三日目昼
常世神命「いつもありがとうございます・・・主様は諸事情有りこの場に出られないという事で、以後、僭越ながら私が務めさせて頂きます。さて、お話しですが、本来であれば三日目午後という予定でしたが、『食事シーンを書いていたら長くなったのでサブタイを変更します』という事らしいですのでご容赦ください。それではどうぞ」
・・・私は、リネルメ旅客社屋の向かいの冒険者ギルドへ行く予定だったが、六つ刻の鐘が鳴ったので、先に昼食を摂る事にした。
腹が減っては戦は出来ぬと言うしな。
社屋を出て辺りを見回すと、丁度冒険者ギルドと思われる建物の右隣に飲食店が在るのが目に付く。
建物は最近出来たのか真新しく、木材の香りが仄かにする。
中に入れば、当然、椅子やテーブル等も真新しい筈なのだが、冒険者御用達の店だろう、よく見れば少しくたびれていた感じがするが、気にしても仕方がない。
「いらっしゃい。何を注文するんだ?」
そう声を掛けられた方に目を向けると、身の丈五尺五寸の女性が居たが、恐らく店主だろう。
「ウム。こちらには初めて来たのでな、店主殿のおまかせにするよ」
「店主殿かぁ・・・で、あんたは冒険者なのかい?」
店主殿は器用に調理しながらそう聞いて来る。
「いや、今は冒険者ではないな」
「今は・・・って事は、他所から出稼ぎかい?」
店主殿はこちらにいい様に勘違いしているので、そういう事にしておこう。
「まぁ、そんな所だ。冒険者ギルドには、ここで腹ごしらえした後に向かうつもりだ」
「そうかいそうかい・・・ハイお待ち。ゼーゼルのステーキに豆のスープだよ」
店主殿はそう言うと、出来上がった料理を差し出す。
先ずゼーゼルのステーキを口に入れると、ほどよく焼けた肉からひとかみ肉汁がブワッと滲み出て来てとても旨い。
それに対して豆のスープは、薄味でサッパリとした感じがして、飲むとステーキを食べた後の口の中の油っぽさを洗い流してくれる。
「中々良い物を馳走になった、礼を言う。それでお代の方はいくらになるだろうか?」
「そうかい。それは作った甲斐があったってもんだね。お代かい?本来なら銅貨二枚と小銅貨五枚だけど、あんたの門出を祝って、銅貨二枚に負けたげるよ」
「それは重ね重ねすまない。今ある分では安心出来ないので助かる」
そう言うと私は、店主殿に銅貨二枚を支払い店を出る。
常世神命「ここまでありがとうございます。誤字、脱字などありましたらよろしくお願いします。さて、私の昼食は終わりまして、次回はようやく冒険者ギルドの話しになるのですが・・・ホントになるのか心配ではあります。それでは今後とも、異世界飛何をよろしくお願いします。よろしければブックマークや評価を入れて貰えましたら嬉しいです」