103.誘拐されたので助けに行ってみよう②
やってきました、お城へ。
そして、3日がたつ。
ここはヨンモリッツ帝国の城。
城は高い城壁に囲まれ、真っ白な外壁に包まれている。
色々な場所に三角錐の屋根が無数に立ち並ぶ。その一本一本が塔なり監視場なり身分の低い物の部屋になっているのだろう。
その巨大さを表すには、何が適切かは分からないが、チロルチョコでは表すことは出来ないだろう。
さて、その城の謁見の間でダントンが来るのを待つのだが、どうにも俺は落ち着かない。
王妃様は急遽ヨンモリッツ帝国へ来たので、とりあえず剣聖様の屋敷でお世話になることにしたようで・・・。
俺はソワソワして落ち着かない日々を過ごしたのだが、王妃様は、おほほほとお菓子を食べている。
シュウのことが気になる俺、そして剣聖さんの弟子の不祥事ということで、レイリーの祝勝会も中止となってしまったし・・・
そして、色々とやりたいこともあったのだが、何も手につかなかった。
そのため、時間はたっぷりとあったので、剣聖さんの屋敷で言われた「後でお話を」のお話も聞き終わっている。
尚、女帝さんの分も終わっている。
話の内容は特にないよう・・・。ふっまた別の機会に話すとしよう。
どうやら来たようだ、王妃様は一体何を考えているのか気になるところだが・・・
「ダントン只今参上いたしました。」
「あら、ご苦労様。」
「うむ、よく来たな。」
「はっ!このダントン、アンタルシア王国とヨンモリッツ帝国のご注文の品をお届けに上がりました。こちらが商品でございます。」
ん?王妃様が俺を見て、バチコンとウィンクしたぞ・・・なる程ね・・・。
ダントンは剣と槍を1本ずつシュウから取り出し商品の確認をしてもらうようだ。
ふむふむ、素人の俺が見てもわからんが、どうやら武器としては一般的な物らしい。
「これだけですか?」
「これだけか?」
「いや、この収納袋にまだ入っています。ここでは狭いかと思いまして。今、取り出します。」
ん?王妃様が俺を見て、バチコンとウィンクしたぞ・・・了解です・・・。
「ん?、あれ?どうした?なぜだ?」
シュウから何も取り出せなくなり焦るダントン・・・。
シュウから取り出すのには俺の許可が必要なんだよ、知ってた?ダントン君!
「どうなされたのですか?」
「どうしたんだ?」
「いや、何も御座いませぬ・・・。」
「これだけですか?注文した量にはずいぶんたりないようですが?」
「まさか、これを二国で別けろというのか?」
「め、めっそうもございません、この収納袋の中にご注文頂いた数量がきちんと入っておりますゆえ、後は取り出すだけなのですが・・・」
「取り出せないとおっしゃるので?」
「まさか私たちをたぶらかすつもりか?」
二人の攻撃が始まった様だ。
そうか、そういうことか!わかったぞ女帝の謀略のレベルの高さが。
アンタルシアの王妃様は生まれながらにお腹が真っ黒。
多分マツザキのシゲルより真っ黒だ。
その王妃様から幼少の頃より身近で騙され、時には一緒に騙しを繰り返すうちにレベルが上がったのであって・・・
二人の息の合いようもぴったりだし、何か納得した。
ってことは王妃様がいなければ、本人はいたって無害ということか・・・。
「・・・・。」黙り込むダントン。
「黙っていては分かりませんよ?」
「自慢の収納袋に入っているのなら出せばいいだけではないのか?」
「・・・・。」黙り込むダントン。
「わたくしに、その収納袋とやらを貸していただけませんか?」
王妃様の声はとってもとっても優しい・・・のが逆に怖いのだが・・・。
ダントンは王妃様の願い通り収納袋を王妃様に・・・
そして、王妃様の一人芝居が始まる。
「あら、いやだ、これ私の下着だわ!それもこんなに沢山・・・他にも私の私物がいっぱい・・・いったい貴方はいつ王宮へ忍び込んだのですか・・・?」
「なっ!私ではございません!私が収納袋にしまったものではございません!」
「・・・証拠はおありで?」
「なっ!」
「あなたの所有物から私の私物が出てきたのですよ?あなた以外の誰が入れたとおっしゃるのですか?」
「なっ!・・・。アイツです。アイツに違いありません!」
俺を指さすダントンだが・・・それは俺には出来ないよ。だってその包み(下着)大きいんだもの・・・
「何故、イオリ様が?何時入れることが出来たのでしょうか?」
「なっ・・・それは・・・」
「もうお芝居は終わりにいたしましょう、先日商業ギルドでお会いしたニエラ様からすべての真相はお話頂いているので。」
「なっ!バ、バカな!あいつが・・・バ、バカな!そんなはずは・・・」
確かに信じられないよね、ニエラは捕まって拷問されたときに、舌を噛んで自害しようとしたんだけど・・・
俺もその場にいたんだよね、居たくなかったし見たくなかったのに・・・。
まぁシュウのためと言われたので仕方なくだよ・・・。
そして、噛みちぎった舌を再生したよ、もう噛み切れないように鉄のようにめちゃくちゃ堅くね。
その後はもうね、あれだよ、メイド達は嬉しそうにね・・・
結局のところ最初からすべてが王妃様の掌の上で行われていただけで、武器の注文の量や、女帝が便乗してくることも自分の私物をノウから入れることも・・・
この人を敵に回してはいけないと改めて思った訳で・・・
こうしてシュウの誘拐事件は幕を閉じたのだが・・・
「ご主人!あの豚の家でこんな物貰って来たよ。」
なになに?ってその前に豚は止めなさい!豚は!
なになに?権利書に借用書、ほうほう、裏帳簿に闇取引の資料とな・・・
俺には関係ないね、うん、メイド達に渡しておこう・・・
・・・。
ふふ、あんなに嬉しそうなメイド達を見るのは拷問の日以来だ・・・
こうしてアンヴィル商会はメイド達の傘下の一商会となりさがった。その商会には当然ダントンはいない。
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誘拐事件解決後の夕食後
名 前 八神 伊織(職業 勇者)(16歳)
L V 28 (2242/4136)
スキル 望んだ料理を作る・聖魔法LvMAX・空間魔法LvMAX・収納空間・剣術Lv4・水魔法Lv1・気配察知Lv6・危機察知Lv5
魔力察知Lv5・魔力耐性Lv4・奴隷契約・マッピングLv4・鑑定眼+3→神眼・神の加護(3/4)能力補正+100
魔王倒すスキル 79/10000
剣術 37/40
魔力察知 28/40
魔力耐性 4/40
状態異常 なし
HP 1071(+180)
MP 978(+250)
力 158(+100)
体力 170(+100)
魔力 161(+100)
知力 20(+100)
素早さ 162(+100)
運 26(+100)
名 前 レイリー=エドワーズ(職業 聖騎士)(17歳)
L V 33 (1249/12622)
スキル 剣術Lv8(+1)・槍術Lv3・聖魔法Lv2・魔力耐性Lv4・気配察知Lv6・危機察知Lv1・神の加護(能力補正+50)
魔力察知Lv1・身体強化Lv5・魔法剣 [称号:剣王 各種能力+50]
能 力
HP 637(+115)
MP 272(+125)
力 148(+130)
体力 151(+100)
魔力 106(+50)
知力 16(+50)
素早さ 109(+100)
運 33(+50)
魔王倒すスキル 37/10000
剣術スキル 23/110
気配察知 52/70
身体強化 45/50
状態異常 なし
ジュリア=オリムカル(職業 魔法使い)(10歳)
L V 28 (1545/4136)
スキル 火魔法Lv3・水魔法Lv8・風魔法Lv8・土魔法Lv3・光魔法Lv3・闇魔法Lv3・神の加護(マジックマスター・・・魔法関係のスキル上昇率UP・魔力補正+50)
魔法耐性Lv4・魔法操作Lv3・魔力察知Lv5
魔力耐性 35/40
水魔法 53/55
風魔法 53/55
能 力
HP 452
MP 420(+125)
力 88
体力 128
魔力 125(+50)
知力 46(+10)
素早さ 90
運 28
状態異常 無し
名 前 ラヴィーニャ=ゼノーニ(職業 王女)(14歳)
L V 28 (733/3309)
スキル 王の威厳・気配察知Lv3・気配遮断Lv3・危機察知Lv5・神の加護(格闘系攻撃力UP 力、体力、素早さ補正+50)
身体強化Lv6・体術スキルLv6・回避スキルLv6・獣闘術Lv5・火魔法Lv1
状態異常 無し
身体強化 19/70
体術スキル 19/70
回避スイキル 19/70
能 力
HP 516(+90)
MP 64
力 152(+50)
体力 128(+50)
魔力 64
知力 18
素早さ 152 (+50)
運 35
状態異常 無し
 




