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17.親睦会をしてみよう。①

やってまいりました、買い物に?



いじけてしまった俺を慰めてくれたレイリーとジュリア、うん!優しい。


そして俺の視線の先には怒られているメイド。


聞き耳を立ててみよう・・・


「こらっ!ご主人様をイジメるならやっていいことと悪いことの境目を付きなさい。それが出来ないならやめなさい!」


えっ?えっ?


「ご主人様はね、王妃様も認める凄い人なのよ、頭は残念だけど・・・」


えっ?えっ?


「ご主人様はね、あー見えても勇者なの女神さまに認められてこの世界に来たの、気持ち悪い時もあるけど・・・」


えっ?えっ?


俺のガラスの心は完全に木っ端みじんに弾け飛んだ・・・



これはマズイと思ったレイリーが素早く俺を引きずって屋敷を出る。


「はいはい、イオリ様一緒に買い物に行きましょうねー」


完全無敵にいじけた俺をあやすようにレイリーが、街まで俺を引きずっていく。


ジュリアは絶賛苦笑い中だ。


ジュリアにこう何度も苦笑いさせるとは許さんあのメイド!


名前は知らん、鑑定する気にもならん、あんなのはメイドCでじゅぶんだ。Aではもったいない。


グヌヌ必ず仕返ししてやる。



そういえば、俺ってばジュリアのことよくわかってないな、まともに話したことあったっけ?


うーんっと、初めて会ったときは、はぁはぁ言ってたな。


二回目はキョロキョロしてたな、気をつけてねと言ったくらいか。


こ、これはいかん、いかんぞ。お話をしなくては、グヘヘ、そうお話だ、グヘヘ。


ヤバイ、レイリーから冷気が漏れている、何故俺の思考がわかるんだ?


顔がゲスイので、ってほっとけ!


あと気持ち悪いと言われたくないならその顔やめろって?


そんなに酷い?



いやさ、ジュリアとまともに話してないって気づいてさ、だから俺の秘密も含めてお話をしようかなと思ったの。


よし!今日は親睦会をしよう、まずは昼御飯で俺たちの親睦会をして、夕飯でメイド達も含めてやろう。


新作お菓子も出そう、王妃様へ献上する前の味見を兼ねてだ。



よし、予定が決まればあとはさくさく実行するのみ、家具買いに行くぞ。


で、どこへ行けばよろしいですか、レイリーさん?


はぁーっとため息をついて、こちらです、と案内してくれた。


「匠系・技術系は、全部ドワーフにおまかせです。」


まじか、いるのかドワーフ!


でも何故ため息なんだ?


あぁ立ち直りが早すぎるから心配した私がバカみたいって?


そんなことはありません、とても感謝しております。



王都は碁盤の目のようにキチンと整備されている。


中央通りの周りは宿屋、各ギルド関係が立ち並んでいて、東へ一本入ると市場街が続く。


西へ一本入ると鍛冶屋、木工所、小物雑貨などの工房が立ち並ぶ・・・ごちゃごちゃしたイメージがする。


そこを囲むように市民の家が建っているのだった。


城壁の近にはスラムがあるらしいが危険なので近づくなと言われた。



そういえば、俺ってこの街の中央通りと市場街しか歩いたことないんだよね。


そりゃ見たこと無いわけだ。へードワーフかワクワクするな。


ってことは


「獣人やエルフもいる?」


「はい、存在します。エルフは基本的に森で生活し人と関りを持つことが少ないので出会うことはまずないです。そして獣人ですが、この国では奴隷しかいません、西の方の国では人と獣人が一緒に生活しているようですが・・・」


なんだか言い辛そうだな。


「へーそうなんだ、レイリーやジュリアは獣人に偏見があるの?」


「私はありません。」


「私もないよお兄ちゃん。」


「そっか、俺の世界にはドワーフもエルフも獣人もいないんだ。とっても気になるしワクワクする。

 奴隷って言ってもそこまで酷いことされてないんだよね?」


「いえ、それは・・・」


「・・・・・」


えっ?人権ない感じ?


「男性の獣人は、軽い物なら、鉱山、農作業等の作業系で、酷いのは試し切り、魔物を誘き寄せる餌・・・女性の獣人は、男性の獣人への行いプラス・・・言えません・・・多分イオリ様がいつも想像しているような酷いことです。」



「うぉい!俺は妄想は酷いが実際はやらないヘタレだぞ。さらに俺はいたって普通、わかるか?普通なんだよ!」



「そ・う・で・す・ね」



なにその棒読み・・・



「よし!ドワーフ行こドワーフ!」


空気が悪いので勢いで空気をはじき飛ばした。


「ご案内するドワーフは、我が家でも御贔屓にしているオーリーさんです。」


さすがレイリーである、空気が読める。


俺は空気は吸うものだとしか習っていない!


あぁこれ言っちゃダメなやつだ・・・自分で言ってて少し凹む・・・


凹みながら歩くこと数分・・・


「おう、レイリーの嬢ちゃんじゃないか、久しぶりだな。」


がはは、と笑いながらこれぞドワーフと言わんばかりの小さいが、がっしりとした体の髭もじゃオヤジがいた。



「お久しぶりです。オーリーおじ様、こちらは、勇者であるイオリ様です。今日はイオリ様のお使いになる家具一式をお願いしたくて伺いました。」


「おぉそうかそうか、でもスグには出来ないぞ、こっちもイロイロ立て込んでてな。」


がはは、と忙しさをアピールする。


ヤバいこのままでは寝袋一直線だ・・・部屋の中で寝袋・・・あぁーいいかも・・・


違う、違う、みんなベッドで寝てるのに主人が寝袋でどうする?


「そこを何とか、なりませんか?」


とっさに俺は聞き返した。


「無理だな。在庫なんて置いてないし、普通受注生産が基本だろ?」


ぐぬぬ、こっちの世界にはニ○リは無いのか?


「ところでドワーフってお酒好きですか?」


「なんだ藪から棒に?好きに決まってるだろ、むしろ酒嫌いなドワーフ連れて来てみろ、がははは」


おぉこの世界のドワーフもお酒好きなのか。


よし!、《望んだ料理を作る》さん確認です、お酒ってできますか?


「・・・・・」


質問には答えてくれないのか?


うーん確か・・・穀物からなんかできたような???


エールは多分あるから変わったものがいいな。


《望んだ料理を作る》発動・・・麦とトウモロコシだ!


名前 ウィスキー  

効果 無し

品質 普通


出来るもんだね。よし、これで買収だ!


「これ、俺が作ったお酒何ですがどうぞ・・・ウィスキーっていう俺の世界のお酒です。」


オーリーさんの目が光った!


「おう一杯貰おうか。」


ゴクゴク飲んでいるがウィスキーってゴクゴクいくものなのか?



「どうですかオーリーさん?」


「おい!あんちゃん、これどんだけ作れる?」


声デカいよ、ビックリしたー


「樽があれば満タンに出来ますよ。心もね。」


オーリーさんの目が光った!

目光らなくていいから、感想をいってくれー


「心を満タンって意味が分からんが?、おう、樽持ってこい!」


奥から若い?ドワーフが樽を持ってきた。


ドワーフの年がわからん!人間よりきっと長生き何だろうけど、見た目が同じだ・・・


「これに頼む!」


声デカいよ!目の前に居るでしょうが!

良く分からないが樽をウィスキーで満タンにして渡した。


そして若い?ドワーフに小さい樽に小分けにさせどこかへ走らせた。


えーっと俺のベッドは?


「おう、すまんすまん。あまりに美味くてな。ドワーフの決まりでな美味い酒を見つけたら報告する義務があるんだ。だから、この町の職人たちのまとめ役に配ったってわけさ。もうじき皆ここへ来るから少し待っててくれ。」


ん?美味しいのは嬉しいが。まとめ役呼んでどうするんだ?

まさか、あれかあれなのか?ドワーフと言えばあれなのか?


「がはは、今年初めての緊急会議だ、伝えた内容は、場所はここ!日時は今すぐ!、酒は早い者勝ちだ!」


えっと、まとめ役は暇なのですか?


それほど酒が好きって事らしいけど、それでいいのか職人?


なんでもまとめ役は、鍛冶系2人、木工系2人、オーリーさん含む、小物細工系2人と皮細工系2人とドワーフもまとめ役の計9人らしい。


しばらく待つと、遠くの方から声が近づいてくる・・・


だから声デカいよ!現在位置バレバレだよ!


全員そろったから紹介するって、多いよ覚えれないよ・・・


名前なんかいいから酒よこせって・・・


せめて俺だけ名乗っとくよ・・・


そして宴会が始まった・・・いいのか職人?いいのかまとめ役?


待て待て、宴会より俺のベッドだ!


ん?ベッド?その辺で寝とけって・・・うおぃーベッドの対価の酒だろうが!


よし!こうなったらやってやろうじゃないか、伝統のお盆芸を見せてやる!


俺は酔ってないのに全裸になりお盆芸を始めた!


「よ、横から見えてます・・・・」


ジュリアが顔を真っ赤にして訴える。


聞こえんなぁー 



「ぬぬぬ、儂らより脱ぐのが速いとは!あんちゃん只物じゃないな!」


負けじと脱ぎだすドワーフたち。


尚、小物細工のまとめ役は女性だ、酒好きだが当然脱いでない。


「ジュリアも行っとくか!」


「ザッシュ・・・」


レイリーに切られた・・・飛ぶ斬激で・・・


あんな遠くでオーリーさんと話しているのに、俺だけを切るとは腕を上げたなお主!


もう収集がつかないが仕方ない、これぞドワーフ。


と言いつつ一番はしゃいでいるのは俺だったりする。



そんな中、オーリーのおじさんは何故か真顔だ。


「レイリーの嬢ちゃん、あいつシッカリ捕まえとけよ、あいつは化けるぜ、必ず凄い男になる。

 もう俺たちドワーフに認められているしな。がはは。しかしどの方向へ化けるか分からないから手綱はしっかり握っておけよ。がはははは、じゃ儂も混ざってくる!」


「わかってます」と、ふふっとほほ笑むレイリー



そしてレイリーは胸の前で手をギュッと握りつぶやく・・・自分の気持ちを確かめるに・・・


しかしその呟きは誰の耳にも届かず宴会の音の中へ消えていった。


 

俺たち三人の親睦会はドワーフ親睦会になってしまったので改めて行うことになった・・・



「だから横から見えてるって言ってるでしょ、お兄ちゃん!」


そしてジュリアの声が響いた。



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