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桃だろう!  作者: ヒノモトコウ
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あれから10年の月日が流れました


桃から生まれた桃太郎はすくすくと育ち、

幼い頃から天才ダンサーとしての素質を開花させ

ニ〇ニコ動画の踊ってみたなどで大活躍。

スポットライトの中心に桃太郎はいました。


光が強くなれば闇もまた深くなります。

父親を名乗る男達が次々と現れ始めたのです。

桃は怯えていました。

学校で桃太郎が、お前の親父は本当の親父じゃないと

からかわれているのを知っていたからです。


今年も約束をした授業参観をすっぽかしてしまいました。


桃太郎がドアを蹴破りそうな勢いで

桃の部屋へと入ってきました。


「何でこなかったのか、3行で」


まっすぐ見つめてくる桃太郎を前に、

桃はオドオドしながら訪ねます。


「桃太郎・・・ 本当の父さんに会いたくないか?」


精一杯の桃の勇気に、桃太郎は吹き出し、そして答えました。


「別に会いたくないですけど?どうせ負け組じゃん。父さんの方がチョーイケてんよ」


幼い頃からネットで育ったからなのか。

言葉の使い方が非常によくないと通信簿にも書かれていましたが、

そう言ってのけた桃太郎の笑顔を見て、

桃は溢れる涙をおさえることができませんでした。


桃太郎は4人組のアイドルユニットとして

この夏デビューを迎えます。


バックダンサーの犬と猿と雉は、かつて、

桃が虐待から救い出した子供達でした。


桃太郎が彼らを犬、猿、雉と呼んでいるのは

犬はウニが嫌いだから。

猿はすぐ帰ろうとするから。

雉は作文が得意だからだそうです。


彼らのファンクラブ入会者の中には

桃が救ってきた女性も数多くいました。

桃に恩義を感じている彼女たちは

ピーチピーチギャルと呼ばれ、

イベントの際には、

ファンマナーの指導などを行ってくれています。


桃はそんな数多くの女性を愛でたし

その子供達は芽出たしで、


自分の生涯には一片の悔いもない、

桃は心の底からそう思うのでした。


めでたし、めでたし。

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