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5.王妃様の部屋へ行ってみよう。

やってまいりました、王妃様の部屋。


よし先に王妃様にお土産を渡そう。


「レイリー、王妃様に水あめと水羊羹渡したいんだけど、どうすればいいかな?」


レイリーの眼がキラッと光った。余程気にいたみたいだ。



「えっとですね。分かりません!」



どやっと胸を張って言うことじゃないと思いますけどね。


あぁ~イガイガする。


近くを通りかかったメイドさんに声を掛けどうすればよいか尋ねてみた。



「すみません、王妃様にお土産渡したいんですけど、どうすればいいですか?」



残念な物を見る目でメイドさん教えてくれた。


あぁーその眼癖になりそう・・・ 


しかし俺はイヤイヤイヤと頭を左右に振り変な性癖になるのを回避した。


俺はやればできる子なのである。



「私は王妃様のメイドですので、ご案内いたしましょう。この時間なら王妃様もお時間があると思いますので。」



うん、ご都合主義万歳!タイミング良すぎです。早速案内してもらいましょう。


ふぅー何か遠いな、てかここ広すぎだろ何だよこの建物。地方のイ○ンより広いぞ!


やっと着いたか。豪華な扉の前でメイドが止まった。


「コンコン。レベッカです。王妃様に勇者様がお会いになりたいそうで。」


中からゴソゴソ音が聞こえる。



「こんな朝早くから失礼なことですが、入ってもらって構いません。」


扉を開けてくれたのはやや叔母さまが入ったメイドさんでした。


綺麗に年を取ってますねって言いたくなる叔母さまだ。


目つき鋭く俺を観察している。

 

あぁー癖になる 経験値が貯まっていくのが分かる。いいのか俺?大丈夫か俺?


部屋の中に入ると奥の方で優雅に紅茶を飲む王妃様の姿があった。


カップをそっと音の鳴らないように置き問いかけてきた。



「おはようございます、勇者様。私はルイーズです。アレキサンダー=アンタルシアの妻です。よろしくお願いします。それで今日はどのようなご用件でしょうか?」


おぉやっぱり綺麗だ流石貴族。イガイガの元が無ければ最高なのに。


「ゴホン!」


見とれていると、メイドの叔母さまがせき込んだ。


おっと危ない危ない。

レイリーなんてカチカチで石の置物状態だし、俺がしっかりしなくては。


「おはようございます。突然の訪問大変失礼だと思いましたが、どうしても王妃様にお渡ししたいお菓子がありまして。俺のスキルで作ったお菓子ですが、こちらのレイリーも気にったみたいで。それで是非王妃様に献上いたしたく参りました。」


といって、何気なく収納空間に続いているバックから水あめと水羊羹を取り出した。


昨日のうちにバックを買っておいたのだ。ふふふ俺冴えてる。



「こちらが、水あめです。甘くて美味しいです。またこちらは水羊羹になります。俺の世界のお菓子です。」



どうぞとばかりにメイド叔母さまに手渡した。


メイド叔母さまと王妃様の眼が輝いた。


甘いものに目がないのかな?砂糖はやはり高級品なのかな?量が少ないのかな?



「変わったお菓子ですね。どのように食べればいいのでしょうか?」



「水あめはスプーンでよそってお召し上がりください。水羊羹も同じようにスプーンで小さく切りお食べください。」



毒見とばかりにメイド叔母さまが水あめを食べた。


キラキラの眼を見開きそしてうっとり顔になった。


その表情をみてからの王妃様の動きは速かった。


ぱくっと水あめを食べた。


綺麗な顔がとろけている。ぱくぱくと素早い動きだ。甘味に飢えているのだろうか?


つづいて水羊羹に取り掛かった。こっちは毒見なしだ、いいのか王妃様!


「うぅ~~~~~~~」


なんか唸っている、便秘か?


お下品なとこを思っていたら王妃様にガシット肩を掴まれた。


「こ、こ、これは何ですか?美味しすぎてたまりません。」


うっとり顔なのに肩を掴む力は化け物だ、肩が砕けそうだが俺は耐える。


俺はできる子だから。


「お、俺の世界のお菓子です。俺のスキルで作りました。(元がスライムってことは内緒だ)」


「い、い、い・・・」


「い、い、い?」


「い、いくつ持っているのかと聞いているのです!あるだけ置いていきなさい!」


肩を掴まれガクンガクンされながら俺に襲い掛かる王妃様、こわい。


「い、いまはこれだけしかありません。」


2個の水羊羹を取り出した。


たった2個と言わんばかりの王妃様だが、ないものはないのであった。


「しかたありませんね、分かりました。ではこれをできる限り私の下へ毎日持ってきなさい!わかりましたか。わかりましたね?」


俺は、うんうんと首を縦に振ることしかできなかった。


お、おなのひとコ・ワ・イ・・・


そして早く帰って準備しろと言わんばかりに部屋から追い出された。


しばらく廊下を進んでいると、恐怖の部屋から謎の声がこだました・・・


「ヴ・マュ・イイィ~~~~~~~~~~~~~~~~」



この謎の声が王宮の七不思議の一つとなり後世まで語り継がれたそうだ。


-----------------------------

やってまいりました。魔法演習場。


王妃様に精神をゴリゴリ削られて疲労困憊の勇者です。



本日の最大のイベントを忘れていたわけではありません。


そう魔法使いの勧誘です。


ジュリアがいいと、俺の第六感がいうのです。シックスセンスです。


俺は紳士ではないので良いのです。


早いところジュリアを引き込み、スライム狩りに行きたいのでとっととお話開始です。


もう水羊羹の在庫がないので、王妃様に殺されてしまいます。


魔王討伐より危険な仕事が待っているのです!



まだ昼食には早い時間だが一人でぐったりとしているジュリアを発見しました!突撃します、隊長!


「こんにちは、ジュリアさん。俺は先日召喚された勇者イオリです。ちょっと今日はお話がありまして。」


「久しぶりね、ジュリア。疲れているところゴメンだけどちょっといいかしら。」


俺とレイリーで話しかけた。


「はぁ、はぁ、はぁ・・・」


ジュリアは返事もできないほど疲れているみたいだ。


しょうがないなー昨日作った滋養強壮薬を飲ませよう。


何と<<望んだ料理を作る>>スキルで薬も出来てしまったのです。


絶対料理じゃないのに作れるなんて、チートすぎる。


さすがっすエリクシア様。


「これどうぞ、少しは疲労回復になるから飲んでみて。」


ニコッと笑顔で渡した。


コクッコクッ可愛い音を立てながら滋養強壮薬を飲み干すジュリア・・・可愛いな。


少し落ち着いたのか返事をしてくれた。


「はじめまして勇者様。私はジュリア=オリムカル オリムカル子爵家の長女です。お見苦しい所をお見せしまして大変申し訳ございますん。」


いえいえ一部のマニアの方が見たら発狂するほどの可愛さですよ。


っと一瞬だけ本当に一瞬だけ考えただけなのに背後から謎の冷気に襲われた・・・


俺は一部のマニアではないのに、心外だなレイリー君!


「突然ですが、ここで問題です。あなたはこれからの人生どうしたいですか?


 1.このままボロボロになりながらここで訓練を行う。


 2.勇者の従者となって俺と旅する。


 3.その他


 時間は30秒です。さぁーお答えください。チッチッチッ・・・」


「ぱしーっん!」


後ろから叩かれた。レイリーさん痛いですよ。


まさかこの世界にも突っ込み文化があったのか。


「突然そんなこと言われても困ると思いますが、もう少し説明したほうがいいと思いますが。」


ごもっともで。

しかし30秒経過したので


「ブブー。はい時間切れです。正解は2番の俺と一緒に旅をするでした。」


「ぱしーっん!」


後ろから叩かれた。レイリーさん痛いですよ。


ジュリアは目をキョロキョロしてこの勢いに付いてこれていない。


チャンスだ。アタックチャンスだ。


この勢いで押し倒す、違う!違う!押し通して仲間に引き釣りこもう。


ケッケッケッ!


「ぱしーっん!」


後ろから叩かれた。レイリーさん痛いですよ。


心が読めるのですか?


だんだんと俺の扱いが雑になるなぁ。


選手交代のお知らせです。1番勇者に代わりまして、レイリー、レイリー


謎のアナウンスが聞こえたような気がした。


「ごめんなさい。少し変なんですこの勇者様。」


ついにレイリーに俺の正体がバレてしまったか。


しかし俺にも真面目モードは存在するのだよ、レイリー君。


いつか見せてやろうでわないか、ギャップに慄け!


俺の存在を無視しだしたレイリーが説明を開始した。


「突然ですが、ここで問題です。あなたはこれからの人生どうしたいですか?」


おいおい、俺と同じやないかい!


ちょっとだけ引き気味のジュリアが


「えっ?どういうことでしょうか。」


と首を傾ける。


「さっきこの勇者が言った通り、このままここで訓練を受け続けるか、こいつと一緒に旅に出るかってことよ。」


おいおい、俺と同じやないかい!


うるさいっ!とばかりに睨まれた。


あぁ~経験値が貯まっていく~


「・・・・」


ジュリアは考え込んでいるのか、俯いてしまった。


「今回は急すぎるし、返事はまた後日でいいから。考えておいてね。」


じゃまたね、と俺を引きずるレイリーさん、この世界の女性は皆さま力持ちなのですね。



感想、レビュー、ブクマ、評価、待ってます、よろしくお願いします。

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