84.宗教の誕生をみてみよう。
やってまいりました、食堂へ。
昨夜、少しばかり無理をしてしまったので少し遅めの朝食です。
騙されているとも知らずにラヴィーニャ達を慰めたり、奴隷たちを全員再生アンド治療したりでもうクタクタだったので起きれなかったんです。
そんでもって、奴隷達はガリガリの子や精神を病んでる子がいたので、一旦俺の屋敷で静養させるそうで・・・でも、そんなに入れるんか俺の屋敷?
だから今日は朝から転移しまくるんですよ。って言ってもまぁ一回でみんな連れて行って帰ってくるだけなんですけどね。
では、昨夜あった出来事の続きを振り返ってみましょう。
「勇者!再生や治療は奴隷商の建物の外からやれ、また婚約者様達を泣かせたいのか?」
あぁ〜チッパイやイガイガが丸見えだからか確かに・・・、なんだよ今日のメイド達気が利くな〜と思いましたよ・・・×1
何と言っても、また泣かれては溜まりませんからね。
では治療を始めよう、って時に何故だかラヴィーニャとジュリアが建物へ入って行き、何やらメイド達に言われている。
あれ?どうしたんだろうと思ったけど、俺には俺の仕事があるから、気にせずやりましたよ。・・・×2
まぁ魔法での治療なので簡単です。治療の範囲を建物に指定し、再生、解毒、回復、呪去を行うだけだから。
魔法は想像と妄想の間にある物・・・多分・・・。だから範囲を指定することも簡単なんです。
順番としては、呪去して解毒して再生して回復って感じで行います。
誰がどのような状態かなんて俺には分からないからね、もう適当だよ。きっと魔法は俺の意を汲んでくれると信じてます。あはは。
まず呪去からです。建物内からは「あ、あぁ、体が、体が、軽くなった」って今にも消えそな声が微かに聞こえました。
うんうん、いいね!
次に解毒です。建物内からは「あ、あぁ、体から痛みが、痛みが引いていく・・・あ、あ、ありがとうございます女神様ーーー」
って少し元気になった声が微かに聞こえてくる・・・ん?女神様?エリクシア様でも降臨したか?うんうん、いいね!・・・×3
お次は再生です。再生中は痛みが酷いので回復魔法を掛けながら。建物内からは「うわぁぁぁぁ、女神さまの奇跡だーーー!ありがとうございます!ありがとうございます!」
と、微かに聞こえてくる。うんうん、感謝されると嬉しいよね。・・・×4
建物の窓閉め切っているから、中の声はあまり聞こえないのだ・・・。・・・×5
「ラヴィーニャ様〜女神の御使い様〜〜」
・・・?って微かに聞こえたような気がする・・・。
「ジュリア様〜女神の御使い様〜〜」
・・・?って微かに聞こえたような気がする・・・。
「勇者の耳は節穴ですか?腐っているんですか?そんな事は聞こえてませんよ?それよりも大丈夫なのですか、一気に治療をするなんて、あまり無理をされますと婚約者様達に叱られてしまいますので・・・」・・・×6
メイドが優しい・・・。疲れているのかな?きっと幻聴だろう・・・。でもなんでこいつ等、俺の周りをがっちり固めるように布陣しているんだ・・・?
しばらくして、ラヴィーニャとジュリアが建物から出てくる、変わってメイド達が入って行く。
ラヴィーニャは満足そうな顔をして、ジュリアは若干恥ずかしそうだ、中で一体何が・・・?
ここで何も気付けなかった勇者に代わり説明しておこう。
「・・・×」の箇所でもし勇者イオリが何かに気付けばこの後の展開は大きく変わったことだろう・・・しかし気付かない世界とはなんと不条理に出来ているのだろう・・・。
建物の中ではメイド達の誘導により、獣人と人間に分けられ、ラヴィーニャとジュリアが女神からの奇跡により治療したことになっていたのだ・・・。
奴隷達から見た勇者イオリは何もしていないのに疲れ果てたクズという具合に認識され、新たな火種を・・・いや、今はそっとしておこう・・・。
よって、
この日を境に獣人奴隷達を中心に「ラヴィーニャ教」なる新たな宗教が興る。エリクシアを神と崇めるのは変わらないが教祖がラヴィーニャなのである。本人自覚有り!
この日を境に人間奴隷を中心に「ジュリア教」なる新たな宗教が興る。エリクシアを神と崇めるのは変わらないが教祖がジュリアなのである。本人自覚無し!
この時メイドがふと漏らした言葉があるという。
「やりすぎちゃった・・・テヘッ」だ。
何という無責任発言!さすがメイドであるまったくブレない!
すべの治療が終わったと悟った勇者は教祖ラヴィーニャと教祖ジュリアを連れ帰路についた。その姿を見つめる複数の視線・・・。
勇者は教祖たちにとにかく謝り続け心の傷を癒そうと必死になっている・・・その姿を見つめる複数の視線・・・。
その姿を見て奴隷たちは何を感じたのか、何を思ったのか・・・。それは誰にも分からない・・・。
このころレイリーさんは一人剣を抱きしめニマニマしながら眠っているのだった。
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