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160.魔族領へ行ってみよう。①

やってまいりました、魔族に国ヘ。



 

 昨日に引き続き二回目の魔族領への潜入です。


 昨日かなりの広大な面積のマップを塗りつぶしたというのに、街や村は見つからなかった。


 今日もまた同じ結果になりそうだ…… 不毛な大地に時たま現れる魔物…… ねぇダニエラさん本当に街や村はあるのか?


「あるよ〜 自信無くなって来たけどね〜」


 そして今日も不毛な大地の偵察を続ける。





 

 不毛な大地ばかり見飽きてしまった俺達は、海を目指し南下している。  南下しているのだが、俺の感覚がおかしいのかマップスキルが壊れたのか? どんだけ飛んでも海が見えてこない。


 旧インターロケン、現アレックスの中央部辺りから魔族領へ侵入したの俺達の感覚では旧インターロケンはおろかビデール共和国も通り過ぎたくらい飛んでいるはずなのに、何も見えてこない。


 あまりにおかしな現象にみんな頭をかたげている。 訳が分からないので一旦ビデール共和国へ舵を切り自分たちの現在位置を確認しようということになった。



 その結果…… 俺達は全く進んでいないという現実にぶち当たった。 東側へ戻ってみれば旧インターロケン領……出発した地点とさほど変わっていなかったのだ。


 よくある迷子になる的な結界でも張られているってことね……? まったく魔力を感じないのにどうやって結界を張っているんだろう?


 まさか魔族にも俺みたいなぶっ壊れスキルを持った者がいるのか? 


「あっ〜 そうだ〜 ダーリンあのね、魔族領は空から侵入するとよくわからないけど幻影に惑わされるって誰かがいっていたの〜」


 ……  コノヤローーー!!! 俺達の時間を返しやがれ! やはりこいつは何処かの人形に呪いを移して一日中くすぐりの刑に処せねばなるまい!  

 

「いやん〜 くすぐるのがダーリンなら嬉しいよ〜」


 グヌ…… ダニエラには効果がなさそうだ次の手を考えよう……



 ってことは、あの谷を歩いて超えなければならないって事か? そもそも幻影って何なのさ? 時間も感覚も距離も目で見たものも全部誤魔化しているなんて、いったいどんな力だよ?


「わかんない〜 でも誰かが言ってたけど〜 大地自身から何かが出てるっていってたよ〜」 


 …… 何それ? 谷の向こうは秘境なのね…… 本物の……



 

 ダニエラの結局よくわからない説明を聞き結論を導き出す……  と取り敢えず初めての方は大地に触れましょう、そのあとは飛行で移動してもいいよって事なんだが……


「はぁはぁ…… またダーリンとわかりあってしまったの〜」


 よくわからないが興奮状態のダニエラさん…… この子もう捨ててしまいたい…… 


 


 謎が解ければ、あとは簡単! 俺のぶっ壊れスキルさんで全ての理をぶっ壊せば全て解決! 


 なのに……レイリーさん……


「イオリ様、地上から来いと言われているなら地上から行くのがマナーですよ?」


 いや、そうだけど…… 多分待ち受けられているよ? 見張りが居ないってのは考えられないし。 正直向こうからこっちの世界が見えているのかは謎だけど……


「そうですけど、イオリ様の名声アップのためここは歩いて渡りましょう。」


 名声より命だと思うけどね…… そんなに言うなら仕方がないけど…… 俺から離れないでね。


「安心してくださいイオリ様! イオリ様から離れる子はここには居ませんからね、ふふ」


 何胸張って恥ずかしい事言ってるんだか…… 本人気付いてないから平気なんだろうけど、後で気づいて顔真っ赤にしてるレイリーが容易に想像できる訳で……



 

 では行ってみよう、魔族の領土へ。


 谷の土にお前実は橋なんだよって理を変え橋になってもらい谷をわたりましょう。




――――――――――――――――――


 

 ねっ!? だから言ったでしょ?


 待ち伏せされているって。



 橋を渡り切るとようやく魔族領の風景が見えるようになる、そこには醜い顔のおっさんを先頭に、無数の魔族・魔物が俺達を待ち受けている。 不思議な仕掛けだ。 


 橋を渡り切ると橋を渡っている時に攻撃されなかったのも橋を渡っている最中は相手からも見えない仕掛けが作動しているんだろう? 

  



 俺達が橋を渡り切ると同時に矢が雨のように降りかかる…… 俺に矢なんか効かない? と余裕をもって結界を張り矢の雨を待ち受ける。


 待ち受けるんだが…… なぜか俺の頬をかすめて行った矢がある訳で…… なんでよ? 死んじゃうじゃん!



「ははは、お前の結界なんぞ容易く射抜いてくれるわ〜〜〜!」


 な、なんだあの醜い顔のオッサンは?


「我の名は、魔族10将 第2席 ミニク=イオサン だ! お前の事などすべて調査済みだ、勇者イオリよ!」


 …… ダ、ダニエラー! やっぱりミニクイオッサンじゃないじゃないか! 微妙に本当に微妙に名前違うし! だからあれほどオジサンを悪く言うなと!



「……」


 いや、ゴメンね。こっちの話なんだ……続けてください。


「……、 ダニエラがいるのか……? まぁいいあのバカ者では我らの情報なんぞ微塵もわからぬことだしな! では死ねーーー!!」


 ミニクが放った矢が俺に向かってまっすぐ飛んでくる。 俺のは人が操る物理の物に対しては今一効力が発揮されない。 こいつら俺の事をよく調査している。 よく調査しているのが俺だけならばこいつらアホとしか言いようがないけどな。


「ガキンッ」


 俺に向かってくる矢を弾く音が響く。 


 俺、ビビってないからね…… 本当だからね! 少しだけ足が震えてるけど、これはあれだ! 武者震いってやつだからね! 本当だよ? 信じてる?


「私の事を信じてくれているんですよね、イオリ様?」


 いやまぁ、信じてるよレイリーさん。  ちょっとツンデレ風の女の子を演じて見たかっただけだから、気にしないで。



「ほう、我の矢をはじくか! やりおるのぉ。 ではこれはどうだ!?」


 今度は3本の矢を構え俺に向かって放つ…… 俺にも防げないわけではないが、ここはレイリーさんの活躍の場なので邪魔はしない。 本当だからね!?


「イオリ様…… さっきと同じとは芸がないですよ?」


 軽口をたたきながらレイリーは先ほどと同じように矢を弾き飛ばす……?! 弾き飛ばした矢がミニクを目掛けて飛んでいる?!


「ですから、同じでは芸がないと言ったんですよ?」


「ウォッ! 小娘なかなかやりおるな!」


 ミニクはギリギリで自分の放った矢をかわしたようだ。


「イオリ様に害を及ぼす存在は抹殺と決まっているんです。 醜い顔のおじさま?」


 いや待てレイリー、それは言ってはいけない…… おじさんにも愛情をだな…… 


「ク、クッ、クソガキがーーーー!! 人が気にしていることを平気で言いおって!!! これだから最近の若いもんは!!! ぶ、ぶ、ぶっ殺す!!! 全軍で掛かれーーー!!!」


 ねっ、そりゃおじさんも怒るよ。 おじさんだて頑張って生きてるんだから。 


「おじさま談話は後で伺いますので、戦闘を開始します!」


 レイリーは一人で敵軍に飛び込んでいった…… いやまて援護魔法を! マリーア、歌お願い!



 俺達の陣形は、基本的にはレイリーとラヴィーニャが前で戦い、マエリスが中間距離から奇襲、そして後方に俺、ジュリア、夏希さん、マリーアで援護する形になっている。


 肉弾戦をお望みの魔族・魔物の相手は前の3人にお任せで、俺達は敵軍後方から魔法や飛び道具で攻撃してくる者への対応で追われている。



 後衛組の周りには俺が古代竜のブレスも弾き飛ばす防護壁を張り巡らせ防衛に当たっているので気兼ねなくジュリアは敵軍後方へ魔法をぶっ放すことが出来る。 そのジュリアさんがますますとんでもない魔法を編み出していく。 

 

 最近メキメキと火魔法のレベルをあげている。そしてついに火魔法と氷魔法の融合させ燃える氷を編み出した…… もう何が何だかわかんない。 理不尽魔王の俺ですら意味が分からない魔法を開発し魔物を実験台にし、より精度を高めていく……


「お兄ちゃんを見習って、私も色々なことに挑戦してるの。」 と可愛く言っているけどやってることは俺よりえぐい……

  

 

 夏希さんは、召還できる魔物や精霊が少ないし弱いのであまり役に立たないけど、まぁあれだ、おっぱいが無駄に揺れているから俺へのダメージが大きい。



 マリーアは、援護の歌と、スキル応援により味方の力の底上げをしてくれ、その後敵を弱体化させる歌に切り替え歌を歌っている。


 俺はレイリー達に危険が及ばないように監視し、敵の攻撃がレイリー達に襲い掛かろうとした場合、空間事捻じ曲げたりそのまま敵にお返ししたりして、まぁ活躍しているのだ! ふふふ、活躍しているのだ! もういらない子ではないのだ! ふふふ。


      

 まぁレイリーやラヴィーニャ、マエリスは俺が陰から守ってるってことを知っているのか知らないのか、お構いなしでどんどん敵を葬っているんだけどね。


 


 だが魔物はたいしたことなさそうだが、魔族の戦士は強いようだ…… レイリーは難なく仕留めているけど、ラヴィーニャとマエリスはやや手こずっている。 ラヴィーニャは天才だがやはり戦闘経験が圧倒的に足らないのでどうしても隙を付かれてしまうのだ。


 そしてマエリスは情報収集特化型なので、暗殺みたいに陰でこっそり見たいな戦闘は得意だが、正面からの戦闘はやや実力が発揮できない様だ。


 そんな二人に時折ミニクがいやらしい所に矢を射ってくる……  その矢がラヴィーニャやマエリスを執拗に攻撃し邪魔をしている、直接彼女たちを傷つけることは俺がさせないがやはり殺気の籠った矢を射られているのだ多少は意識がとられ戦闘の邪魔になっている。


 ミニクめ! レイリーには簡単に弾かれてしまったので、レイリーを狙うのをやめたらしい。 魔族の将の癖に生意気にも頭が働くようだ。

       


 このままだとラヴィーニャとマエリスに被害が及ぶ可能性が出てくる、人は何時までもレイリーのように戦い続けることは出来ないのだから……


 勘違いしてはいけない! けしてレイリーさんをデスっているわけではない! 


 レイリーさんは本当に無限の体力があるかのように戦い続けるのだ…… いつも騎士団へ乗り込んでは相手が動けなくなるまで訓練しまくる、騎士団の方が弱いってのもあるけど体力はあの人たちも相当なものだ。その人たちを全滅させてさらに剣聖さんと訓練を続ける! 


 剣聖さんがそろそろ終わろうって言ったときの言葉が印象的だ 「そうですね、お腹すいたのでそろそろ終わりましょう」ですからね。 剣聖さんですら疲れてるのにレイリーさんの口からは一言も疲れたって出ないんですから…… 伊達に脳味噌が筋肉でせきていないですよね。 


 そしてもう一度言っておこう、けしてデスっているわけではないと!



「イオリ様、しっかり聞いてますからね! あとで二人きりでお話があります!」



 えっ? まさか怒られないよね……? 





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