108.家出をしてみよう。2日目
家出2日目、さてどうしようか・・・?
もう朝か・・・。
いつの間にか眠ってしまったようだ・・・。
枕は少しだけ濡れている・・・。
1階の一番奥の部屋が俺の部屋・・・2階へ上がる階段も微妙に遠い・・・
この住居は、1階が店舗兼倉庫で店舗と倉庫の間に階段がある。
俺の部屋は倉庫になっている部分のさらに奥に位置する・・・
日本語で言えば納戸だよね・・・もっと分かりやすく言えば、広い押し入れだね。
広さは多分6帖ほどなので小市民の俺には文句などない。
文句などないが・・・
モヤモヤした気持ちと共に二階へ上がり食堂を目指す。
食堂にはいつもと変わらない顔ぶれで、ほっとするような、イラっとするような・・・
この家、広いのに・・・広くて安かったのに・・・俺の城だったのに・・・一日も経たずして陥落いたしました。
三日天下?長すぎでしょ!俺を見習え・・・明智君!
本当になぜ・・・?何故・・・?ナゼなんだ?なぜ、メイドが普通に支給をしている?
俺は自分の眼を疑ったよ、ベタだが、一階へ降りて店舗から外へ出て外見を確認したよ・・・。
昨日購入した俺の家だったよ!間違いなかったよ!
そして食堂へ戻り、「朝ごはんいらない・・・」と伝え、しょんぼりしながら自分の部屋へ戻ったよ・・・。
「さすがにメイド達がいてはショックが大きすぎたかのぉ?」とか
「今回は随分落ち込んでいますね。」
などなど聞こえてくるが、俺の心はウキウキしているのだ!
ニヤリ!今回は勝った!間違いなく勝ったのだ。
前にも言ったが、自分の願望は、あらゆる危険を冒してでも、自分の力で奪い取るものなんだよ。他人から与えられるものではないんだよ。
そう言うことなんだよ!
不動産屋で俺が一軒しか買ってないと何時言った?そうなんだよ、俺は二軒買っているんだよ。ぶははははは。
この大きな店舗兼用住宅ではなく、本当にこじんまりとした、小さな店舗兼用住宅を買っているんだよ、明智君!
俺の天下はまだ終わっていないのだよ、ぐはははは。
さすがの婚約者達にメイド達も二重に罠が仕掛けられているとは思うまい!
俺はしょんぼりしながら自室へ戻り、中から鍵をかける。
そして転移するのだ、俺の城へ。
だがしかし、ここでも油断はしない、俺の城が見て取れる屋根の上に転移し様子を伺う。
今日はありふれたシチュエーションもない。
俺としては、転移した先の屋根上に女の子が寝ていて、思わず躓きそのままチュッてことがあっても良かったんだが、いや〜残念。
これは勝ったな。
これは勝ったという確信と共に、思わず心の叫びが出てしまった「エイドリア〜〜〜〜ン」とね。
何故こんなことを叫んだのかは自分でも分からないが、なんとなくエイドリアンと叫びたい気分だったのだ。
だがまだ油断はできない、城の内部の気配を探る・・・どうやら誰も居ない様だ。
スッと屋根の上から降り、素早く城の中へ入る。
ふっ、俺の身体能力を舐めてもらっては困るよ、屋根の上から降りるくらいなんでもない、少し足がグニッとなっただけだ・・・
こんなもの簡単に治る。
本当にこの住宅はこじんまりとしている。
1階の店舗と倉庫合わせても25?ほどしかない、二階も1部屋と台所と食堂のみで、当然風呂などない。
だが俺の城だ!誰にも気付かれていない俺の城なのだ!
そしてこの城で活躍するのが、不動産屋のサービスだ。
不動産屋で、購入特典とサービスを受けれると言われたので、俺が希望したものは、にゃんこだ!
人懐っこいにゃんこを、数匹と餌をこの城へとお願いしておいたのだ。
そしてもう一つ頼んだのが、口止めだ。
俺も家出を1週間も2週間もするつもりなど毛頭ない、少しばかりメイド達に俺の有難みを伝えたいと思ってだな・・・。
なので最低3日は粘ってくれと拝み倒してある。
さすがのメイド達も一般市民に拷問まがいの事をすることはないだろうからな。
ふふふ、ぐふふふ、ぐはははは。
それでは、堪能しようではないか、モフモフリストによるモフモフの世界をな!
さ〜てにゃんこは何処かな?
「にゃ〜」「にゃ〜」{ぐぉ〜」
ちょっと待て・・・いや、ちょっと待ってください?
猫の鳴き声に混じって変な声がするけど?
「にゃ〜」「にゃ〜」{ぐぉ〜」
ふっ聞き間違いではなかったようだ、良かった。
自分の目も耳も疑わなければならない事態にならなくて・・・って違うだろ!
俺は気配をなるべく殺し、猫たちを探す・・・。
いた!可愛いにゃんこが2匹と・・・?でかくない?
二匹の猫は、シルバータビーの毛色で普通の猫だよ。とっても可愛いけど、もう一匹が何と言いいますか印象がいや、衝撃が大きすぎて可愛さがかすむって言うか・・・
ミンクマーブルの毛色で顔は猫だからね、もふってしていて可愛いよ。
可愛いけど大きい・・・大きすぎる!
俺の頭など一噛みでこなごなに出来そうな口をしてる・・・猫というよりトラやライオン並みにデカい!
一瞬ラヴィーニャか?と頭をよぎったが・・・ラヴィーニャは白虎なので色が違うはず。
見た目は可愛いが・・・
名 前 キラーキャット(無属性)
L V 22
スキル 気配遮断Lv2・気配察知Lv2
ふっ魔物か・・・
「ふっ」じゃないよ「ふっ」じゃ!魔物も飼えるの?いいの?あぁ〜魔物テイマー的な?
俺がこっそり陰から観察していたのがバレてしまったようだ・・・
人懐っこい猫と注文しておいただけの事はある、確かに人懐っこい。
ん?テーブルの上に手紙が置いてある・・・?なんだろ、この手紙いやに枚数が多いな?
なになに、「普通の猫ですので可愛がってあげてください。」
・・・。あの人たち目が膿んでるの?あの目は飾り物なの?
一枚めくると・・・
「と言うのは冗談で、1匹魔物が混じっていますが、人懐っこいので人を襲ったりはしないので安心してください。」
・・・。今現在進行形で俺の頭をガジガジしてるのが人懐っこい?
じゃれてるのか?結構痛いんだが・・・?
一枚めくる・・・
「本当に人を襲うことはありませんが、たまに気に入った人の頭をガジガジします。これは喜びの表現ですので、受け止めてあげてください。」
・・・。受け止めれませんよ、まぁまぁ痛いので。
一枚めくる・・・
「過去に、この魔物が気に入った人は、勇者のツナシ・ナツキ様のみですのでご安心を。」
こんな状況で俺以外の勇者の名前が出る?このタイミングで?
この街で少し聞き込みをする必要がありそうだけど・・・微妙に痛い・・・
どうやらあと一枚みたいだ・・・一枚めくると・・・
「ノーリターン、ノークレームでお願いします。」
・・・。買取なの?ねぇこの魔物買取なの?
し、仕方あるまい、どうやら知らないうちに猫は俺のペットになっているらしい・・・
家を買って猫が付いてくるか・・・元の世界に戻ったら宅建の資格でも取りに行って不動産屋でも始めようか・・・?
もしかして凄く売れてしまうのでは?
いかんいかん、今はこのガジガジを止めてもらわなくては・・・
・・・。
「猫の気持ちがわかる本」を愛読していた俺に死角は無い!どうやら猫の説得に成功したようだ。
頭を噛むのをやめてくれた・・・そして次は肘を噛みだした・・・
堅ければどこでもいいんかい!
まぁ肘ならばまだ・・・防御力アップの魔法と継続回復魔法をかけておけば何ら問題はない。
では、そろそろ本題に入ろうか・・・?
モフモフパーティーだーーーヒャッハー!
今まで、溜めに溜めまくったうっぷんを全て吐き出すように、モフモフする。
にゃんこも気持ちよさそうだ、俺の気持ちもよい。
しばらくモフっていいたが、どうやらにゃんこに包まれながら寝てしまったようだ・・・
「ご主人・・・」
誰かが俺を呼ぶ・・・
「ご主人、ねぇご主人、起きてよ!」
どうやらシュウが呼んでいるらしい・・・
どうしたシュウ?シュウもモフルか?
「違うよご主人!夕方になったら手紙を渡してねって頼まれてるの!」
へっ?誰に?
「おっぱいの大きいレイリーお姉ちゃんだよ!」
・・・その説明いらなくない?
俺はシュウから手紙を受け取る。
「今日は楽しめましたか?夕飯までには戻ってきてくださいね。」
・・・。
・・・。
・・・。
時間が止まった・・・本当に時間って止まるんだと思ったよ。
言いつけ通り、夕飯前に広い方の店舗兼用住宅へ戻り「夕飯いらない・・・」と言い残し自室に引き籠った・・・
なにがどうして?いつバレた?完璧に欺いたはずなのに・・・?
なんでだーーーーーー!なんでなんだーーーーー!
・・・今日も枕がよく濡れそうだ・・・。
感想、レビュー、ブクマ、評価、待ってます
家出二日目の夕食後
名 前 八神 伊織(職業 勇者)(16歳)
L V 28 (2242/4136)
スキル 望んだ料理を作る・聖魔法LvMAX・空間魔法LvMAX・収納空間・剣術Lv5・水魔法Lv1・気配察知Lv6・危機察知Lv5
魔力察知Lv5・魔力耐性Lv4・奴隷契約・マッピングLv4・鑑定眼+3→神眼・神の加護(3/4)能力補正+100
魔王倒すスキル 79/10000
魔力操作 6/10
魔力察知 37/50
魔力耐性 13/40
状態異常 なし
HP 1071(+180)
MP 978(+250)
力 158(+100)
体力 170(+100)
魔力 161(+100)
知力 20(+100)
素早さ 162(+100)
運 26(+100)
名 前 レイリー=エドワーズ(職業 聖騎士)(17歳)
L V 33 (1249/12622)
スキル 剣術Lv8(+1)・槍術Lv3・聖魔法Lv2・魔力耐性Lv4・気配察知Lv6・危機察知Lv1・神の加護(能力補正+50)
魔力察知Lv1・身体強化Lv6・魔法剣 [称号:剣王 各種能力+50]
能 力
HP 637(+115)
MP 272(+125)
力 148(+130)
体力 151(+100)
魔力 106(+50)
知力 16(+50)
素早さ 109(+100)
運 33(+50)
魔王倒すスキル 37/10000
剣術スキル 32/110
気配察知 61/70
身体強化 4/60
状態異常 なし
ジュリア=オリムカル(職業 魔法使い)(10歳)
L V 28 (1545/4136)
スキル 火魔法Lv3・水魔法Lv9・風魔法Lv9・土魔法Lv3・光魔法Lv3・闇魔法Lv3・神の加護(マジックマスター・・・魔法関係のスキル上昇率UP・魔力補正+50)
魔法耐性Lv5・魔法操作Lv3・魔力察知Lv5
魔力耐性 4/50
水魔法 7/65
風魔法 7/65
能 力
HP 452
MP 420(+125)
力 88
体力 128
魔力 125(+50)
知力 46(+10)
素早さ 90
運 28
状態異常 無し
名 前 ラヴィーニャ=ゼノーニ(職業 王女)(14歳)
L V 28 (733/3309)
スキル 王の威厳・気配察知Lv3・気配遮断Lv3・危機察知Lv5・神の加護(格闘系攻撃力UP 力、体力、素早さ補正+50)
身体強化Lv6・体術スキルLv6・回避スキルLv6・獣闘術Lv5・火魔法Lv1
状態異常 無し
身体強化 28/70
体術スキル 28/70
回避スイキル 28/70
能 力
HP 516(+90)
MP 64
力 152(+50)
体力 128(+50)
魔力 64
知力 18
素早さ 152 (+50)
運 35
状態異常 無し




