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64.ガクッとなってみよう。

街を巡ってみよう。


向にある商業ギルドにもメイド達は行くそうだ。

な、なんだって!お、俺も行く!

「あなたは登録出来ないと思いますけど行くのですか?」

けっ!そんなのやってみなければ分からない。

商業ギルドに入る、こちらは冒険者ギルドとは違い誰もこちらを気にしない、メイド達はスタスタと受付へ迎い順番を待つ。

俺もメイド達とは少し離れて並び順番を待つ。

それにしてもメイド達はどんな商売をしているのか?これは、調査が必要だな。

と考えている間に、メイド達の順番が来て、そして俺の順番になる。メイド達はスラスラと何かを記入して問題なく終わったようだ、俺は・・・偽名を使おうと書き込んだら、レイリーに名前違いますと言われ・・・ジュリアに名前を呼ばれ、ラヴィーニャに怒られた。見事な三段活用!見事な空気の読めなさ。

諦めた俺は、本名で勝負をした。


・・・。


敗北した。

何故だ何故なんだ?

「貴方は色々とやらかしたみたいですね。三年の免許停止が出ています、この事は全国の商業ギルドにも回ってますので諦めてくださいね。」

・・・。

もう全国区なの?

メイド達がプッと笑う。

ぶちっと俺の何かが切れる。

「はいはい、次の方と変わってくださいね。ここで暴れると停止期限が伸びるだけですよー。」

くっ!まだだ、まだ俺は諦めていない!商売はラヴィーニャに任せよう、オーナー、ラヴィーニャで、店番俺にしよう。これならどうだ?

「獣人の方は時間かかりますよ。」

ちっ!ならジュリアで!

「未成年ですね、まだ登録出来ませんよ。」

ちっ!ならレイリーはどう?

「おっぱいが多きので私的にダメです!」

意味が分からない・・・

今回は敗けを認めよう・・・しかし次のチャンスには、確実に1人で訪れ偽名で登録してみせる!俺は新たな決意を胸に秘める。



商業ギルドでの出来事の後俺たちは、街を散策した。

オーベの街で見たものが少しだけ安く売っている。大量に仕入れて闇市で売るのもありかと思うが闇市の場所を知らない・・・調査が必要だな。


よし早速調査開始だ。まず身近なところから。

ねぇ、メイド達ってどんな商売してるの?

「「「!!!!・・・。知りません。」」」

・・・。その反応知ってるよね?

「「「知りません!」」」

クッ!絶対知ってる反応なのに、教えてくれないとは・・・!

まさか、俺に内緒でぼろ儲け事業をなんてことはないよね?

「「「ドキッ!」」」

・・・。隠す気ないでしょ?なるほどこれがレイリー達がお金を持っている理由か。

う〜む気になる、一度知ってしまうと気になってしょうがない、このままでは夜しか眠れない!

「夜しか寝なくていいのですけど・・・?」

クッ!脅迫になってなかったか、ならば仕方ない!このままでは、朝は昼近くに起きて、昼寝して、早く寝てしまう!

「そんなに寝れるんですか?す・ご・い・で・す・ね。」

何だその棒読みは・・・

「こんな時ばかり察しがいいのが旦那様の良いところであり、悪いところなのじゃ。」

やっと観念したか?

「旦那様の察した通り、メイド達の事業のおこぼれを、わらは達は貰っておる。だがこの事業に旦那様は一切関係がない!よって旦那様におこぼれはない!」

(というのは、ウソで、旦那様の収納空間と《望んだ料理を作る》スキルのフル活用なのじゃが、ばれるとうるさいので、これで納得してもらおう。)

グヌヌ。メイド達め、俺を除け者にするとは、許せん!だからラヴィーニャさんおこぼれください。

「話に脈絡が全くないのじゃが・・・?仕方ないおこぼれは上げられぬが、お目こぼしするのじゃ。」

わーい、ついについに俺にもお金が・・・?お目こぼしって何?

「納得してくれたか。それは助かる。ん?お目こぼしか?見逃してくれってこのなのじゃ。」

・・・。えっと、何を見逃すのですか?

「おこぼれの話じゃ!今納得しておったじゃろ?これでこの話は終わりなのじゃ」

な、何だってーーー!ムムム、意味の分からない似たような言い回しに騙されたか?クソー難しい言葉使いやがって・・・

ムキーーーーー!

「はいはい、落ち着いてくださいね。欲しいものがあるなら私達に相談してくださいね。」

相談したら買えないものがあるんじゃーーーーー!

ムキーーーーー!



レイリーさんに引き摺られながら市場を歩く、そんな時ふと目に止まった物がある。

雑貨屋に不用意に置かれたそれは、呪いが掛かっているアームレット。呪いに侵されているので、どのような特殊能力があるのか分からないがどうも引っかかる。

レイリーさんあのアームレットが欲しいっす。

「これですか?」

呪われたアームレットを見て嫌そうな顔になるレイリーさん。

確かに今は不気味な雰囲気をかもしだしている。でもこれが欲しい、何か気になる。

店主のおじさんにこれいくら?と尋ねる。

「銀貨1枚だね」

よし!買おう。一応オネダリしておこう「レイリーお姉ちゃん、買って〜〜〜。」

「気持ち悪いので買いません!」

な、何だって〜〜〜〜!仕方ない銀貨1枚なら自分で支払うか・・・


何となく気になるそれ・・・を呪解してみる。そのアームレットの特殊能力は、姿を変えるというものだった。

マジか!マジか〜〜〜!これで犯罪したい放題・・・違う、姿を変え商業ギルドで登録出来る!

喜んで俺は腕にはめ、その能力を試す・・・試す・・・?

一向に姿は変わらない?俺の目には変わってないように見えるだけ?ねぇねぇ俺の姿変わった?

「えっ?どこがですか?」

「アームレットが付いたよね。」

「そうじゃの、そのアームレットがどうかしたのかのぉ?」

何故だ、何故変わらない?もう一度鑑定して見る・・・。「女性専用」・・・。

こ、こ、こんな物、イラ〜ン!

「そのアームレットを装備すると姿を変えれるのですか?凄い物見つけましたね。」

「お兄ちゃん、いつもこうなら良いのに。」

「どれ?ちょっとわらはに貸してみるのじゃ。」

俺には何の意味もないので、ラヴィーニャ渡す。

「どれ?どれ?」

ラヴィーニャの姿は見る見るというか、あっという間に変わる・・・。

獣人の可愛らしい姿から人間のアホそうな男の姿に変わる・・・

・・・俺だった・・・。

そして人間の大人の女性イガイガに変わる。

ますますこんなものイラ〜ンとラヴィーニャの腕から外そうとするが、「これは素晴らしいものなのじゃ」と俺の動きを阻止する。

「旦那様がいらないなら、わらはが買い取るとしよう、銀貨2枚でどうじゃ?」

ば、倍になっただと〜俺は即決した。その辺で仕入れてアットいう間に二倍!これを繰り返せば・・・俺の目は呪いの装備を探す目になっていた。

「うむ、では確かにわらはが買ったのじゃ。しかし旦那様は優しいのぉ。これは国宝級の代物なのに銀貨2枚で売ってくれるとは。」

うんうん、と関心したように頷くラヴィーニャさん。

・・・。今何と?

「だから国宝級と、考えても見るがよい、この装備をすれば王宮だろうがどこだろうと変装して入りたい放題じゃ。もし犯罪組織に渡ったのなら・・・。このような危険な物を国が放置するとは考えられぬのじゃ。」

・・・。成程・・・。でお値段はいかほどに?

「そうじゃの、闇市へ行きその筋の者なら金貨500枚・・・いやもっとかのぉ?とにかく値は付かんほどなのじゃ!」

ク、クーリングオフを要求する!

「何なのじゃそれは?」

商品を買った時、業者に強引に契約させられたなど、主に不意打ち性のある販売方法から消費者を保護するために、契約から一定の期間内であれば契約を解除できるという制度ですけど?

「旦那様何を言っておるのじゃ?」

頭の上に「?」を浮かべ考え込むラヴィーニャさん。

「商品を買ったのはわらはなのじゃが?そのクーリングオフとやらを行使するのはわらはなのでは?」

・・・。そうとも言う・・・。

「なら交渉成立なのじゃ。わらはには何も不満はないのじゃ。」


何てことだ日本の法律が役にたたないとは・・・

ガクッと膝を付き敗北を認める。


後日、ラヴィーニャがメイド達にアームレットを貸出し多額の金銭のやり取りをしているのを知り、犯罪行為の口止め料としてお小遣いを請求したが却下されたのは言うまでもないことだろう。



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