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66.みんなで反省してみよう。

そろそろ出発してみよう。


何の喜びも快楽も興奮も得られないほど激しく怒られた俺は翌朝になっても、いまだ立ち直れない。

こんなにへこんだのは一体いつ以来なのだろう?そうあれは、中学二年の調度春から夏へ向かうこの時期に・・・いや、止めておこう。

自分で自分の傷を抉る趣味はない。

さて、俺の事は置いておき、周りの反応を見てみよう。

一晩たちみんな落ち着きを取り戻したようだ。そして、やり過ぎたと反省をしている。あのメイド達ですら・・・

「ダーリン、すまんかったのじゃ。よくよく考えてみるとダーリンは何も悪いことしてなかったのじゃ。」

「ダーリンのお兄ちゃん、ごめんね。私も反省してます。」

「ダーリン様、昨日は申し訳有りませんでした!私も少し興奮してしまって・・・」

「勇者、昨日はすまなかった・・・」

てな具合で。でも俺はダーリンらしい・・・恥ずかしいからやめて・・・。

ここで、俺の中の天使と悪魔が囁く。天使は皆さん反省しているようだから許してあげましょう。そうすればあなたの株も激上がりと、悪魔はこの期を逃してはならん!皆が反省しているいまがお小遣いアップのチャンスじゃ!と。

俺は激しく悩んだ、どちらを選んでも俺に利しかないのだから。そして俺は選んだ、悪魔の提案を・・・


あぁ、分かっているよみんなが反省しているのは、だからもう大丈夫だ。

ああいった敵も居るということが分かったのだから気を付けていこう。だからお小遣い頂戴!

皆さま方一斉にため息をつく・・・。

「ハァーやっぱり旦那様は旦那様なのじゃ。ニコッ」

「ハァーやっぱりお兄ちゃんはお兄ちゃんだね。ニコッ」

「ハァーやっぱりイオリ様はイオリ様ですね。ニコッ」

「ハァーやはり勇者は勇者だな。・・・。」

「旦那様も元気になったしそろそろ出発するのじゃ。」

「そうだね、お兄ちゃん行こ!」

「そうですね、そろそろ行きましょうか。」

あれ?お小遣いは?

「「「ないです!」」」


・・・。

おい悪魔!話が違うじゃないか!

俺、悪魔だから嘘もつくさ。

・・・。


「ハァー、本当に勇者は勇者なんですね。ニコッ。」

何故かメイドが微笑んだ・・・?

「それにしても旦那様は天性のタラシの素質があるやもしれん!気を付けていかねばなるまいのぉレイリー?」

「えっ?えっ?わ、わたしですか?」

あたふたと何やってるんだか?

「今後このようなことがまだまだあると思うと胃が痛くなるのじゃ。例えばあの王妃じゃ、旦那様にメイドの中から1人娶らせようとしておるからのぉ。困ったものなのじゃ。」

えっ?何それ?そうなのか?とメイドを見る・・・。

凄く嫌そうな顔で肯定している。

いや待て待て、俺にだって選ぶ権利が・・・ないよ、権利なんかないです・・・

何でそんなに睨むの・・・怖いよ・・・。



ハァーしかしあの訳の分からない奴のせいで二度目の魔王襲撃の可能性が上がったと思うと俺も胃が痛いよ。今度はあのプレッシャーを感じたら転移して逃げてやる!

そして突然ネタバレされたけど、エルフか早く会いたいな。まだ見ぬ・・・いや姿・名前は知ってるからまだ見ぬはおかしいか?

まぁいいや、まだ見ぬ仲間に会うのを楽しみに旅を進めよう。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


魔王城でのひと時。


「魔王様〜勇者が、勇者がダーリンだったんです〜。だから、お付き合いの許可を〜」

「は、話が見えん・・・?説明を頼む・・・。」

「だから、勇者がダーリンでダーリンが勇者だったんです〜」

説明は無理か・・・?

「分かった分かった、心を読むから何が起こったかを思い浮かべるがよい。」

・・・成るほどのぉ。・・・。初めて出会ってここまでするか・・・?

・・・。あやつは何ということを・・・!

「すみません後半は私の願望が混じってます〜。」

そうか・・・見せられたわらはが恥ずかしいぞ!

「ところで勇者の気持ちは聞いてきたのかのぉ?」

「はい!言葉ではなく気持ちが繋がっています〜!」

「いや、言葉はないのか・・・?」

「はい!言葉ではなく気持ちが繋がっています〜!」

「分かった分かった、もうよい暫し考えるゆえ少し待つがよい。」

「分かりました〜いい返事を待ってますね〜。」


ハァーこやつの能力は使い勝手がよいのに、何故頭の方は使い勝手が悪いのじゃ、困ったものよのぉ・・・

しかしあの勇者、ますます面白いのぉ。わらはの部下を口説くとは・・・。

よし!ダニエラの自由にさせて勇者の反応を楽しむのも一興だのぉ。


「ダニエラよ。此度の件自由にするがよい!結婚式にはわらはも呼んでくれよ。」

「わぁ〜ありがとございます〜魔王様〜」

モジモジして可愛い奴だな。

「だが、その前にやってもらいたいことがある。獣人の国の件じゃ。そろそろあそこの第一王女とやらに止めをと思っておる。精神をズタズタにしてくるのじゃ。」

「あぁ、ダーリンと一緒にいた泥棒猫の姉の件ですね〜分かりました〜私の幸せのために行ってきます〜。」


さて、これでますます面白くなるのぉ。

フハハハハハ。

魔王の可愛い声がこだまする・・・。


「可愛いって言うな!」


そうなのだ、魔王の声は可愛かったのだ!


「だから可愛いって言うな〜〜〜〜〜!!」


こだまする・・・


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



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