27.ついに行ってみた。②
やってまいりました、奴隷商二階の部屋へ。
エリクシア様への心の叫びを終え鑑定眼でじっくり鑑定した・・・
そして血の涙を流し、うさ耳とモフモフ尻尾をあきらめる・・・猫耳も可愛いのにな〜
理由は簡単、絶対に面倒なことになって他の奴隷に時間を割くことができないからだ。
王妃様にも相談しないといけないし・・・
エリクシア様に問い詰めたいが今回は保留だ、屋敷へ戻ってからでいいだろう。
ガバガバ服が片方の肩にかかって垂れている、そため片方の胸の先っぽを晒し、目に包帯を巻いているその少女・・・眼福すぎるが、眼福すぎるが・・・
見てはいけない、見てはいけないのだ・・・チラッとしか・・・
名 前 ラヴィーニャ=ゼノーニ(職業 王女)(13歳)
L V 7 (13/38)
スキル 王の威厳・気配察知Lv3・気配遮断Lv3・危機察知Lv5・神の加護(格闘系攻撃力UP)
状態異常 毒
・・・・どこの国の王女だよ!!!
エリクシア様人選ミスってますよ・・・?
なんでも察してくれる支配人さんあの子は?
「本日入荷いたしました子でございます。他国より売られて来たのですが、顔が特に目が毒によりそれはそれは凄いことになっておりまして買い手が付かずこの国に流れてきたという訳でございます。ちなみに金貨5枚でお譲りします。」
ニターと笑いう支配人。
他の子に比べると安いな。
はい、即決です!もうちょっと割り引いてよとかないです。即決です!
優柔不断さんの出番はないです。金貨100枚でも即決します。
俺、支配人、ラヴィーニャは二階へ下り最初に案内された部屋へ入った。
どこでも売れなかった奴隷が売れてホクホク顔の支配人はさっそく売買契約と奴隷契約をしたいという。
売買契約はわかるが、奴隷契約?
「この羊皮紙の魔方陣にあなた様の血を一滴たらしてもらえれば契約完了となります。」
ニターと笑う支配人。
その前にレイリー達を呼んできてといっても契約が先とだだをこねる支配人
そんなに逃げられたくないのだろうか?
はいはい、わかったから契約ってのを早くやってくれ・・・
短剣で指先を軽く刺し血を一滴垂らす、魔方陣が青白く光り、羊皮紙は燃えて無くなった。
彼女の手に魔方陣が浮かび上がり、少し苦しそうな感じで身悶えたがすぐに魔方陣は消え、苦しさもなくなったようだ。
「これで奴隷契約は終了です。ありがとうございました。」
とニターと笑った。何か順番が違うような気がするが、顔の包帯を取り素顔を見せてもらった・・・
こ、これは、た、確かにひどい、これは契約を急ぐのもわかる。目の周りがタダレ、眼球があったであろう場所は真っ黒に壊死していた。
少女は顔を見られたくないのか顔を手で覆うようなしぐさをする。動くと服がズレるから動かないで・・・
目のやり場に困る、まぁある場所に釘付けだから困らないのか・・・?
違う!いかん見てはいか〜ん、理性がはちきれそうだ!
「お客様のお連れの方をお呼びいたします、そして奴隷であることの証である首輪、もう少し見栄えのいい服をお持ちいたしますのでしばらくお待ちください。」
俺の気もしらないで、支配人は淡々と進めていく。
俺が理性と戦っていると、レイリーとジュリアが入ってきた。
そしてグーで殴られた。壁になってしまうほど壁にめり込んだ・・・
いやいやいやいや、お話をさせて、そして聞いて
プルプルしているレイリー様・・・アワアワしているジュリア様・・・???しているラヴィーニャ様・・・
「待て待て待て・・・話を聞いて、お願い、お願いします、おねげーですだ」
プルプルしている拳から血が垂れる・・・
我慢をしているのだろう、レイリーの拳が悲鳴を上げる。
「コノコ、ココニイタノ、カミノカゴ、モッテルノ」
思わず片言になってしまう、殴られた顔が痛い・・・
「あ゛?ぶ・ざ・げ・な゛・い゛・で・ぜ・づ・め゛・い゛・じ・で・ぐ・だ・ざ・い゛」
「「「!!!!」」」
ぜ、絶命、してください?否、説明してくださいだよね?
えっと怖いので、真剣にやります。
「この子、今日入荷した子らしくて、神の加護持ちなの、服は最初からこの格好で俺がどうこうしたわけではない!
だから落ち着け、深呼吸、深呼吸、はい、すってーはいってー」
すーはーすーはーしているレイリーさん。
「す、すみません、早とちりでした。すみません、もう一発だけすみません。」
そしてグーで殴られた・・・
「「「・・・・・・・」」」
多くは語るまい・・・
落ち着いたレイリーさんをソファーに座らせ、説明をした。
「この子の顔は多分毒だ、呪いではなさそうだ。
この子どこかの国の王女様みたい,そしてこの子を買って奴隷契約をした、服は今ここの支配人が取りに行ってる。」
早口で説明を終わらせる。
俺の正面で、すーはーすーはーしているレイリーさん。
それを抑えるジュリアさん。
取り合えず服を着替えさせたら、屋敷に連れて帰ると話、俺は部屋から出てドアの前で待つことにした。
目の治療は屋敷に戻ってからにしよう、ここの支配人信用できないからな。
しばらくして、支配人が服を持ってきた、中に入ると殴られるよと忠告しドアの外で服を受け渡した。
ふぅ〜俺は十分堪能したものを思い出しながら着替えが終わるのを待った。
ジュリアが着替えた終わったよとドアを開け、教えてくれた。
すーはーすーはーしているレイリーさん。頼むから落ち着いてくれ・・・
奴隷契約について今更説明があった。
クーリングオフ案件だぞと言っても伝わらない。
奴隷契約をしたときに手の甲に魔法陣が出て、その魔方陣に刻まれた血を主人とする。
奴隷は主人の命令に逆らうことなない。逆らうとかなりの苦痛に襲われるからだ。
しかしごく稀に、奴隷契約を跳ね返し奴隷でなくなる者もいるので注意が必要だ。
精神力の強さで苦痛を跳ね返す強者がいつらしい。
そして奴隷の証の首輪をしていれば、主人がいる奴隷ということとなり、攫われたり、殺されることも少ない。
少ないだけで絶対ではないのか・・・
奴隷商についても聞いてみた。
ここは、この町で一番最初に奴隷が来る場所。
ここで買われた奴隷達から普通の生活を送れる者、酷い生活になる者と別れ、ひどい扱いを受けたものは飽きられたら、次の奴隷商へ売られる。
それの繰り返し、そして以前レイリー達から聞いた最悪の結果へと続いていく。
もう用はないので帰宅することにしたが、支配人が「またのお越しを」と言ったときに、レイリーさんが切れたがどうにか抑えることができた。
俺のモフモフ計画は命がけの計画になったようだ・・・
ラヴィーニャはレイリーに背負われ屋敷への道を急ぎ戻るのだった。
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しかしまだ続きがあったのだ。
屋敷へ帰った俺たちは、メイドさんに事細かに説明をした。当然見えてたことは秘密にして。
そして殴られた・・・二人の隊長に右頬と左頬を同時に・・・
右の頬を叩かれたら左の頬も的な話はあるが同時では差し出せない・・・
吹き飛んだ俺は後ろに待機していたミミーさんとメアリーさんに蹴られ二人の隊長の前で崩れ落ちた。
日頃の恨みがこもった良い蹴りだ。
そして「ごめんなさいは?」と言われ意味も分からず「ごめんなさいと」謝った。
「では、もう一発で許しますので。」
おまえらぁー絶対見てただろ・・・「ぐはぁ・・・ぶへぇ」
奴隷契約を一人で結んだこと、奴隷契約の魔法陣がもし奴隷にするための物だったらどうするつもりだったのかとか、グチグチ言われました。
知らないでは済まされなかった事なので素直に謝ることができた。
「そろそろ説明いたしましょう・・・」
そういって始められた奴隷紋についての授業・・・何故か新人メイド三人も一緒だ。
「まず奴隷紋について・・・奴隷との契約・奴隷の譲渡・奴隷契約解除の魔法陣を書いてもらいます。にこっ。今夜中に・・・」
「「「「!!!!!!」」」」 何故か俺は新人メイドに睨まれた。
「これが終わったら、各契約の魔法陣の書き換えを行えるようになりましょう。にこっ。今夜中に・・・」
「「「「!!!!!!」」」」 新人メイドの口から魂が洩れた。
「出来た人から寝てくださいね。はい、始め。」
俺達四人は朝日が眩しくなった時間に寝ることができた・・・
そしてスキルを手に入れた。
ラヴィーニャは俺の部屋でいつの間にか揃った家具を使いゆっくりと眠っていたようだ・・・
俺の寝る場所が〜〜〜〜
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