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1.異世界へ行ってみよう。

よろしくお願いします。

 目覚めると、真っ白な空間で銀髪の若い女性が俺をのぞき込んでいた。


美女? いや美少女? とてつもなく可愛い顔だ・・・


(誰だろう?)


 女性が俺を見て、にっこり笑って何かを言った。何を言っているのだろうか?


全然わからない。もしかしなくても、日本語じゃない・・・


でも頭の中に直接伝わってくる声は日本語だった・・・


「あなたで5人目の召還になります、すみませんがあなたにはこの世界の勇者になってもらいます。あなたの住んでいた世界とは別の世界のために、魔王を倒していただきたいと思いまして・・・」


 少し小声になった・・・


 何か言いづらいことでもあるのかな?


 彼女は少しだけ申し訳なさそうな顔になる。


 俺で5人目?

 そんなことより、この子ほんとに可愛いな。


 あれ? 顔が赤くなった、思ったことが伝わってるのかな?


 そんな疑問を無視するように彼女の説明は続いていく。



 いろいろ説明されたがあまり記憶に残らなかった・・・


 そりゃそうだよね、いきなり事故で死んだと思ったら異世界だし!

 まぁいいや。



 取り合えずわかったことは、彼女はこの世界の神様らしい。


名前はエリクシア。神様なのでエリクシア様と呼ぼう。


そして可愛い。大事なことなので何度でも言う。可愛い。


エリクシア様が可愛かったのでぼうっとしていて聞いてなかった訳ではない、けしてない。


 そして今から行く異世界は、剣と魔法のファンタジーあふれる中世のヨーロッパ風な感じのところらしいが、その辺は現地に降り立ってから考えよう。


 そして、元の世界での俺は死んでいない、魂だけこちらの世界に来ているるらしく、ケガはしているらしいが命に別状はないとのこと、病院のベッドで寝たきり状態で放置されているみたいだ。

体はエリクシア様以外の他の神様が義体を作ってくれて置いてあるそうなので問題ないということで・・・


俺の家族変わってるからな体大丈夫かな・・・。


まぁ魔王を倒せば元の世界に戻れて、動けるようになるみたいだから頑張るか。


そういえば、初めての幽体離脱に成功したなぁ。


俺の初めてを奪われたのでエリクシア様と結婚できるように頑張ろう。


あっ!また顔が赤くなった、なんか面白いな。


可愛いな、可愛いな、可愛いな。


どんどん顔が赤くなっていくエリクシア様。可愛いな。


「ズッドーン」

 

突然の落雷・・・

当然俺に命中している・・・からかうのはやめておこう・・・異世界に行く前に死んでしまいそうだ。


-----------------------------------------------


エリクシア様の顔が真面目顔になった。真面目な顔も可愛かった。


「あなたに1つだけスキルを授けます。よくありがちなチートスキルを授けます。あなたが望むスキルを教えてください」


 チートスキルって言っちゃたよ。異世界共通なのか?


そんなこと急に言われてもなぁ~


う~ん、う~ん、何だかお腹すいたような気がするから・・・


よし決めた!


「望んだ料理が作れるようになりたいです」


「えっ?」

エリクシア様は呆れ顔になった。呆れ顔も可愛かった。


「えっ?」

だってお腹すいたら死んじゃうじゃないですか。


「料理作れても魔王は倒せませんよ?」


「だってお腹はすくじゃないですか。だからまずはご飯です!」


「・・・」

「・・・」


「えっと、何だか弱そうなので特別サービスでもう1つ付けちゃいます。」


どこかのラジオショッピングかな?じゃぁ、う~ん、う~ん

病気になったりケガしたら困るから、よし決めた!

「回復魔法でお願いします」


「えっ?」

「えっ?」


またこのやり取りですか。


「攻撃できませんけどいいのでしょうか?」


困った顔のエリクシア様も可愛いかった。


「まずは死なないことが大事だと思いまして。命を大事にですよ。ニコッ!」


「回復だけというものはなく、聖魔法の一部なので聖魔法を使えるようにしておきますね。お・も・に、回復・援護が得意な魔法です・・・」


若干の怒り顔も可愛かった。


「わかりました、今回は初めての異世界ということもありますので、特別にもう1つ付けちゃいます。今度は攻撃できそうなのお願いしますね」


どこかの自然食品通販かな?う~ん、う~ん。


よし! 異世界の定番に決めた!


「無限に収納ができて中の時間が止まってるような入れ物、もしくは空間をください」


「えっ?」

エクリシア様の顔は死んでいた。死んでいる顔も可愛かった。


「えっ?」

流石に申し訳ない気持ちになったが、ここは心を鬼にして。


「だって荷物が沢山入って腐らないんですよ、凄いじゃないですか。それに荷物がなければ戦いやすいですし。ダンジョンとかあるかわからないですけど、長時間滞在できて効率的になりますし。とにかく凄いんですよ」


「・・・」

エクリシア様は死んだ顔のままだった。でも可愛かった。


「ちょっと、ちょっと、あなたさっきから聞いていれば何なのよもう!」


突然現れたのは、黒髪、黒目のキリッっとした顔の美女だった。


エクリシア様は可愛いが、この女性は綺麗って感じだ。


「あぁ、雫、我慢できなくて出てきちゃったのね。こちらは、あなたの世界の神様の雫よ」


へ~そうなんだ。あっちの世界の神様めっちゃ綺麗ですやん。超綺麗ですやん。


驚きのあまり謎関西弁が出てしまった。


あっ雫様の顔が薄っすらと赤くなった。あれ? この流れさっきもあったな。


俺は学習する男、同じことは繰り返さない!


よし元の世界に戻ったら雫様と結婚できるように頑張ろう。


よし、ここまでしか考えない!俺は学習できる男だから。


 「ズッドーン」

 「ズッドーン」

 

突然の2つの落雷・・・


当然俺に命中している・・・何故だ? 何故こうなった?本当に異世界に行く前に死んでしまいそうだ。


---------------------------------------------


雫様の顔が真面目顔になった。真面目な顔も綺麗だった。あれ、また繰り返してる?


「あなた、いい加減に攻撃できるスキルを希望しなさい!」


怒られた。

怒った顔も綺麗だった。


う~ん、う~ん

よし決めた!


「そんなこと言われましても・・・突然異世界に連れてこられて、剣が上手に使えるとか、魔法が上手に使えるとかのスキルを貰っても死んでしまっては意味がないですから、まずはチートスキル貰えるなら生きるための物がいいかなって思ったんです。だ・か・ら、なんでも鑑定できる目をください。」


俺はぶれない。


だってなんでも鑑定できれば、毒キノコ(キノコは恐い)も見分けがつくし、呪いの武器(あるかどうか知らない)を装備しなくて済むし、いいことだらけだ。

ふふふ。俺天才!


そして二つの困った顔の女神が居た。


可愛いし、綺麗だった。


「わかりました、私からは望む料理ができるスキルと聖魔法スキルを授けます。雫にも手伝ってもらって、収納空間と鑑定眼は雫からお渡しします。ってことでいいですか、雫?」


「ふ~。しょうがないわね、こいつは私の世界の住人だし。エクリシアは私の友達だし。わかったは2つのスキルを授けましょう」


「ありがとう雫。では、アホな子のあなた、困ったことがあったら、私の像の前で祈るのですよ。そうすれば、私と話ができます。その時にでも、もう1つスキルを授けますのでその時までに考えておくように。その時は攻撃できそうなスキル以外は渡しません!それと地上には神託としてある程度は話をしてあります。あなたには凄く凄く期待しているので頑張ってくださいね。」


アホな子って言われた・・・


雫様にも冷たい目で見られている・・・


元の世界に戻っても生き返れるかな、心配になる。死んでないけど。


エクリシア様と雫様の仲良し話や雫様が現れた経緯を聞いて異世界に降り立った。


(でもきっと大丈夫。神様から貰えるスキルだから俺の想像通りの物に違いないから。だから安心してください、エクリシア様、雫様!)


 あっと忘れてた、俺の名前は伊織。


 八神伊織、16歳、独身だ!


大事なことなので2度言う独身です!


日本の法律だから仕方なく独り身なのです! 仕方ないのです!


・・・・・・・。


彼女・・・? なにそれ? 美味しいの?



 

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