94.目を$マークに変えてみよう。
やってきました、闘技場へ。
大会は二日目の本戦を迎えた。
闘技場の周りは相変わらず屋台でいっぱいだ。そして人も多い。何年かに一度のお祭りをみんなが楽しもうとあつまってくる。
それもそのはず、予選は観客を入れずに行ったが、本戦の場は違う。
この世界には娯楽が少ないためか、入り切れな程の観客を入れ観戦させる、同時に賭けも行われるようだ。
本戦はトーナメント制で行われ、最後まで勝ち残った者が剣聖さんと対戦できるそうなのでみんな頑張って欲しいものだ。
本戦で使用する剣だが、俺の参加した予選は安物の木剣を渡されたのだが、本戦は刃引きをした剣を使う。
剣術レベル8の剣士が4人・・・一体どんな大会になるのだろ?
俺達の観覧席はどうやら、剣聖さんが用意してくれたみたいで、試合を観戦するにはいい場所なんだそうで・・・。あまり興味が無い。
俺の興味はスバリ!賭けの方だ。
俺も賭けには参加させてもらう、そしてぼろ儲けを企む。俺の眼は神眼!そう!なんでもお見通しなのだ!
昨日は半べそをかいていたラヴィーニャと結託しこの街を牛耳るのだーーー!
尚、俺の手持ちは銀貨8枚だ!これを増やし、この国にも屋敷を買ってやる、今度は俺の部屋を確保してやるからなーーー!
夢だけは大きく行こうと思う・・・。
いよいよ抽選が行われるようだ、その結果によっては・・・ぐふふふ・・・。
・・・。え〜っと・・・。これ仕組まれてる?それも俺の為に?そう思われる組み合わせにビックリなのだが・・・。
第1試合 マックス VS ハール
第2試合 レイリー VS スアール
第3試合 ニーナ VS ヘプティフィリ
第4試合 アーン VS ノーリ
第5試合 ニエラ VS フォル
第6試合 マエリス VS アンドリア
第7試合 ギュンターVS オーイン
第8試合 チバウロ VS ドゥーブル
右側の名前は誰一人知らん!自信をもって言っておく、すばり負けるだろう!だが4試合目だけはどっちも知らないから結果はわからん!
そして気になるのは、ギュンターと言う騎士ではなく・・・ニエラと偽名を使って参戦している職業「皇帝」の女性なのだが・・・?
そういえば、今日の本戦の場には、観客としてこの国の皇帝が観戦するって言ってたな・・・。
まぁ俺には関係のない身分の人なので、ヘーとだけ聞いておいたのだが・・・まさか試合に参加して観戦とは、なかなか豪快な皇帝様だ。
そんなことより賭けだよ賭け!
どこで買うんだ?という俺の眼は「$」になっていた。
「旦那様こっちなのじゃ。」というラヴィーニャの眼はいつもと変わらなかった。
賭け屋といっても帝国で管理しているらしいのだが、その場の熱気は凄まじいものがあった。
うんうん、わかるぞわかる!みんな俺と同じく夢に向かって頑張っているんだな、そう思うと眼がしらが熱くなる・・・。
ラヴィーニャが「働けクズども!」と真顔で言っていたが・・・まぁそうだよね・・・。
さて、そんな事より、第1試合の倍率はどうなっているかの方がよっぽど重要だ。
第1試合 マックス(2) VS ハール(5)
ふむふむ、名前の後ろについている数字が倍率とな?ふむふむ。
それで、1回に最大金貨50枚までしか賭けれないとな、ふむふむ。
ふむふむ、税金はすでに取ってあるから大丈夫・・・急に現実に戻され周りの熱も急激に冷めたような・・・?
いかんいかん、正気に戻るため頭をブルブルと振り、目を「$」マークに戻す。
まぁ順当な倍率かな、だってマックスさん剣術Lv8で相手はLv6だし、自称剣聖さんの一番弟子で、剣豪の補正も掛かってるし余裕でマックスさんの勝ちだね。
よし!俺の全財産を・・・1枚引いた7枚をマックスさんに全部賭ける!
となりで「旦那様はビビりだのぉ」と言ってる娘が居るが聞こえない。
堅実に行こうよ!もしかしたらマックスさんがお腹痛くなるかも・・・あぁこの世界はすぐ治るんだった・・・。
もしかしたら・・・あぁ〜〜〜急に手が震えてきたーーー!
「落ち着くのじゃ、ほれ、虎ミミ触ってもよいぞ、どうせなら、チューしとくかのぉ?」
・・・。こんなところで、未成年にチューしたら捕まるわ!
周りの眼が冷たい・・・お、お前らさっきまで眼が「$」だったじゃないか!正気をとり戻せ!
俺の心の叫びが届いたのか?
周りから・・・いや闘技場全体から歓声が上がる、いよいよ始まるようだ。
席に戻ろうかと思ったが、戻っても意味も興味もない。俺が興味あるのは第5、7、8試合のだけだから・・・。
俺はどしっと構えて待つことにした、内心はドキドキ、大丈夫かな?と思っていたが・・・。
ドキドキしたのも最初の試合だけで、あとはもう慣れたものである。
第4試合も終わり、俺の手元には金貨が35枚もある・・・興奮しすぎて鼻血が出そうだ。
試合は全く見ていないので分からないが、順調に俺のお金が増えているのだから、まぁそういうことなのだろう。
さてと、第五試合が始まるようなので席へ戻るとしよう。では、お手並み拝見といたしましょうか?
女帝、ダニエラ=フォリフィート・・・さん。
名 前 ダニエラ=フォリフィート (職業 皇帝)(28歳)
L V 38(25126/38519)
スキル 剣術Lv7・気配察知Lv4・謀略Lv5・・・・
状態異常 なし
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場所は変わって獣人の国コツェルン、ラヴィーニャの故郷。
そこで一人の獣人が獣人の国の首都サイナルの中央通りから少し奥まった場所にある小さな家の中にたたずむ。彼の名はギャビン狼の獣人だ。
「ここが赤ずきんちゃんの家か?」
「そうだメェー、今は不在のようだメェー」
「で、赤ずきんとはいったい誰なんだ?」
「ギャビンさんもよく知って人だメェー」
「ん?この気配は・・・!?まさか・・・!?」
「そうだよ、あたいだよギャビン、久しぶりだね・・・。」
赤ずきんを被った、柔らかそうで、もちもちとした体つきの獣人が現れる・・・。
狼と山羊の話はどうなるのか?山羊は肉食系だったのか?気になるところだ。
つづく。
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