み耐えて攻撃? 冗談キツイ。……だが。
「━━ァァァアア!!」
やるしかないっ!
足を前に踏み出し、地を蹴って更に前へ。迫る刃。錆び付いた尖った金属。あれに当たれば痛いではすまないだろう。だが進む。今更退いてたまるものか。
「潰れて━━」
突き出される槍を身体を捻りつつ横っ飛びに避け、それでも食らい付いて来たものは横腹を叩いて落とす。一息、つこうとして突き出された剣に気づく。
避けれない。
それでも致命傷だけは避けようと身体を捻り、剣を叩いて落とし━━痛み。複数。脇腹と、ふともも、それと剣を叩いた手が斬られたらしい。だが死んでいない。そして、射程内だ。
「消えろォォォ!」
隊列を乱して飛び出したらしい足元のゴブリンをゴブリンの群れ目掛けて蹴り飛ばし、剣を引き戻している目の前のゴブリンに拳を叩き込む。嫌な感覚。汚い血飛沫が一瞬だけ上がり、直ぐに塵と消える。
それを横目で追っていれば、再度突き出される槍が見えた。直ぐに前進。裏拳でゴブリンを殴り飛ばして盾に。次はどいつを殴ればいいか━━左肩に鋭い痛み。チラリと見れば粗末な弓矢が刺さっている。熱を持ち始める肩から矢を引き抜いてみれば、矢じりもついてなかった。ゴブリンのものだろう。
「私を、ナメるなァァァ!」
今すぐブチ殺してやる。そう意気込んで視線をやれば……見つけた。ゴブリンの弓隊だ。途中までに剣持ちがいるが、関係ない。
「そこを、退けェ!」
バラバラに突き出される剣を無理矢理打ち払い、あるいは脇腹やふとももにかすらせつつ前進。格闘距離。取り敢えず目の前のを殴り飛ばして塵と変え、裏拳を放ち、蹴り上げ、蹴り下ろし、殴り下ろす。
そうして暴れていれば剣持ちは壊滅し……後は。
「くっ、痛い……」
斬られたところが痛い、熱い。血が滲んで気持ち悪い。
だがここで止まれば死ぬ。逃げ出しても誰かが死ぬ。進むしかない。痛みを噛み殺し、湧き出た涙はそのままに、前へ。
「ヤァァァアア!!」
三歩先にゴブリンの弓隊。粗末な物とはいえ、弓を構える彼らに時間を与えてはならない。突撃する。
「ギャギャ!」
嘲笑か? ゴブリンが嗤い、弓矢を放ってくる。半数は明後日の方向へ、しかし残りの半数は真っ直ぐ向かってくる。避ける暇はない。咄嗟に左腕を盾にして更に前へ踏み込み━━激しい痛み。左腕に二本、腹に一本が刺さる。
血が流れる。痛みが走る。涙が出てくる。だが、その甲斐はあった。ゴブリン、眼前。
「お返し、だっ!」
弓持ちは近接武器を持っていない。蹂躙だ。殴って、蹴って、また殴って。逃げ出そうとした奴を後ろから蹴り飛ばして仲間にぶつけてやり、そこを追撃して始末。横を通り過ぎようとした二匹を掴まえ、片方を応援に駆け付けた槍持ちに、もう片方を他の逃げてる奴に放り投げてぶつける。追撃するのは逃げ出そうとした腰抜けども。追い掛けて、殴り潰す。それが終われば今度は隊列が乱れた槍持ちだ。逃がしはしない……一匹も。
「お前ら全員、ここで潰れて消えろっ!」
刺さったままだった矢を引き抜いて捨てつつ、連携が乱れた槍持ちへと一気に肉迫する。バラバラに突き出される槍を身体を捻って避け、軽く横に飛んでかわし、柄を叩いて落とす。そこから一歩前へ進めば長物は終わり、拳の距離。
ストレートを打ち込み、アッパーでカチ上げ、足を払って蹴り飛ばし、蹴り上げ、蹴り下ろす。槍が再度突き出されれば横に飛んで避け、近づいて殴る。骨の砕ける音。上がる血飛沫は塵と消え、槍持ちも全滅する。
「次は━━?」
次の相手はどいつだと、グルリと辺りを見渡すが……これと言って見えない。強いていえば警部と戦っているゴブリンがいるが、助けは不要だろう。
「シッ! セッ! 滅ッ!」
突き出される槍を紙一重で避け、警棒を叩き込み。剣が突き出されれば警棒で打ち払って、ガラ空きの脳天へと警棒を降り下ろす。
俺の自滅ダメージ覚悟の突撃と違い、危なげのない戦闘。何か実戦的な武術をやっていたのか……?
「……む」
石山警部がいったい何者なのか? それを疑問に思ったとき、渦に変化が起きる。更に渦が大きくなったのだ。マンホール程度の大きさだったそれは、既に直径一メートルを超えている。マズイ。
「チッ、キリのない……」
しかもなお悪い事にゴブリンの増援が湧いて出て来た。最初の一匹が顔を見せるが……先程のゴブリンより一回りは大きく、よりおぞましく、更に装備も上等に見える。非常にマズイ。
━━こうなれば、大怪我もやむなしか。
あんな奴が野放しになればいったいどれだけの人が犠牲になるか分かったものではなく、そしてそれに無関心を貫ける程肝が太くない俺としては、ここに残って戦うしかない。
「身体、痛いんだけどな……」
どれも致命傷にならない浅いものばかりではあるが、それでも痛い物は痛い。矢が刺さった場所が、斬られた場所が、酷く痛みを訴えてくる。流れる血が気持ち悪い。
けれど、だとしても。
「逃げる訳には……ん?」
こうなったらギリギリまで戦ってやる。そう自棄気味に腹を括ろうとした俺の視線で、炎が走る。それは真っ直ぐ渦へと向かって、這い出て来ていた一匹目を激しく焼き、残骸を渦の中へと返す。
「狐、さん……?」
その一撃に思うのは炎を操る狐さんの事だ。モンスターを焼く様な炎を、俺は他に知らない。もしや、あの狐がこの近くに?
だとするなら勝ちは貰った。そう思って辺りを見渡せば━━向かいの家屋の屋根に人影が。……ん? 人影?
「そこまでじゃ! 異形ども!」
辺りに響くのは、予想外に可愛らしい童女の声。どうやらあの人影かららしいと目をやれば、人影は家屋の屋根から飛び降りて公園内へと着地する。
そうして気づくのは、その人物がただ者ではない事。そして、待ち望んだ人である事だ。
「このわらわが! 貴様らを成敗してやるのじゃ!」
背丈から察せれる年頃はギリギリで中学生の、腰辺りまで伸びる艶やかな小麦色の髪が綺麗な女の子。
そして巫女装束に近い格好をしたその少女の頭には、ピクリと動くモフモフのキツネミミ。背後にはフワリと動く三本の尻尾。……あぁ、整った可愛らしい顔にドヤ顔を浮かべるその幼女は、間違いなく、ケモノ系ロリっ娘の、狐さんだった、




