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192.最終決戦してみよう。

やってまいりました、魔王城へ。




「憎」


 私は「憎」担当のアンスガ=パルド。


 どうやら魔族10将も残りは私だけになってしまったようだ。 まさかあのミニク殿までもやられてしまうとはな……


 そうなのだ! 今日はミニク殿を倒した勇者がこの城にやってきている。


 この魔王様の城に! あの美しき魔王様の城に!


 あの勇者に出会ってからの魔王様は変わられた。いままでの刺々しさがなくなり、まるで何かを待っているかのように優しげな雰囲気をかもし出している。


 まさかあの勇者を!?


 許せん!


 どうやって殺してやろうか? 憎むべき勇者よ!





ゾクッとした? ん? なんだ?


 まぁいい、今日は決戦の日だ! 今日俺は魔王を倒す!


 そのために俺達は魔王の居城へ来ている。 あいにくの曇り空のためか、暗く不気味な雰囲気の城だ。何かが出てきても納得の雰囲気をしている。 んー俺、幽霊嫌い!


 やっぱり今日はやめて晴れた日に出直そうか?


「ここまで来て何を今さら言っておるのじゃ?」


 お化けが恐いので……


「お化けとな? 旦那様はこの間アンデッドどもを沢山倒したではないか? お化けもアンデッドもかわりはないと思うのじゃが?」


 いや、その二つは大きく違う! お化けは恐いがアンデッドは恐くない!


 だってアンデッドは倒せるからね!


「旦那様……お化けも倒せばよいではないか?」


 あっ! 


 ポンっと肩に手が…… マエリスさん優しい目でみないで……


 では行こうか。


 

 魔族10将も残すところあと一人、この城の中に居るのか? はたまた何処かへ出掛けているのか? できれば出掛けていてもらいたい。


 ついでに魔王も出掛けていてもらいたい!


 それを確かめるためにも、まずは魔王城を取り囲むように存在する魔物達を狩りきらないとならないようだ。 ここに居る魔物たちはかなりの強そうだ、ベヒモス、リバイアタン、サイクロプス、ゴーレム等々でかくて強そうな魔物がいっぱいいる……


 さて困った、数も多いし……


 

 ん? ん? レイリーなにしてんだ?


「イオリ様ー、ここの魔物なかなか歯応えあって鍛練にもってこいですよー! 早く来てくださいねー」


 ……


 一人で魔物の群に突っ込み、手当たり次第切り刻んでいる…… 


 相手がめちゃくちゃ大きいから、一度に何匹も相手にしなくて言いとは言え……そこで無双できるのあなただけですレイリーさん!


「旦那様……レイリーはレイリーなのじゃ! 気にしてはならぬ!」


 …… そうだね……





 ぐぬぬ! 勇者と一緒に現れた女が強い! ここの魔物を次から次へと…… 恐ろしい女だ! そんな女を仲間にしているとは勇者め! 憎むべき相手だ!


 この程度では……虚しい……


 私は憎しみの心を強さに変える事ができる、だからミニク殿と戦いに出掛けた同胞達から憎しみの心を奪おうと近づいたが……


 あやつらまるで勇者の事を憎んでいなかった…… 憎しみの心を期待していた私としては…… これでは勇者一行に勝てん! もっと憎しみを!





 さっきから時折ゾクッとするんですが?


 なんだろ?


 よく分からない悪寒より、可愛い妻レイリーの方が大事だからね、俺達も行こうか。


「わらはは?」


 ラヴィーニャも可愛い! ジュリアも可愛い! マエリスも可愛い! 夏樹さんもマリーアも可愛い!


 みんな可愛いよ! 


 だから最後は俺一人で……




 それにしてもここの魔物強すぎない?

 

 俺の剣術レベルでは相手にならない! 俺の剣は駄龍アイテムで最高の切れ味を手にいれているのだから、斬れないわけない、実際に同じような剣でレイリーは斬ってるし、だけど俺は斬れない。 やはり剣術レベルを上げておけば良かったな。 


 剣で倒した方がカッコいいしなー そうすればキャーステキもふもふしてーとか有ったかもしれないな……



 まぁ今さらか……


「旦那様!戦いに集中するのじゃ!」


 はは、みんなには良からぬ事を考えているのバレバレか。


 訳の分からないこと考えてないで、とっとと数減らせって?


 へいへい。では、皆の期待に応えましょう! 


 別に俺が剣で切る必要もないし、皆を守るためにカッコつける必要もない、気楽に魔物を減らしますよ。


 では、《理を壊す者》よ! 光と闇を融合しは物となり魔物を殲滅せよ!


「……?」


 ん? どうした?


「少し待って欲しいそうですよ。」 


 スキル《望んだ料理を作る》が間を取り持ってくれる。


 ん? 何で?


「いや、あなたからの注文が意味不明だったので考えてるみたいですよ。」


 そうなん?


「準備できたそうです。」


 おっそうか? では、改めて! 光と闇を融合しは物となり魔物を殲滅せよ!


 ……?


 ?……?


 これ? これ?俺が注文したのこれ?


 ごめんなさい、レイリー、ラヴィーニャ大至急逃げろ!


 これは命令だ!拒否は許さない!


「は、はい!イオリ様、言われなくても逃げますー!」


「旦那様のアホォー わらはも逃げるのじゃー!」


 俺が召喚してしまった物は、融合魔法ではなく、半分が光輝き、半分が黒く渦巻く巨大な葉物…… その大きさは魔王城も包み込みそうなほど大きく、その葉物がこれまた巨大な魔物を? ごめんなさい俺が召喚してしまった葉物からしたらみんな小さいね……  


 その超巨大な葉物が蔓でつかんでは魔物を引き裂き……踏み潰し……よく分からないが自分の体に吸収?吸い込んでるだけか? 収納空間に直結されてるだけ? …… よく分からない…… 分からないけど


 うねうねと魔物を殲滅していく……殲滅していくが、俺が望んだのとちがーーーう!


 俺は刃物、これは葉物! ってここでこれ?! この真面目な時間帯に駄洒落かい! お前ら後で説教だかんな! アホスキルどもめーーー!


「えっ? あなたの説明不足なだけでは?」


 いや、違うでしょ!普通刃物でしょ? なんでここで巨大植物を召喚して暴れさせるの!? 意味わからん! デカ過ぎてレイリー達にも被害が出るでしょうが!


「ふふふ、見事殲滅と言ってますが?」


 た、確かに殲滅せよとは言ったけど、確かに殲滅出来たけど……


 これじゃ魔王の所業でしょうが!


「主!カッコいいっす!」


 シュウがそういうならいいけど……


「イオリ様……いくらなんでもやり過ぎでは?」


 ごめん、俺もそう思うから今、スキル達に文句言ってるから……本当にごめんなさい!



 ……



 よし! 殲滅できたし行こうか魔王城!


「あっ! またイオリ君が勢いで誤魔化したー!」


 しぃー 夏樹さん、しぃー!






 な、な、な、な、な、な、何が起こった?


 なんなのだあの植物は!? 


 何故魔物を倒して行くのだ!?


 この世の生物では絶対にない! 誰が召喚したのだ!


 このままでは、あやつらが入ってきてしまうではないかーーー!!





 ついに城へ、魔王の居城へ。


 俺のマップには2つの赤い点が表示されているだけで、他の気配は全く感じない。 この広い城内にたった二人か……


 一人は今目の前に居る、イケメン風金髪野郎なのか? 


「よくおいでくださりました、私は魔族10将最後の一人アンスガ=パルドと申します。魔王様はこの先です、どうぞお通りください。」


 

 ん? なんだこいつ? レイリー!


 はい!


 こいつアホだろ!? 俺達はミニクさんにこいつの情報を聞いている、憎しみを力に変えその力は憎しみの量に左右されることも知っている。


 通ってどうぞからの、後ろから襲いかかってくるパターンだろ? 俺達に対する殺気が押さえきれてませんよ?


 まぁいいや、魔族領へ帰した魔族達からも憎まれてないし、こいつの力の源は無いわけだしほかっておこう。もし後ろから襲いかかって来ても、レイリーさんが何事もないように対処するだろう。


 では魔王の気配を探知しながら散策しますかね?


 俺達はこの金髪イケメン風の男の横を素通りし、魔王の部屋を目指す。


「ぐはははは、これでもくら……」


 ブシュッ!


 ……


 お疲れレイリー。ごめんね変な役まかしちゃって。


「いえ、こんな奴イオリ様がわざわざ相手をする必要ないと思いますので。」


 名前何だっけ? まぁいいか。 じゃ気を取り直して行きましょう。 ありがちなパターンなら、珍しいお宝があるはずだし、少し漁ってから魔王の部屋に行こうか。




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[一言] しっとマスクを被れば少しは強かったろうに(スットボケ
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