124.そのじゃんけんそんなに重要?といってみよう。
やってまいりました、洞窟へ。(まだ到着しませんが)
さて、乗り物も造ったしいよいよ洞窟へ向けて出発しましょうかというとこでまたひと騒動ありまして……。
誰が一番最初に俺の膝の上に乗るかということで話し合いが行われたのですが
「まずは、マエリスさんからで……。」
「いえいえ、ラヴィーニャ様からどうぞ……。」
「いや、やはりここはジュリアからがよいのでは?」
「ここは付き合いの一番長いレイリーお姉ちゃんが良いと思うよ。」
と、みんなが譲り合っているわけで……。嫌なら嫌といってね……陰でこっそり泣くから……。
「「「「誰も嫌とは言ってません!」」」」
じゃどうして揉めてるの?
「やはり恥ずかしいと申しますか、照れてしまうと申しますか。」
やっぱり恥ずかしいんじゃんか!俺もさっき言ったよね?
だが俺を無視して繰り返される謎ループ
「まずは、マエリスさんからで……。」
「いえいえ、ラヴィーニャ様からどうぞ……。」
「いや、やはりここはジュリアからがよいのでは?」
「ここは付き合いの一番長いレイリーお姉ちゃんが良いと思うよ。」
「じゃ〜俺が!」
……。みんなの視線が痛い……。
いやそんなに睨まれても……。ごめんなさい。
じゃ〜もう剣聖さんが最初でいいよ!早く行こうよ!
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?儂?」
「ないですね!」「ないのじゃ!」「ないです!」「ないよ!」「ないの〜」
……。
剣聖さん昨日の用事とやらを操縦席でゆっくり聞きたいのですが?
「私用ですのじゃ!」
……。
じゃ〜もうじゃんけんで決めようよ。このままじゃここでまた夜営だよ?
「仕方ありませんね……。では皆さん、準備はいいですか?」
……。えっと、昨日の戦闘時よりも鬼気迫る雰囲気何ですが? 皆様、戦闘時は本気で警戒したり、真剣に戦うなりした方がよいかと?
「イオリ様、うるさいです!集中できませんので黙っててください!」
いや、俺結構重要なこと言ったよね……?
「「「「じゃんけん〜〜〜ぽん」」」」
俺を無視だし!それほど重要?このじゃんけんそんなに重要?
勝者が決まった様でなによりです。では行きましょうか、レイリーさん?
風魔法の加減はジュリアお願いね。
さ〜洞窟目指して行きますよ、乗った乗った!
「モジモジ……。モジモジ……。」
ぐぬぬ、この期に及んでモジモジ星人に変身するとは?俺だって照れがあるんだぞ!
このままでは埒が明かないにもほどがある、俺は恥ずかしいのも我慢してレイリーをお姫様抱っこしてデザイアに乗り込む。
魔王にやられた時以来だよね?俺だって照れるんじゃ〜〜〜!
「……。」
では出発します、ジュリアよろしく。
「……。」
いや〜快適だね?
「……。」
お尻も痛くないように、座席は工夫してあるし、なにより振動が無いのがいいね!
「……。」
ぐあああ、レイリーがレイリーが俺を無視する〜〜〜
ぐはっ!
何故か後ろからチョップされ、「これが女心なのじゃ!」と突っ込まれたのだが……?
いやだって、滅多にないじゃん二人きりで話すなんて、この乗り物風切り音が凄いから(要改良だな)近くにいないと会話も出来ないし、普段話せないこととかあるじゃん!
「……。」
しかしレイリーはモジモジ星人になっているため無言が続くわけで。
だが俺は負けない!返事が無くても、突っ込みが無くてもしゃべり続ける、続けてやる〜
お姫様抱っこ状態のレイリーの頭をナデナデしながら俺は独り言を呟く……
俺強くなってるかな? 駄龍のベッドいつできるかな?レイリーの家族面白いよね?アンタルシア王国が恋しくなったりする?
ぐぬぬ、全てに返事がない!これでいいのか、レイリー!?
と思いつつ、ふとレイリーの顔を見る、ち、近い!顔が近すぎる!
少しだけきつい目つきのレイリーが顔を真っ赤にしながら俺をずっと見ている、いやこれいかんでしょ?
意識したら俺もなにも話せなくなってしまう。
女の子初心者の俺には厳しすぎる!こんなときどうすればいいの?何を話せばいいの?どう接すればいいの?
俺とレイリーは目が合ったまま無言で見つめ合い、時間だけが過ぎさって行く。
後ろから「グヌヌ」と微かに聞えてくるが、俺とレイリーの心臓の鼓動の音の方が大きいように感じる。移動のたび毎回これでは俺の血圧があがってしまうではないか? 血管が爆発してしまえばいいって? それはそれで困るってもんですよ旦那〜。
ぐおぉぉぉ、本気で困った!は、早く洞窟に、洞窟についてくれーーーー!
多分、レイリーも同じことを心の中で思っているに違いない? だって顔から湯気がでているんだから……
それなのに何故か嬉しそうな顔している? ぐぉぉー相変わらず女の子の気持ちはわからん! 早く洞窟に到着してくれ〜
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