83.人生の終わりに涙してみよう。②
よし!宿へ帰ろう、転移で!素早く、一瞬で!気付かれるその前に!
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「待つのじゃ旦那様。」
・・・。
うが〜〜〜〜!なんでラヴィーニャが居るんだよ!俺のモフモフセンサーの正確さは実証されたが何で居るんだよ!
何が何が起こっているんだ?うが〜〜〜〜。
「先ずは話し合おうかのぉ?旦那様。」
嘘だ〜〜〜!絶対嘘だ!目が笑ってないし、頬が引き攣ってるし・・・。がっしっと肩を掴まれ逃げれないようにしてるくせに〜〜。
話す気なんてないだろ絶対!
「先ずはどうしてこんなところをウロウロしているのじゃ?」
いや、別に、何となく・・・。
「ほぉ、何となく奴隷商へ来たというわけなのじゃな?」
・・・。ううう、迫力が今までと迫力が違う・・・。
「ん?どうしたのじゃ?何故こたえないのじゃ?」
・・・。迷子です!迷子なんです!本当に迷子なんです!
「ほぉ、迷子とな?では、先ほど言っておったモフモフセンサーとやらの事を詳しく聞かせてもらえんかのぉ?」
ラヴィーニャの迫力レベルが上がった様だ・・・
・・・。あはは、言訳は不可能だな、もう諦めたよ、人生を諦めたよ・・・。
ううう、こんな事になるなら、男の娘でもいいからもっとモフモフしておけばよかった・・・もっと女の子とイチャイチャしてみたかったよ〜シクシク。じいちゃんもうすぐそっちへ行くからね・・・ううう。
まさかこんな形で俺の人生という物語が終わってしまうとは・・・ううう、エリクシア様〜今行きますね〜。
「ん?どうしたのじゃ旦那様?何を泣いておるのじゃ?」
えっ?どうしてって人生の終わりが来たからに決まってるじゃん!我が生涯にいっぱいの悔いしかないよ!
「よしよし、何か恐いことでもあったのかのぉ?」
頭を撫でてくれるが・・・恐いのはあんただよ!とは言えない・・・。
(すまんのぉ、少しやり過ぎてしまったかのぉ?しかし今からが本番なのじゃ、しっかり気合いを入れるとするかのぉ)
「まぁ旦那様がここへ来た理由は大体察しがついておる。わらは達が旦那様のやりたいことを押さえつけておるのもわかっておるのじゃ。しかしじゃ、わらは達の気持ちも察してくれると嬉しいのじゃが・・・」
スーッとラヴィーニャの頬を雫が流れる・・・涙とは言わない言いたくない・・・とも言ってられない。
な、泣かしてしまった〜〜〜!!やってしまった〜〜〜!!おろおろ、あたふた。こんな時どうすればいいのか誰か教えて、そ、そうだ、エ、エジソンか!発明王に聞けばいいのか?おろおろ、あたふた。
わ、わかった、俺が悪かった、全面的に俺が悪かった。泣かないでくれ〜〜〜!!おろおろ、あたふた。
ラヴィーニャの口元がニヤリとしている、だがそれに俺は気付かなかった。
「ううう、旦那様の気持ちも分かるのじゃ、だから今回限りにしてくれるとわらは達も泣かずに済むのじゃ・・・。」
わ、わかったもう奴隷商には来ないから絶対来ないから・・・泣かないでくれ〜〜〜!!おろおろ、あたふた。
「そうか、わかってくれるか旦那様は優しいのぉ。ならばわらは達も旦那様の夢を叶えてやらねばなるまい・・・。」
ん?んん?俺の夢を叶えてくれるのか?何だ何だ?
「この奴隷商には獣人はもとより人間の奴隷もおるのじゃ今宵は旦那様の望むだけ奴隷を購入するがよい、なぁ〜にお金は気にすることはない!あの遊具の権利を売ればよいのじゃからな。」
ん?んん?奴隷買ってもいいの?あれ?いいのか?ん?んん?
「優しい旦那様じゃから、わらは達も我慢するのじゃ。しかし心は泣いておるとわかってもらえると嬉しいのぉ」
うん、うん、わかった、わかってる。だから泣かないでくれ〜〜〜!おろおろ、あたふた。
ラヴィーニャの顔がニヤリとしている、だがそれに俺は気付かなかった。
俺は奴隷商に駆け込み、手あたり次第奴隷を購入する。モフモフから人間まで・・・。
おろおろ、あたふた状態だからどうにかなったが、奴隷たちは酷い有様で欠陥はもちろんのこと、ガリガリにやせ細り、何人かは完全に死にかけている。国が一つ変わるだけでこの有様とは・・・一体この世界はどうなっているのだろう?とても胸糞悪い・・・。
ちっぱいからイガイガまで見たい放題だがそんなことも気にならないほどあたふたしていたので胸糞の悪さもスルーできた。
結局全ての奴隷を購入することで話がついた、奴隷が何人居るのか分からないがしばらくの間この奴隷商で面倒を見てもらうことで話も付いた。
・・・。いや、正確には付いていたのだろう・・・。
その事に気付いたのはずっと後の事で、騙されたとわかったのもその時だった。
今にして思えばおかしなことだらけだ・・・。すべての話がトントン拍子で決まっていくし、この奴隷商には女の奴隷しか居なかった・・・多分だが無理をして本来禁止のはずの人の奴隷も周辺より集めたのだろう・・・。全てメイド達に仕組まれていた事だったと気付いた時にはもうすでに・・・
俺は大量の奴隷たちと奴隷契約を行い、店の外へ出る。そこには何故かメイド達が待ち構えていた。
「この子たちの健康管理は私たちが行いますので、先ずは欠陥部の再生と病気の治療をお願いします。いくら勇者といえどこれだけの数の再生や治療は一度では不可能かと思いますので数日に分けて行いましょう。」
この時、相変わらず手際が良いな、それしなんだか優しいじゃんって思った俺を殴ってやりたい!ボコボコにしてやりたい!
最終結果として奴隷を山ほど買ったという実績を得てしまった俺・・・。
もう二度と奴隷商へは行かないと約束してしまった俺・・・。
「旦那様、もう沢山買ったのじゃから満足したかのぉ?これからはわらは達を可愛がってくれれば、わらは達の心の傷も癒えるというものじゃ。改めてよろしく頼むぞ旦那様。」
婚約者達の心を傷つけたと思いこまされた俺・・・。
この時のラヴィーニャの顔が悪魔もビックリの顔になっていることに気付ければ・・・。悔やまれる。
後日買った奴隷たちとの再会を果たしたときにある重要なことに気付いた・・・。
買ったはずの奴隷達との契約が何故だか、いつの間にか切れていたのだ、結局俺の手持ちの奴隷はまたまた0人のままで、もう二度と奴隷商には行かないと約束したのでこれで打ち止めとなったのだ。
俺の夢のモフモフ商店はこれにて閉店終了となった。
これが俺の夢、否、男の夢が砕け散った時の一部始終だ!
「感想、レビュー、ブクマ、評価、待ってます!!」
奴隷を買った日の夕食後
名 前 八神 伊織(職業 勇者)(16歳)
L V 24 (481/1694)
スキル 望んだ料理を作る・聖魔法LvMAX・空間魔法LvMAX・収納空間・剣術Lv3・水魔法Lv1・気配察知Lv6・危機察知Lv5
魔力察知Lv4・魔力耐性Lv2・奴隷契約・マッピングLv4・鑑定眼+3→神眼・神の加護(3/4)能力補正+100
魔王倒すスキル 75/10000
剣術 10/30
魔力察知 32/40
魔力耐性 18/20
状態異常 なし
HP 766(+180)
MP 691(+250)
力 129(+100)
体力 141(+100)
魔力 132(+100)
知力 17(+100)
素早さ 133(+100)
運 23(+100)
名 前 レイリー=エドワーズ(職業 聖騎士)(17歳)
L V 31 (7895/8078)
スキル 剣術Lv7(+1)・槍術Lv3・聖魔法Lv2・魔力耐性Lv4・気配察知Lv6・危機察知Lv1・神の加護(能力補正+50)
魔力察知Lv1・身体強化Lv5・魔法剣 [称号:剣豪 各種能力+25]
能 力
HP 551(+115)
MP 258(+125)
力 137(+105)
体力 140(+75)
魔力 97(+50)
知力 16(+50)
素早さ 99(+75)
運 30(+50)
魔王倒すスキル 35/10000
剣術スキル 67/80
気配察知 16/70
身体強化 9/50
状態異常 なし
ジュリア=オリムカル(職業 魔法使い)(10歳)
L V 23 (1139/1355)
スキル 火魔法Lv3・水魔法Lv8・風魔法Lv8・土魔法Lv3・光魔法Lv3・闇魔法Lv3・神の加護(マジックマスター・・・魔法関係のスキル上昇率UP・魔力補正+50)
魔法耐性Lv3・魔法操作Lv3・魔力察知Lv5
魔力耐性 29/30
水魔法 17/55
風魔法 17/55
能 力
HP 310
MP 282(+125)
力 73
体力 105
魔力 102(+50)
知力 35(+10)
素早さ 75
運 23
状態異常 無し
名 前 ラヴィーニャ=ゼノーニ(職業 王女)(14歳)
L V 23 (312/1355)
スキル 王の威厳・気配察知Lv3・気配遮断Lv3・危機察知Lv5・神の加護(格闘系攻撃力UP 力、体力、素早さ補正+50)
身体強化Lv5・体術スキルLv5・回避スキルLv5・獣闘術Lv5・火魔法Lv1
状態異常 無し
身体強化 33/50
体術スキル 33/50
回避スイキル 33/50
能 力
HP 361(+90)
MP 51
力 124(+50)
体力 105(+50)
魔力 51
知力 14
素早さ 126 (+50)
運 26
状態異常 無し




