78.世界の違いに気付いてみよう。
まずは訓練場へ、向かいます。
「では皆様訓練場へ行きましょうか。」
王妃様が先導して訓練場へ向かう・・・途中で逃げようと試みたがメイドにがっちり確保された・・・。何故だ何故逃がしてくれない・・・?
「分かり切ったことを聞くのが勇者流ですか?」
分かりたくない!分かりたくないのだ!今までが前座で本番はこの後だという事を・・・。
「分かっているなら大人しくしてくださいね。」
俺の腕を掴むメイドの手に力が入る。ねぇ?腕取れちゃいますけど?
「あはは、大丈夫ですよ。私たちの隊長の旦那様になる立場の人の腕を取る訳ないじゃないですか?」
ぐあああああ、もう決定事項なのか?そうなのか?逆転一発的な・・・無いですか・・・そうっすか・・・。
訓練場に到着したので逃亡を諦めて決闘を見ることにした・・・がチャンスがあれば逃亡するつもりだ!
王族の皆様が来たことで、さっきまでへこたれていたはずの騎士団の方々もちゃんとしている。
うん!演技派だね!
ギロッと何人かに睨まれたような気がするが気のせいだろう。
「それでは、準備はよろしいですか?」
王妃様が仕切り決闘が始まるようだ。
「待って、待ってくだされ、王妃様!ハンデ!ハンデのご慈悲をーーーー!」
「と申していますが、レイリーはどうしますか?」
「はい!私は父と兄二人同時でも構いません!」
「では、そのように。」
「待った待ってくだされ、もっと!もっとハンデをーーーー!」
ごね過ぎでしょ!レイリーママ召還しちゃうぞ!
「まだ必要なのですか?少女一人に大の大人二人で足らないと仰るのですか?」
「そうです!まだ足りません!恥も外聞も捨てお頼みします!せめて騎士団長のディラン殿、欲を言うのならば剣聖様を我らの陣営に!」
「本当に恥も外聞も捨ててますけど、家のメンツ的に大丈夫なのですか?」
いやこれは拙いでしょ?ダメな奴でしょ?はぁ〜仕方がないレイリーママを呼びに行こう。
俺はスッと転移しレイリー宅へ飛び、レイリーママを召還した。
レイリーパパと兄はレイリーママを見て顔が青ざめた。
俺達はレイリーママに今までの経緯を説明し・・・もう説明いらない?そうっすか?
そこには顔はにこっと笑っているが完全なる鬼が居たのだった!
レイリーも将来こうなるのか?一抹の不安を抱える。
場は完全に凍り付いているが(実際に地面が凍っている)が王妃様だけは楽しそうに笑っている。
レイリーパパと兄も諦めたみたいだ、やっと決闘が始まる。
ここまでかなり長かったが勝負は一瞬だった一閃だった。結果はお察しのとおりレイリーの勝ちである。
さてここからが本番だが・・・
−−−−−−−−−−−−−−−
王妃様の部屋、向かっています・・・。
やはり最後は王妃様の部屋なのですね?
レイリーママもついてくるようだ、王妃様とはお茶仲間なのだとか・・・。
このまま王妃様の部屋へ行っては婚約者三人にどういった攻めを受けるか分からない!喜びも快楽もない純粋な怒りに耐えきれる自信が無い!このままでは胃に穴が開く・・・どうにかどうにかしなくては・・・。
おっとそうだ、あの手で行くか、あの定番の手で!王妃様の部屋は近い今しかない!
「お、お腹が、お腹が痛い、腹痛も痛い、う、う、う」
「だ、大丈夫ですかイオリ様!ヒール掛けますね。」
ぐおぉぉぉぉーーーーこの世界には回復魔法があるんだったーーーーー!誰もが一度は使ったことのあるこの手が、この世界では使えないとは知らなかったーーーー!
「勇者の演技は0点ですね・・・」
メイドの辛辣なお言葉をいただきました・・・バレてましたか・・・?
「旦那様よ何をそんなに緊張しておるのじゃ?もう話はついておるから心配することはないのじゃが?」
えっ?なんだって?そうなの?どういった具合で話が付いてるの?
「前にも言ったと思うのじゃが、この王妃はメイド隊の誰かと勇者である旦那様と繋がりを持たせ関係を強化しようとししているだけなのじゃ。」
だから嫁が増えるって話でしょ?
「そうじゃが、これは仕方が無いことと割り切っておる、皆も同意しておるから問題ないのじゃ。」
俺の気持ちは?の前に相手の気持ちは?相手は多分マエリスさんだろ?同意してるの?
「うむ問題ない、あの日以来いつでもバッチコイらしいからのぉ、恋だけにバッチ恋じゃ。」
すっごくつまらんダジャレを聞かされた・・・。
確かにマエリスさんの見た目は俺のストライクゾーンのほぼ真ん中で胸も問題ない、なんだかんだ言って結構世話になってるし問題はないのか?
ぐぉぉーよくわからん!今まで恋とか愛とか経験していない俺にはよくわからん!
「この世界では当たり前のことなのじゃ、もう王妃の部屋じゃ観念するのじゃ。」
そして王妃様の部屋へ入る一行。
部屋の中には綺麗に着飾ったマエリスさんが居た・・・。可愛すぎる!うん間違いなく俺には不釣り合いだ、自信をもって言える!
「さて、話は聞いていると思いますが・・・」
今聞きましたよ今!
「こちらのマエリスとイオリ殿の婚約の件についてですが、皆さん同意されているということでよろしいですか?」
マエリスさんは王妃様を見て頷く、そして王妃様は順番にレイリー達を見る。みんな同意している様だ・・・。
最後に俺だが、正直断りたい!俺は愛とか恋とかを育みたいのだ!誰か分かってくれる?育んだ後でお付き合いがいいのだ!誰かわかって!
「イオリ様の気持ちは分かります、愛や恋を育むときが一番燃えるのもわかりますが、それは婚約後にしてくださいね。」
順番が順番が違うーーー!
「では同意ということで、いいですね?」
なんでそこで睨むんですか?そこはにこっとで良いと思うのですが?
「マエリスは私の妹のような存在ですので察してもらいたいと・・・。」
チラっとマエリスさんを見る、顔を真っ赤にしている・・・不思議と緑色のさらさらショートの髪が揺れている、可愛いなおい!こんちくしょうーーー!
順番が順番が違うーーー!違うのだが・・・。
だがNOと言えない日本人の実力を発揮しYESと・・・もしNOと言ったらどうなるのか?気になるが試す気にはならない。
今日は朝から胃が痛かったがこれでいいのか?地球の感覚の俺が変なのか?地球に戻った時どうなってしまうのか?不安だらけで今夜もよく眠れそうだ。
八神伊織、16歳。独身。本日婚約者が四人になりました。尚、付き合ったことのある人数は0人のままです。
婚約者が増えた日の夕食後
名 前 八神 伊織(職業 勇者)(16歳)
L V 23 (548/1355)
スキル 望んだ料理を作る・聖魔法LvMAX・空間魔法LvMAX・収納空間・剣術Lv3・水魔法Lv1・気配察知Lv6・危機察知Lv5
魔力察知Lv4・魔力耐性Lv2・奴隷契約・マッピングLv4・鑑定眼+3→神眼・神の加護(3/4)能力補正+100
魔王倒すスキル 74/10000
剣術 1/30
魔力察知 23/40
魔力耐性 9/20
状態異常 なし
HP 699(+180)
MP 628(+250)
力 123(+100)
体力 135(+100)
魔力 126(+100)
知力 17(+100)
素早さ 127(+100)
運 22(+100)
名 前 レイリー=エドワーズ(職業 聖騎士)(17歳)
L V 31 (6607/8078)
スキル 剣術Lv7(+1)・槍術Lv3・聖魔法Lv2・魔力耐性Lv4・気配察知Lv6・危機察知Lv1・神の加護(能力補正+50)
魔力察知Lv1・身体強化Lv5・魔法剣 [称号:剣豪 各種能力+25]
能 力
HP 551(+115)
MP 258(+125)
力 137(+105)
体力 140(+75)
魔力 97(+50)
知力 16(+50)
素早さ 99(+75)
運 30(+50)
魔王倒すスキル 35/10000
剣術スキル 57/80
気配察知 7/70
身体強化 0/50
状態異常 なし
ジュリア=オリムカル(職業 魔法使い)(10歳)
L V 22 (935/1084)
スキル 火魔法Lv3・水魔法Lv8・風魔法Lv8・土魔法Lv3・光魔法Lv3・闇魔法Lv3・神の加護(マジックマスター・・・魔法関係のスキル上昇率UP・魔力補正+50)
魔法耐性Lv3・魔法操作Lv3・魔力察知Lv5
魔力耐性 20/30
水魔法 8/55
風魔法 8/55
能 力
HP 285
MP 258(+125)
力 70
体力 99
魔力 96(+50)
知力 33(+10)
素早さ 72
運 22
状態異常 無し
名 前 ラヴィーニャ=ゼノーニ(職業 王女)(14歳)
L V 22 (108/1084)
スキル 王の威厳・気配察知Lv3・気配遮断Lv3・危機察知Lv5・神の加護(格闘系攻撃力UP 力、体力、素早さ補正+50)
身体強化Lv5・体術スキルLv5・回避スキルLv5・獣闘術Lv4・火魔法Lv1
状態異常 無し
身体強化 24/50
体術スキル 24/50
回避スイキル 24/50
能 力
HP 333(+90)
MP 48
力 118(+50)
体力 99(+50)
魔力 48
知力 14
素早さ 120 (+50)
運 25
状態異常 無し




