16.もらった家にいってみよう。
やってまいりました、もらった屋敷へ。
そう屋敷なのです。
王宮から帰り、俺は宿屋、レイリーとジュリアはレイリー宅で就寝した。
そして翌朝、レイリー宅で待ち合わせし、もらった屋敷へ行ったのです。
場所は王宮からほど近い貴族街の中にありレイリー宅からも近い位置にあります。
初見の感想はデカいでした。東京なら一体イクラするんだって大きさです。
さてと俺の屋敷に入りますか・・・俺の屋敷だよね?
見たことあるメイド達が忙しく掃除したり何か運んだりしている・・・
あれ?俺の屋敷だよね?地図と屋敷の周りを見比べる・・・
ここで間違いない・・・
もう一度言おう、俺の屋敷だよね?
レイリーとジュリアは苦笑いだ・・・10歳の子に苦笑いさせるとは・・・
なになに、王妃様に聞いて知ってたって・・・なんで知っているんだよ!
国王陛下は王妃様には内緒って言ってたよ、ん?ん?どうしてなんだい?
全部バレバレだって・・・ガック・・・当然と言えば当然の事に俺はうな垂れた・・・
「「「おかえりなさいませ、ご主人様。」」」
沢山のメイドが出迎えてくれた・・・お前らの主人は俺じゃないだろ!王妃様だろ!
えっ?当たり前だって、世間体を気にしてって・・・
王都中の市民全員お前らの正体しってるぞ!
「えーそうですかー?」
何だよ、そのすっとぼけは・・・
「こらっ!ご主人様になんて態度ですか!すみませんこの子まだ新人なのでオンオフの切り替えが上手くできなくて。」
「・・・・」
オンオフの切り替えがあるんだ?へー俺の前はオフなんだ・・・
そして俺は無言になった、この人多分凄い人だ、雰囲気が違うもん、隠してるけど漏れてるもん・・・
名 前 マエリス(職業 アサシン)(24歳)
L V 38 (2319/38519)
スキル 短剣術Lv5
気配察知Lv5 鷹の目
危機察知Lv4 聴力補正
気配遮断Lv5
状態異常 なし
「私は、メイド部隊諜報隊の隊長マエリスです。この度は私たちのためにありがとうございます。」
「えっ?何もしてましてませんけど?」
「説明しますね、私たちは貴族街に拠点が欲しかったのです。王宮にも拠点はあるのですがイロイロと事情があり王宮外にも是非と王妃様にお願いしたところ、調度、国王陛下があなたに褒美をとらすとの情報を得ましてね、バレないように手をまわして褒美にというわけです。」
にこにこしてるけど怖いんだよその笑顔が・・・
折角、イガイガしないし綺麗と可愛いの良いとこ取りしたような顔立ちなのに、中身がコワイよ!
そんな俺の心情を無視するように、優しい風に緑のサラサラショートが揺れていた。
「で、ここは俺の屋敷ですか?」
「はいそうです。間違いなく勇者様の屋敷です。しかし王妃様の物です。」
「・・・・」
お前のモノは俺のモノ、俺のモノは俺のモノ、っていったいどこのジャ○アンだよ!
「では私が屋敷を案内しますね。」
とマエリスさんが言うので付いて行き説明を受ける・・・
さて、屋敷の案内です。
一階にはパーティーでもやるんですか?っていう大広間と応接室、厨房、大きな浴室があり、二階には計10部屋プラス書斎がありました。
ここで注目するのは浴室です。この世界へ来てから俺はタオルで体を拭く以外をしていなかったのですが、入浴文化もあるそうで。
まぁ貴族でも上位か金持ち商人くらいしか風呂に入ることはないそうです。
レイリーもジュリアも貴族ですが毎日入浴することは無かったようです。
何か魔道具が高いとかなんとか・・・あるんかい!魔道具!
初耳だ。えっ俺にはあまり意味がないって?なんでよ?
料理をスキルで作るし、火使わないでしょって・・・あぁそうさ、でもな、いつか作るんだよ絶対!
あとは明りに使うのが主流だそうで・・・
なんか夢がないな。
明かりって屋敷とかに付いてるあれ?電気・・・なわけないよな、電気の生活に慣れてるから気付かなかった。
ボーット生きてるな俺・・・。
お風呂はジュリアが魔法で入れれるようになるからいいとして。(希望的観測)
入る順番はどうなるんだ?合計男1人、女性10〜22人程らしい、多いよ!
俺から入ると嫌がる子がいるって?知るか俺は年頃の女の子のお父さんじゃないっちゅうの!
じゃ俺が後でいいよ・・・ニヤリいいこと思いついたぞ・・・ふふふ
「ではご主人様が後でよろしいですか?ゲスな顔してますが対応しますので問題ありませんよ。例えば私たちが入った後の残り湯には一口飲んだだけで致死量に至る毒物を入れておきますので安心してくださいね。」
「あの、何を安心するんですか?」
「安心して天国へ行けますよってことです。」
にこにこして恐いこと言うのね・・・
「俺の風呂はどうなるのかな?」
「安心してください、ご自分で火魔法と水魔法を習得するだけですから。」
簡単でしょって顔するな!
ううう、美女&美少女の残り湯ですって販売しようとしたのに死人がでるわ!
ご使用方法は自己責任でお願いします。
次、二階!
説明は短めに頼むよ!
主人の俺は一部屋つかっていいと。ふむふむ、レイリーとジュリアで一部屋と。
あの貴族なんですが良いんでしょうか?了承は得てる、はぁ、さいですか・・・
書斎は前の持ち主が本を置いて行っているみたいなので自由に使っていいと。
残りは私たちが使います!
おい!残り8部屋だぞ、大きめの部屋も二部屋あるんだぞ!
決定事項ですので問題ないって・・・さいですか・・・
「そしてお願いがあります。ここは別荘というか休息するときにも使いますのでお菓子の方お願いしますね。」
にこにこしてるけど、オーラが命令ですって言ってますよ・・・
わかってますよ、シクシク、わかってます。
こうして俺はハーレムを手にいれた・・・・・・のか?
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もういいよ、シクシク言いながら自分の部屋へ入った・・・
何もなかった・・・
へっ?っと思いレイリーの部屋へ確認しに行く。レイリーの部屋は廊下を挟んで正面だ。
「コンコン、レイリーちょっと聞きたいんだけど部屋に入れてもらえる。」
「イオリ様どうされたのですか?今部屋へ入ったばかりじゃないですか?」
「もぉーお兄ちゃんどうしたの?」
ドア開けるレイリーの脇から部屋の中を覗いた・・・覗いた・・・
ベッドからテーブルからイスから何から何まで揃っていた・・・揃っていた・・・
俺は涙が溢れた・・・
念のために確認だ・・・俺の隣の部屋はメイドが使う部屋・・・
「コンコン、俺だけど入っていい?」
「俺って誰ですか?詐欺ですか?」
「主人だよ、この家の主人!」
「あぁなるほどご主人様でしたかー、嫌です!」
何で断るんだよ!いいじゃないか、いいじゃないか・・・
「レ、レイリーすまんが、部屋の中の家具の具合を確認してみてくれ。」
「はぁ、イオリ様がそう仰るなら・・・」
「コンコン、私です、レイリーです。少し中を確認したいのですがいいでしょうか?」
「レイリー様ようこそ御出でくださいました。どうぞどうぞ。」
メイドの部屋を覗くレイリー。
「えっと、普通ですね。私たちの部屋より家具の品質は劣りますが、普通に生活できそうです。」
俺は涙が溢れた・・・
「グスッ、レ、レイリー、俺の部屋へ来てくれ・・・ジュリアも来て・・・」
俺の部屋を見た二人は唖然とした。
「お、お、お兄ちゃん、大丈夫だよ、まだ大丈夫・・・」
ジュリアから謎の慰めを受けた。
「・・・・まぁ今から街へ買い物に行けば間に合いますよ・・・収納空間もあるし楽チンです・・・」
ジュリアもレイリーも優しい。
俺はレイリーの胸で泣きたかったが、イガイガするのでお山座り(体育座り)で涙を拭いた・・・
「コラッあんまりイオリ様をイジメないの!メッ!」
レイリーがメイドを怒ってくれたがなぜか余計に涙が溢れるのだった・・・
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