7.ぽいものを作ってみよう。
やってまいりました、王都の真ん中に。
早速冒険者ギルドで常時依頼の薬草を納品し、宿屋へ行き今夜は戻らないぜ ニッ！ってやってからレイリーの家に向かった。
なぜかレイリーに頭を叩かれたが・・・。解せぬ。
エドワーズ邸へは買い物しながらゆっくりと行くことになった。
レイリーが先触れとして使者を出したのであちらの準備に時間がかかるだろうという配慮からだ。
市中には、さすが異世界って感じのものから、あれ見たことあるぞって物まで様々な物が売っている。
ふふっ。
美女と二人で買い物って良いものですね、こんなに楽しいものとは思いませんでした。
服やアクセサリーを選ぶ訳ではないので、サクサク見て回れます。
噂に聞く女の人の長い買い物ではなくて、楽しく食材ゲットの買い物ならまた来たいですね。
ふふっ。
さて、突然ですが本日のクッキングタイムがやってまいりました。
今回も《望んだ料理を作る》を頼り料理します。
いつか俺が作る日がきっと来る！はず？
そして今回手に入れましたものは、卵です。何かの卵です。鶏っぽい鳥の卵です。
まぁ他にもいろいろ仕入れたけどね。
そして早速、《望んだ料理を作る》スキルを使って「プリン」と「マヨネーズ」を作りました。
凄いですよね、材料「卵」だけなのに作れちゃうんです。
小物入れは大量に買ってあるので器には困りません。
同じ失敗は二度はしないのです。
えっ？この間しただろって？
もう一度言いますよ。同じ失敗は二度はしません。
お次は赤スライムです。
おすすめ料理は、イチゴジャムです。
まぁ納得ですね。色的にね。
しかしジャムを作ろうと、《望んだ料理を作る》を発動しても材料が足りませんと表示された。
えっ？どういうことなんだとスキルのヘルプを見てみると。
主材料が必ず必要で、材料の掛け合わせをして料理を作成して下さいと書いてる。
考えてみると、イチゴジャム作るのにイチゴ無くてイチゴジャムができるわけない。
イチゴが無ければただのジャムですからね、いったい何のジャムやねんってことですね。
でも青スライムからは、水あめと、水羊羹が出来ました。青スライムは水って事なのでしょうか？
腑に落ちませんが仕様ですからと言われればそれまでです。
ってことでここは王都！何でも売ってますのでイチゴッポイものを買ってスキル発動です。
名前 イチゴジャムッポイ
効果 魔王倒すスキル
素早さＵＰ
鑑定眼能力ＵＰ
品質 普通
ん？ん？ん？
イチゴッポイのジャムではなくて、イチゴジャムッポイ？
何か違う食べ物のような気がしてきた・・・
続いては黄スライムです。
おすすめ料理は、カレールーでした。
まぁ納得ですね。色的にね。
先ほどの経験より、材料が足りませんと出ると思いながら《望んだ料理を作る》を発動です。
名前 カレールー
効果 魔王倒すスキル
素早さＵＰ
鑑定眼能力ＵＰ
品質 普通
出来ましたが・・・
何も入っていません。ジャガイモも人参も肉も・・・
あぁそうか！カレーは飲み物でしたね固形物があったら飲みにくいですね、すみません勘違いしていました。
そんなこんなでレイリーとプリンを食べながら歩いていると、黒装束に身を包んだ怪しい集団に囲まれました。
えっ？ここ街中メインストリートですよ？
この国の治安は大丈夫なんですか？
街行く人たちはみんな見て見ぬ振りをしている？
頻繁に有る事なのだろうか？
疑問は尽きない。
黒装束の一味のリーダーらしき人が頭巾を取っる・・・
えっと、メイドの叔母さまですよね・・・？
「お前達が食べているものと、明日の献上分をだせ！ついでに私達の分もだせ！」
流石異世界です。王都のど真ん中で強盗に会うんですね。
身ぐるみ剥がされ、すべて奪われました。
最後にはジャンプしてみろって言われました。
これまた異世界共通ですかね？
誤魔化して収納空間に入れておいたプリンの「プルン」って音が聞こえるって言われて没収されました。
どんな耳してるんでしょうね？
去り際に「次は無いぞって言われました。」
いやー流石異世界っす、涙が止まりません。
申し訳程度に金貨1枚置いていきましたが、涙が止まりません。
そりゃー金貨1枚も材料買ってないですよ本来ならウハウハですよ、ですけどね、ですけどね。
それでも涙がでるんです。
皆様、異世界に行く際は強盗にお気を付けください。
「絶対に国王陛下に訴えてやるーーーーー！」
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