31.討伐隊に参加してみよう。
やってまいりました、森の中。
王宮で出発式を行いいよいよ出発だ。
騎士はレイリーの所属部隊とジュリアの所属部隊だ。
レイリーが所属している部隊の隊長はこの間ボコボコにされたのを根に持っているようで、こちらを見てブツブツ言っている。
ジュリアの所属部隊の隊長は熱血な感じで、ジュリアーよかたなぁぁぁぁーと泣いている。暑苦しい・・・
そこに冒険者Cランク8名とDランク12名が参加している。そもそもゴブリンの集落の討伐は冒険者にとって割に合わない仕事なので参加者は少ない。
ゴブリン討伐隊の編成は剣士・魔法使い共に20名の小隊の計40名、冒険者20名で結構な大所帯である。
ゴブリンの集落を発見した冒険者の話ではゴブリンの数は100ほどの比較的小さな集落らしい。
何故「らしい」なのかというと、集落を発見した冒険者がギルドに報告後に死亡したからだ。死因は不明だが路地裏で事切れていたらしい。
今回の討伐には一緒に動向していないので、「らしい」なのである。
ゴブリンの集落までは一日では到着できないので、今回は夜営を行い、翌日昼ぐらいに到着予定である。
斥候を出し数・場所の把握もすんでいる、一人2匹倒せばお釣りがくる簡単なお仕事であるので、皆余裕があり討伐隊の空気も明るい。
今日の宿泊予定地までの道のりも難なく進んで行く。途中で少しばかり魔物が出たがこの人数だ、余裕をもって対応している。
俺は暇なので、薬草を物色したり、食べれそうな木の実、葉を探しながら歩いた。
宿泊地に着き、野営の準備をしていると、俺は男性騎士のテントヘ行けと言われてしまった。
何もしませんよ?何かしたら俺の身が危険だし・・・
ご飯ぐらいは一緒にお願いという寂しがり屋な俺の提案は受け入れられたので三度唐揚げの品評会を行った。
唐揚げを作り出したら何処からともなくメイドが現れた・・・ここにも来ているんですか?ご苦労様です。
さて唐揚げ二連敗中の俺は、同じ失敗を繰り返さない!やればできる子なのである。
と言ったものの、唐揚げのアレンジが思いつかなかった俺は唐揚げに付けるもので勝負することにした。奴は(《望んだ料理を作る》)は唐揚げのみだからだ。
マヨネーズ(《望んだ料理を作る》で作った)、シソタレ、大根おろし、ポン酢(《望んだ料理を作る》で作った)等々スキルで作ったものがあるが俺のアイディアだしいいのだ!
いざ勝負!・・・・・モグモグ・・・・・「イオリ様の作った唐揚げも美味しいですよ。」・・・・唐揚げ「も」ではなく唐揚げ「のが」にしてほしいと頼んだがそれはないとハッキリ断られた。
グヌヌ・・・強敵すぎる・・・強敵と書いて友と呼んでレシピ教えてもらおうかな・・・
三度の敗北によりトボトボと男性騎士テントヘ向かう俺、その背中には哀愁が漂っている・・・行きたくない、あっちへ行きたくない、だって騎士団に知ってる人いないんだもん・・・
「我儘いわないでください!」「我儘言わないのお兄ちゃん!」
二人にそういわれては仕方がない。
明日は戦闘になるので今日は早めに寝てくださいと言われ寝ることにした。もちろん男性用テントでの就寝だ、い、いびきがうるさい。
ところで、本当に他のゴブリンがいる可能性はないのか?ないですよーだって集落が小さいんですもの。やってしまったかもしれない。
フラッグを立ててしまったか?
翌朝、ゴブリンの集落に向けて出発した討伐隊、しかし俺のマッピングに不穏な気配が表示された、赤色のマークが、何かはわからないが俺の気配察知にも反応があるので、生き物なのだろう。
その数があまりにも多いことに気付いた時にはもうすでに周りを囲まれたあとだった。俺とレイリーは騎士団の隊長のところへ行き不穏な気配が多すぎると伝えたが信用されず討伐隊はそのままの集落に進むことになった。
このままではまずいと思った俺達は別行動をとることにした。隊長はギャーギャー言ったが王妃様に言いつけるぞと言ったら黙った。
せめて後方の逃げ場だけでも確保しなくてはと、俺達は集落とは逆方向にもどり気配を消し草むらに潜んだ。あーこれはダメなやつだ。気配察知にも、マッピングにも凄い数のマークが現れたら。
神眼の影響だろうマッピングと気配察知が連動している、もっと早く気付きたかった、今日この頃。
はぁーとため息がでた、集落方面より後方の方が数が圧倒的に多いからだ。これ三人で相手するんですか?いやー無理でしょ、ねぇーレイリーさん?
私達なら行けますよ。
軽いな、どこから来るんだその自信?レイリーさんが、そうおっしゃるならできると信じて頑張りますか。
尚後方のからの赤色のマークは150ってところだ。では作戦タイムです、あまり時間はないが取り合えず。
少しでもゴブリンを弱らせてから戦おうと思った俺の考えた作戦はこうだ!
まず、土魔法で容器を作ります。続いてその容器に水魔法で水を入れ、火魔法で沸騰させます。すべてジュリアさん頼みです。
その容器に水の中でも消えないように魔力を調整した火の玉を入れて密封しレイリーさんに投げてもらう、何と俺は何もしていないのである。
マッピングにより距離方向をレイリーに伝え投げてもらった、俺達の中で一番の力持ちだから・・・
レイリーが投げた入れ物は地面に接地した瞬間、物凄い衝撃を内部から受けたように粉々になり飛び散った・・・
爆風で赤いマークがごっそりと減った・・・
「ジュ、ジュリアさんなにしてるんですか〜〜〜〜〜〜!」俺たちは驚きを隠せない。
当の本人はオロオロしてエッ私?みたいな感じだ。メイドたちが現れ、私たちを殺すきかぁぁぁぁーと怒られた・・・よくわからないが科学ってすごいってことにしておこう。
蒸気爆発によって容器が破壊する現象は、次のように説明される。
密閉容器内にある液体が、一定温度において常圧以上の蒸気圧を保って平衡しているときに、容器に亀裂が起きてガスが漏洩すると蒸気の圧力が減少するために平衡が破れて、液は瞬間的に過熱状態になる。
このため急に液の沸騰が始まって、平衡時の蒸気圧を越える高い圧力が再び発生しその衝撃的な圧力によって容器はさらに大きく裂開する・・・?なんのこっちゃ?
この謎爆弾で数を減らせば勝機がある!どんどん行こう!
囲まれているといっても、集落側に100体、反対方向に150体、左右に100体ずつで「十」の字を書くように配置された部隊、そこは良しとしよう、しかし各部隊は規則正しく並んでいる・・・?
どうしてこんなに揃っているんだ?森の中はもっとバラけた方が進みやすく効果的では?俺のつたない漫画からの知識に合わせて考えてみても相手の指揮官はアホっぽい・・・。
俺達を囲んだ時の迅速さは何処へいったのか?何故か進軍速度も遅いし、まさかと思うが草木を狩りながら進軍しているのか?
これなら集落方向は騎士たちに任せ、それ以外を殲滅するつもりで狩れるしこっちとしては助かる。
後方の敵をあらかた排除した俺たちは、ゴブリンの集落に向かって右側の敵の殲滅に急いだ。
急いだのが功を奏したのか?相手がのんびり移動しているのか?敵の反応は遠い・・・
こちらとしては好都合なので、謎爆弾を馬鹿力レイリーさんが投げまくり・・・馬鹿力ではないと怒られた・・・余裕があるな。
魔法の使い過ぎで、はぁはぁと息を荒くしているジュリアを見て俺のいけない扉が開きそうだが、もう少し頑張ってもらうため応援しよう。その扉は開けちゃだめだ・・・頑張れ俺!
ジュリアを休ませるため右側の敵の殲滅に急ぐ、謎爆弾で倒れなかったゴブリン共を倒しに行く。
残っているゴブリンはホブゴブリンやゴブリンファイターと言った少し強いゴブリン共だ。
俺でも1対1で頑張れば狩れる奴らだ、ガンバルゾー!と言っている間にレイリーとメイド達が狩り切ってしまった・・・・俺のやる気を返せ・・・
「「真面目にやってください!」」怒られた・・・真面目にやっているのに・・・
右側の敵を狩り切っている間にジュリアの回復も済んだようだ、魔力回復薬も飲んで魔力も十分だ。
左側の敵は全然進んできていない、まだチャンスだ、謎爆弾で数を減らし、今度は俺も戦った。ホブゴブリンとタイマンだ!Lvは同じだったが俺には神の加護があるからな、余裕で殴られたが、どうにか勝つことが出来た。
優しいレイリーさんは褒めてくれたが、メイド達ときたら・・・「よわっ!!!」といって「ペッ!!!」と唾を吐いて向こうへ行った・・・女の子なんだから唾吐くなよ・・・
そんなこんなで左右のゴブリンを殲滅することができた俺たちは後方に狩り残したゴブリンの殲滅に行った。集落側は騎士団と冒険者にお任せである。
そこで魔族の幹部?に出会った。
「我は魔族10将の内の11人目、智を担当するトルベン=ヨネスだ、よくも俺の策を破ってくれたな!さすがは勇者と言ったところか。」
どんな策だったのか10将なのに11人目とは?小一時間ほど、いや小二時間ほど問い詰めたいが今回はやめておこう。
「魔族だと?魔王の手先か!?」
「よく分かったな、お主が我の策を破ったのか?」
「そうだけど、それがどうした?」
「ぐぬぬ、まさか勇者がこれ程の知将だったとは、見くびっておったわ!」
「・・・・・・・」
「我の策は魔族10将の第三席「悪」担当のバチロウも認めるほどの策、平地なら確実にお主らを葬っておった我が策を破るとは・・・」
・・・・・・こいつバカだ、平地ならだろ?平地なら・・・
そこでフト周りを見渡した・・・あぁ開けている・・・森が開けている・・・開墾しながら進軍ご苦労様です。
「お前!智ではなく痴か恥の担当だろ?」
俺は此方の世界の字を地面に書き尋ねた。
「恥」を指しこれだよくわかったなと褒められた。
恥ずかしい、俺は超恥ずかしい・・・俺達を居ても立っても居られない状態にするとは、ある意味デキる!
しかたない魔族10将と言われては相手をするしかあるまい!
「俺が相手になってやる!」
「望むところだ、我の力を見せてやる!」
サクッ、ブシュッ。勝った俺の勝ちだ、こいつゴブリンより弱い・・・こんな弱いの奴にゴブリンはよく従っていたな、魔族と魔物では主従の関係がなりたっているのだろうか?
こんなおバカな魔族しかいないのなら余裕だがきっとそうはいかないのだろう。
「なんだかイオリ様に似てましたね・・・」
メイド達も頷いている・・・ レ、レイリーさんそれはないでしょ・・・?
「後方も殲滅できましたので集落の方へ応援に行きましょう。」
何もなかったかのようにゴブリンの集落へ向かう面々・・・・
ムキーーーーと地団駄を踏む俺をおいて行ってしまった・・・・誰か構ってください。
「お兄ちゃん、頑張ったね!」ジュリアだけが俺を慰めてくれた・・・・
騎士団と冒険者達も無事にゴブリン集落の殲滅に成功したようだ、これで今回の任務は終了となる。
気になることと言えば、魔族10将の残りの10人だ。一人倒したのにあと10人・・・
簡単な引き算も出来なくなった自分の頭を気にしながら街へ戻ったのであった。
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討伐後 夕食前
名 前 八神 伊織(職業 勇者)(16歳)
L V 16 (154/284)
スキル 望んだ料理を作る・聖魔法LvMAX・収納空間・剣術Lv1・気配察知Lv2・危機察知Lv1
魔力察知Lv1・奴隷契約・マッピングLv1・鑑定眼+3→神眼・神の加護(3/4)能力補正+100
魔王倒すスキル 67/10000
気配察知 21/30
マッピング 9/20
危機察知 7/20
状態異常 なし
HP 316(+180)
MP 277(+250)
力 77(+100)
体力 89(+100)
魔力 80(+100)
知力 11(+100)
素早さ 81(+100)
運 15(+100)
名 前 レイリー=エドワーズ(職業 聖騎士)(17歳)
L V 31 (2442/8078)
スキル 剣術Lv6・槍術Lv3・聖魔法Lv1・魔力耐性Lv2・気配察知Lv2・危機察知Lv1・神の加護(能力補正+50)
魔力察知Lv1
能 力
HP 551(+90)
MP 258(+125)
力 137(+50)
体力 140(+50)
魔力 97(+50)
知力 16(+50)
素早さ 99(+50)
運 30(+50)
魔王倒すスキル 35/10000
剣術スキル 4/70
気配察知 14/30
魔法耐性 24/30
状態異常 なし
ジュリア=オリムカル(職業 見習魔法使い)(10歳)
L V 15 (196/227)
スキル 火魔法Lv3・水魔法Lv4・風魔法Lv4・土魔法Lv3・光魔法Lv3・闇魔法Lv3・神の加護(マジックマスター・・・魔法関係のスキル上昇率UP・魔力補正+50)
魔法耐性Lv3・魔法操作Lv3・魔力察知Lv1
魔力察知 16/20
水魔法 11/20
風魔法 11/20
能 力
HP 139
MP 119(+125)
力 49
体力 73
魔力 64(+50)
知力 20
素早さ 51
運 15
状態異常 無し
名 前 ラヴィーニャ=ゼノーニ(職業 王女)(13歳)
L V 7 (13/38)
スキル 王の威厳・気配察知Lv3・気配遮断Lv3・危機察知Lv5・神の加護(格闘系攻撃力UP 力、体力、素早さ補正+50)
状態異常 無し
身体強化 7/10
体術スキル 7/10
回避スイキル 7/10
能 力
HP 51(+90)
MP 22
力 50(+50)
体力 42(+50)
魔力 18
知力 9
素早さ 52 (+50)
運 12
状態異常 無し




