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11.王妃様のおかげでスキル獲得してみよう。

やって参りました。レイリーの家の前へ。



レイリーの家を出たところで、妙な気配を感じたのでレイリーと二人でキョロキョロしてたんだけどこれといって何もない。

気配はするのだが回りに人は見当たらない。


気のせいかなと二人で歩き始める。


しばらく歩くとまた妙な気配に気付く。今度は間違いないとレイリーと目を合わせ一緒に振り返った。


しかし誰もいない。ん?どういうことなんだ?


確かに変な感じがしたんだけどなぁおかしいな?


そして歩き出す・・・振りをして振り返るとそこには黒装束を身に纏った例の部隊の人がイソイソと隠れるところだった。


みつけたーと彼女に寄って行き、話しかけた。


「あのー何か御用ですか?」



「まさか私の隠密を見破るとは、油断してたのかしら?」



驚いた表情の彼女は、青く美しい髪の美女だった。


短く切りそろえられた髪を指でクルクルしながらブツブツ言っていた。



「いやいや、そういうことじゃなくてですね、何をしていたかを聞いてるんです。」


「ふふふ、私はメイド部隊諜報班の副隊長のレベッカです。」


「いやいや顔も名前も知ってますよ、だから何をしていたのかを聞いているんです。」


初めて王妃様の部屋に行ったとき案内してくれたメイドさんだ。

メイド部隊って何だよ?


「ふふ、せっかちさんはモテませんよ。」


「ぐぬぬ・・・」


敢えて一人でいるのだ!といつも言っているのに何故だか心が痛い・・・


「見つかってしまってはしょうがありません、折角ですので今日の予定をお聞かせください。」


「ストーカーですか?」


「えっと、違います。そもそも何ですかそれは?」


「あなたみたいに人の後を追いかけまわしネットリとした視線を向け、妄想しハァハァする人の事です。」


「・・・それ変態ですよね・・・。」


うな垂れたレベッカを言い負かす勢いで攻めまくるぞー

って息巻いていた時もありました・・・ 


「取り合えず私の職業を鑑定してからお話しましょうか?あなたの立場が明確になると思いますので?」


何!自分から鑑定をしろというのかよしやってやろうじゃないか。



名 前 レベッカ(職業 アサシン)(22歳)

L V 33 (1252/8078)

スキル ***


えっとえっと・・・アサシンって暗殺者かよ!

寝ている時にさくっとやられてしまう、あの暗殺者か!



「私はメイド部隊では上からだいたい4番目の強さだな、部隊長のナタリー様は騎士団長より強いぞ。

 あとの二人の隊長も戦い方によっては騎士団長より強いぞ。」


ま・じ・か、騎士団より強いのかよ。汗がダラダラ出てくる。


「す、すみませんでしたー。お代官様お許しくださいませー」


光の速さで土下座した。土下座姿勢までの時間を計ればきっとギネスも間違いない記録だっただろう。

レイリーに助けを求めようとチラッと見たが明後日の方を見てやがる・・・騎士なら俺を守れよ!


「お代官様ってなんだ? まぁいい、私たちの主である王妃様も私たちもお前をどうこうするつもりはない。昨日貰ったプリンなんだが、私たちはあれを大変に気にいった!毎日食べたい、毎食食べたい!なので毎日持ってきてね うふッ」


うふッじゃねぇーようふッじゃ!


「あのーとっても太りやすいので毎食食べるのはやめた方が良いと思いますが・・・。」


「え゛っ!」


どこから声が出たんだ?


「か、帰って相談する・・・また来る・・・あぁ忘れていたが、王妃様がお前を呼んでいる、すぐに王宮へ来い。褒美をとらせる御積りだ。なにか要望はある?か伝えておこう。」


まじか、褒美貰えちゃうの昨日の涙分を返してもらうぞ。何がいいかなー♪何がいいかなー♪


「では、オリムカル家長女 ジュリア=オリムカルを勇者の従者として認めてもらいたいです。」


えっレイリーさん俺の褒美でジュリアげっとなの?もっと他にも良いものが・・・・ないな。


よし決まりだ。


「俺からも頼みます。」



「ジュリア=オリムカルかわかった伝えておこう。ではすぐに来るのだぞ。」



そう言い残しレベッカは消えた。


レベッカが消えてもなぜかもやもやするのでレイリーに確認してみた。


「なぁレイリーまだもやもやした感じがするよな?見られているというか何というか?」


「そうですね、あそことか、あっちとかからですよね。」


「そうそう、それとあの辺かな。」


二人でキョロキョロして指を指す。


ピコッンと頭の中で音がした、スキル「気配察知」を獲得しました。


んっ?っとレイリーと目が合った。


レイリーも何か感じたようだ・・・


へーこんなことで気配察知のスキル獲得できるんですね。


ありがとうございます。王妃様。




そんなこんなで、王宮の王妃様の部屋へ行こうと思います。


王宮に入ったところでレイリーが


「私今から騎士団の訓練場に行って訓練してきます。LVUPの影響で?何だか体と頭の感覚が違うような気がしますので・・・」


っとうきうきしながら行ってしまった。

少しだけ黒い物が見えたがきっと気のせいだろう・・・

今までの仕返しは程々にね。



ってことで俺一人で王妃様の部屋へ行くことした。


部屋に入るといきなり王妃様が俺の秘密につて話し出す。


「あなたのことは殆どすべてわかっていますが、ちゃんとあなたの口から説明していただきたいですね。」


何故、全て筒抜けなんだ? っと考えてみたが・・・

裏切者か?でもレイリーにしか話してないしなぁー?

情報の伝わり方があまりにも早すぎる、今朝の事だぞ・・・


「壁にミミーあり障子にメアリーですよ、うふふ、昔からこう言われていますの。ミミーもメアリーも世襲制で、代々諜報の能力が高いものが引き継いでいますの。」


オホホホっと笑っているけど監視されてる方からしたら笑い事じゃないんですけど・・・


それにしても、なんだか日本に居たときに聞いた事があるような?ないような?諺だな。

以前にも日本人が召還されていてその時の聞き間違いか?


全部ばれているのならば仕方がないので全て説明した。

そして、できればだが他の人には話さないようにお願いをしておいた。


「それで、ジュリアの件ですが、ちょうど良かったですわ。あそこの当主が最近調子に乗っておいでらしいので・・・」


うっすら笑みを浮かべた王妃様の姿をみて俺は背中がぞくっとした・・・

この人には逆らってはいけないそう思わせるほどの恐怖を感じる。


「では根回しのために一週間程お時間を頂けますか?すべて終わらせておきますので。」


にっこり微笑む王妃様、心底恐ろしい・・・


はい、お願いします。としか言えなかった。


「では、とてもともて大切なお菓子の件へお話を移しましょうか。」


王妃様はとても嬉しそうな笑顔だ、先ほどまでの空気はどこへいってしまったのか?ってほど空気が変わった。


「あなたの言う通り毎食食べるのは確かにコロコロになる可能性が有ります。」


太るとは言わないのか、レディーの嗜みか?


「そこで私考えました、ふふ、毎食違うデザートを食べればよろしいのではと。」


「はぁーなるほど」


甘いものの食べすぎは変わらないじゃないですか・・・とは言えずに


「ではいろいろ作ってくださいますか?(断ることはできないがどうだ?)」

(   )内は副音声でお送りしております。


「はい、喜んで!」


「そうですねぇー何品か欲しい所ですが。ニコッリ。(今日は2品で許してやるよ!ニッコリ)」

(   )内は副音声でお送りしております。


副音声で怖い声が聞こえるが、そっちは気にしない!

気にしたら胃がキリキリするだろう、俺はまだ若いんだから胃痛はノーサンキューだ。


「では手持ちの材料でできそうな物といえば・・・うーん・・・こちらには氷を作って置いておける場所はありますか?」


そう材料の種類の少ないアイスクリームだ。こちらの世界にもすぐに夏が来るだろうから。

そして止められない止まらないで・・・ぐふふふぅ・・・太ればいいのだー


「氷の貯蔵庫はありますが、それがどうしたのでしょうか?」


「了解しました、今から作るものは常温ではすぐに溶けてしまいますので、保存場所が必要なのです。

 では作りますね。」


おもむろに卵と牛乳を収納空間から取り出しスキルを発動する。


「はい出来上がりました、アイスクリームです。今の時期では冷たすぎるかも知れませんのでお気をつけてお食べください。」


王妃様はキラキラお目目だ。


「こ、これは冷たくて甘くて、止まらぬー止められぬー」


ぐへへへ・・・予想通りだ


そうだ王宮の食材を使えば品質上がるんじゃないのか?


「すみません、ひとつ思ったのですが、王宮の食材は市場で売っているものより高品質なのでしょか?

 品質のよいもので作ればより美味しくなるかと・・・?」


王妃様の目がキラーンと光ったと同時にメイドが部屋から飛び出した。

さすが暗殺者集団、動きがすばやい。


そして戻ってくるのも以上に早い!

このお方たちには勝てないと改めて思った・・・


材料を受け取りスキル発動

鑑定してみると


名 前  アイスクリーム

効 果  無し

品 質  良


思ったとおり品質が上がっている。


「こ、これは先ほどのより舌触りがよく甘さもまろやかで、止まらぬー止められぬー」


ぐへへへへ・・・


甘いものを食べる → 太る → 食べる量が減る → 俺助かる

の黄金ルートが完成するのだ!


ぐへへへへ・・・二品目に行こうか。


二品目はパンケーキを作ろうと思う、多分小麦粉だけで作れるから《望んだ料理を作る》ならね。


市場の小麦と王宮の小麦の食べ比べをしてみよう。


王妃様はぐふふふとアイスクリームを食べているようだ。パンケーキとの合体技を炸裂させて昇天させてやるぜ。


ではまいります、《望んだ料理を作る》発動!


名前 パンケーキ

効果 無し

品質 普通


名前 パンケーキ

効果 無し

品質 良


ふふふ二種類のパンケーキが完成しました。


まずは熱々のうちにふわふわのパンケーキを食いやがれー


王妃様はダメージを受けたようだ、まだ品質普通なのにグヌヌといいながらパクパク口に運んでいく。


続いて品質良だ、食らえ! しゅわしゅわのほわほわ〜食感の甘々攻撃だー


王妃様はクラクラしている、もう少しで倒せそうだ、今だミックス攻撃!


「王妃様、先ほどのアイスクリームと熱々パンケーキを一緒に食べてみてください。」


王妃様は驚いた様子だ。


「冷たいものと温かいもののコラボレーションをご堪能ください。」


恐る恐る口に運ぶ王妃様。


「こ、こ、こ、こ・・・・」


「どうなされましたか王妃様、ニヤリ」


「こ、こ、こ、こ、・・・・」


と言いながらドンドン減っていくアイスクリームとパンケーキ。 


メイド部隊の隊長ナタリーさんが(メイド叔母様)王妃様に声を掛ける。


「どうなされました王妃様、しっかりしてくださいませ。」


「・・・はっ! 危なかったですわ、意識が朦朧としてきて、でも幸せなのです。何とも言えない幸せ感!ナタリーも召し上がってみてください。」


「モグモグ・・・・こ、こ、こ、・・・」


ナタリーさんも同じ症状だ。


「ナタリーしっかりするのです。」


「・・・はっ!私は一体?」


ふふふ、これが冷たい&暖かい攻撃 真逆の属性なのに美味しさ2倍の不思議感覚


「王妃様!この食べ合わせは危険です!幸せですが、危険です!フワフワですが危険です!」


ナタリーさんが絶叫している。


「そうね確かに危険だわ。心の底から幸せ感が来てもうどうにも止まらないわ。コロコロ一直線ですわね。」


「どうでしょうか?お気に召していただけましたでしょうか?」


俺は口元が思わずニヤリとなってしまう。


予定通り進みそうなので、ニヤニヤが止まらない。

甘いものを食べる → 太る → 食べる量が減る → 俺助かる

の黄金ルートが完成するのだ!


っとそこで何か閃いたらしい王妃様が一言!


「これは、危険な食べ物ですので、週一回とします。毎週休日に運んできてねくださいね。」


ニコリとほほ笑む幸せですよ顔の王妃様。


対称にガックリ顔の俺。


結局、アイスクリーム・パンケーキの他に平日用ということでバームクーヘンとドーナツを作らされた。


せめてもの反撃にと太りそうなものをチョイスしておいた。



世の中上手く行きませんね。だが、それが良い!


全然良くないよ!


作品へのご意見・感想・評価・ブクマをお待ちしております。

モチベーション向上になるので、どうぞ宜しくお願い致します!

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