51.師匠またダメでしたをしてみよう。
やってきました、王宮へ。
またやって来ました、スキルの野郎との対決の日が!先日品質「良」の牛肉が手に入ったということもあり、なので三度目の対決なのです!
王宮へ行くと言うことで、騎士団の訓練場にもよっていくことにした。というか勝手に二人は行ってしまった。
レイリーも、ジュリアもソワソワしているのでよっぽど見せたいのだろう。
今日の対決には二人の騎士団長も招待されているらしいので昼食前の運動には丁度良いだろう。
さっそくディランさんとイヴィアンさんを見つけそれぞれ技を披露したようだ。
まずはレイリーからだ。キリッと集中して剣に冷気を纏わせる、それを見たディランさんはぶふっーと何かを吹き出した。周りの騎士たちも同様だ・・・
「レイリーさん?それは何かな?」
ディランさんは何故か言葉遣いが変だ・・・?
「えっとですね、出来るようになりました!」
嬉しそうなのは良いけど、説明になっていないよレイリーさん・・・
「いやいやそうじゃなくてそれ魔法を剣に纏っていますよね?」
「はい!その通りです!斬ると相手が凍ります!」
嬉そうに話すレイリーだが、周りの騎士達の顔は引きつっている。
「そ、そうなんだ・・・もう真剣での訓練はやらないようにしようね。」
「な、な、何でですかーー?!」
ぷんすか怒るレイリーだが、俺は騎士たちの気持ちがわかる!
はっきり言ってレイリーは加減を知らないから怖いのだ・・・もう恐怖以外の何者でもない!
ドン引き騎士達をよそに魔法騎士団の方を覗いて見る。
そちらではジュリアが、ニコニコしながら案山子に氷魔法を撃ち込んでいた。あちらの団長さんも顔が引きつっている。ジュリアパパも居るが顔が青くなっている・・・
やはり氷魔法は珍しいのか?俺にはわからないが、ジュリアが楽しそうなので良しとしておこう。
「良しじゃないよ!一体何がどうやったらこんな短期間で氷魔法が使えるようになるんだよ?氷魔法は水と風の上級が使えないと使えないはずなのに・・・」
イヴィアンさんが聞いてくるが、そんなこと俺に聞かれても・・・ねぇ?俺にわかる訳がない。
こっちが聞きたいよ!
あっちでレイリーが暴れまわっている。
ディランさんが俺の所へ来て「もう連れてくるな」と文句を言うが、勝手に来ちゃうからしょうがないよね、あはははは・・・ごめんなさい。
昼食の準備があるといってそそくさと訓練所から逃げる俺を恨めしそうに見つめるディランさんだが、知らん!俺は何も知らん!俺のせいじゃない!
多分・・・
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
王妃様に対決の審判をお願いし、いざ出陣でござる!
牛肉のオススメ料理はステーキだったのだが、今回は俺もスキルの野郎もハンバーグで勝負する。
前回はスキルの野郎がオススメだったので負けたに違いない!と都合の悪い記憶は排除して望む第三回戦。
俺が作ったトンカツとスキルの野郎が作ったトンカツを食べ比べてどっちが美味しいとかなんとか・・・聞いてないし、聞こえてない!
なので今回は同じ料理で勝負だ!俺は当然ずるをする!もう規定路線だ!
スキルの野郎はもう作り終えているので、収納空間にしまっておいた。
俺は前回のことを踏まえて、スキルの野郎にお願いした。変態牛の荒く引いた挽き肉と普通の挽き肉とハイオークの挽き肉を合わせた合挽きだ。
さらに女の子が多いのでとろけるチーズを注文した。スキルの野郎が、「なかなか良い工夫をするじゃない」とか言っているが聞こえない!
今回は種類で勝負するのだ、荒く引いた挽き肉のハンバーグとチーズイン、合挽きのハンバーグとチーズインの計4種類を作る予定だ。
今回は国王陛下他男性陣も来るのでチーズにばかり頼るわけにはいかない。
挽き肉をコネコネ、パン粉や卵、玉ねぎを入れてコネコネ。手のひらでお手玉するように叩き付け空気を抜いてチーズイン!形を整えあとは、焼くだけ。
ソース?ソースはスキルの野郎と同じのにしておいてやったよ、そうすれば俺にもチャンス・・・イヤイヤ、ハンバーグの味の違いが分かるからな!
俺はハンバーグが得意なのだ、そうあのハンバーグの師匠に憧れハンバーグを作るようになったのだ。
このハンバーグを食べればきっとハンバーーーーグといってくれるに違いない!
よし!勝負だ!
まずは俺のハンバーグからだ、4種のハンバーグでみんなを魅了する。特に女性陣にはハンバーグの中からチーズが出てくるのが新鮮で斬新だったようで受けが良く評価も上々だ、男性陣にはチーズインは少し重いようで(歳だからなみんな)荒引のハンバーグの肉肉しさが好評だった。
さて、いよいよスキルの野郎のハンバーグの登場だ。見た目は確かに俺のより良い、臭いは同じソースだから変わらない、では実食!
「「「・・・・・・・」」」
しばしの沈黙の後、国王陛下が代表して叫んだ。「ハンバーーーーグ!!!」とね。
その瞬間俺は敗北を悟った、草葉の陰からハンバーグの師匠が良く頑張ったと、慰めてくれたような気がした。
敗者はただ去るのみ、俺は一人寂しく会場を後にしたが、連れ戻された。
スキルでチーズインを作るように懇願され、またしても大ダメージを喰らったのだった。
スキルの野郎は「今回はなかなか良い勝負だったよ」なんて言ってるが、次こそは次こそは負けないからな!!!コンチクショー!!!
と、一人で燃えている俺に、王妃様が食後のデザートよろしくねと容赦なく言ってくる。
王妃様の目は完全にチョコになっているし・・・
仕方ないのでチョコレートケーキをと思い用意を始めたとき、ニーナさんが一通の手紙を俺に差し出した。
何だろう?そう思い尋ねたがニーナさんは読めばわかると言い残し去って行った。といってもデザート待ちしてるんだけどね!
手紙はチヒロさんからの物で、日本語で書かれていた。
「折角誘ってくれたのにまだ勇気が出なくて・・・ごめんなさい。いつか伊織君に会えた時は、手料理で出迎えてね。食べれる日を楽しみにしています。」
そして長い空白のあとに「ありがとう」と書かれていた。
手紙を読み終わりチラッとニーナさんを見ると薄っすらと笑っているようだった。
俺の料理で人が幸せになる、なんだか嬉しい。
俺は嬉しさを爆発させ巨大チョコレートケーキを作った。
みんなが幸せになれるよう願いを込めて、そしてみんな太ってしまえと裏の願いも込めて・・・
三度対決後 昼食後
名 前 八神 伊織(職業 勇者)(16歳)
L V 22 (994/1084)
スキル 望んだ料理を作る・聖魔法LvMAX・収納空間・剣術Lv2・水魔法Lv1・気配察知Lv5・危機察知Lv4
魔力察知Lv2・奴隷契約・マッピングLv4・鑑定眼+3→神眼・神の加護(3/4)能力補正+100
魔王倒すスキル 73/10000
気配察知 5/50
魔力察知 6/20
危機察知 3/40
状態異常 なし
HP 634(+180)
MP 567(+250)
力 118(+100)
体力 130(+100)
魔力 121(+100)
知力 17(+100)
素早さ 122(+100)
運 21(+100)
名 前 レイリー=エドワーズ(職業 聖騎士)(17歳)
L V 31 (6371/8078)
スキル 剣術Lv6(+1)・槍術Lv3・聖魔法Lv2・魔力耐性Lv4・気配察知Lv4・危機察知Lv1・神の加護(能力補正+50)
魔力察知Lv1・身体強化Lv3・魔法剣(剣に魔力を纏うことができる)
能 力
HP 551(+90)
MP 258(+125)
力 137(+80)
体力 140(+50)
魔力 97(+50)
知力 16(+50)
素早さ 99(+50)
運 30(+50)
魔王倒すスキル 35/10000
剣術スキル 61/70
気配察知 31/40
身体強化 4/30
状態異常 なし
ジュリア=オリムカル(職業 魔法使い)(10歳)
L V 22 (699/1084)
スキル 火魔法Lv3・水魔法Lv6・風魔法Lv6・土魔法Lv3・光魔法Lv3・闇魔法Lv3・神の加護(マジックマスター・・・魔法関係のスキル上昇率UP・魔力補正+50)
魔法耐性Lv3・魔法操作Lv3・魔力察知Lv3
魔力察知 24/30
水魔法 23/35
風魔法 23/35
能 力
HP 285
MP 258(+125)
力 70
体力 99
魔力 96(+50)
知力 33
素早さ 72
運 22
状態異常 無し
名 前 ラヴィーニャ=ゼノーニ(職業 王女)(13歳)
L V 21 (739/867)
スキル 王の威厳・気配察知Lv3・気配遮断Lv3・危機察知Lv5・神の加護(格闘系攻撃力UP 力、体力、素早さ補正+50)
身体強化Lv3・体術スキルLv3・回避スキルLv3・獣闘術Lv3
状態異常 無し
身体強化 28/30
体術スキル 28/30
回避スイキル 28/30
能 力
HP 308(+90)
MP 46
力 113(+50)
体力 94(+50)
魔力 46
知力 13
素早さ 115 (+50)
運 24
状態異常 無し




