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竜宮物語 裏

 未完は後味が悪いので頑張って完結させました。

投稿します。

昔々あるところに一人の男がいました。


訳あって今は海辺の近くで住んでおり漁師として暮らしていました。


最初は漁師になるのに苦労の日々を送っていましたが、元々要領など良かったため三年経つ頃には一人前の漁師になっていました。


 そんなある日のこと、男が浜辺を歩いていたところ近所に住んでいる数人の子供達が何かを囲みながら騒いでおりました。


気になった男はその子供達に近づき何をしていたか確認してみたところ、子供達はよってたかって一匹の亀をいじめていました。


男は亀が可哀想だと思い子供達にいじめをやめるように言いましたが、子供達は自分達が見つけたのだから何をしようが自分達の勝手だと言い張りいじめをやめようとはしませんでした。


どうにかして亀のいじめをやめさせたかった男は何か良い案はないかと考えた末、今持っている自分のお金を子供達に少しあげてその亀を買ってしまおうとしました。


いざ子供達にそう提案したところ子供達はすぐに了承して男からお金をもらうとさっさと何処かへ行ってしまいました。


亀を助けた男は一言もう捕まってはいけないよと亀に注意し自分もその場から離れようと亀から離れた時、後ろから自分を呼び止める声が聴こえてきました。


男が後ろを振り返ってみると、何と助けた亀が自分を呼んでいたのです。


亀が言うにはいじめられているところを助けてくれたお礼として男を竜宮城に招待したいと言うのです。


別にお礼などいらないと返事を返す男でしたが亀の熱心な懇願により男はついに折れ、竜宮城に行くと決心しました。


 それから亀と男は竜宮城に向かうため男が亀の甲羅の上に乗り、そのまま沖に向かって進んでいきました。


陸がかなり小さく見えてきた所で亀は今から海中に潜るので一枚の海草を男に渡しました。


亀が言うにはこれを口に挟んでおけば地上でしか息をすることができない者でも息をすることができると言うので男は少し不安に思いながらも渡された海草を口に挟みました。


亀はそれを確認するとそのまま海中に潜っていきました。


最初は驚いた男でしたが海中の中が予想外に綺麗だったため、落ち着きを取り戻しそのまま海の中の景色を楽しんでいました。


自分が今まで見たことがある魚もいれば、全くお目にしたこともない魚もたくさん泳いでいました。


そして亀と男はどんどん海の底に潜っていくと日の光が段々弱くなっていき何も見えなくなってきました。


しかし今度は海の底から光が現れてきて、気づくと陸にいるときとは違う神秘的な光が辺りを照らしていました。


そして光が一番強い所の方に進んでいくと大きな宮殿が見えてきたではありませんか。


亀と男はそのままその宮殿に進み、ようやくその宮殿に到着することができました。


 陸の都にも負けない豪華で荘厳とした宮殿こそ、亀の言っていた竜宮城なのでした。


更に不思議なことに竜宮城に着くといつの間にか海草がなくても陸といるときと変わらずに息を自由にできるのでした。


驚くことはまだ終わらず、竜宮城の玄関に入るとたくさんの海の生き物達が自分達を出迎えてくれたのです。


小さな魚もいれば、貝、カニ、たこ、いかと魚以外の海の生き物たちもいるではありませんか。


様々な種類の生き物達に囲まれながら男はある大きな広間に案内されました。


そしてそこで一人のとても麗しい女性が男を待っていました。


広間で待っていたのはこの竜宮城の主である乙姫さまだったのです。


陸の人と違い髪の色がとても鮮やかな藍色で染められ、珊瑚でできていると思われる飾りでその藍色の髪を纏めていて、まさに海底の宝石のような人だと乙姫に対して男は思いました。


乙姫もいつの間にか男が亀を救ってくれたことを知っていたので、改めて男にお礼を言うのでした。


それから男は乙姫の隣に座り、竜宮城の催しを存分と味わうのでした。


様々な種類の生き物達が自分たちの特徴を生かし踊り、また異種同士でもお互いに手がないのでヒレで繋ぎ楽しそうに踊っていました。


催しは踊りだけでなく料理とお酒も次から次へと出てきて男は人生で一番食事をしたんではないかと思うくらい食べました。


そして乙姫との会話も弾みに弾み、いつの間にか乙姫の腕が自分の腕に絡んでいることに気づいた男は酒で酔っているにも関わらず昔の記憶が鮮明に頭によぎり、さりげなく自然に絡められている腕をほどきました。


ふと男は乙姫の顔を見ると乙姫の目がとろんとしていて、頬はほんのりと赤く染まっていて恋する乙女のような表情になっていました。


それを見た途端男は急に酔いが醒め、もう帰らなくてはと乙姫にそう言い自分を陸へ返してくれと頼みました。


それを聞いた乙姫はいきなり悲しそうな表情になり、男から目線を逸らしましたが、すぐに笑顔に戻りわかりましたと答えるのでした。


しかしすぐには戻れないので陸に戻る準備として二日間かかるので、それまでは是非この竜宮城で楽しい時間を過ごしてほしいと乙姫は言いました。


すぐに戻れないのは残念だと思った男でしたが、それは仕方ないことなので渋々了承しました。


それから男は二日間竜宮城で賑やかな日を過ごすことになりました。


そして約束の二日目を迎え、男は遂に陸に戻ろうとします。


男は改めて陸に戻してほしいと乙姫に頼みました。


一瞬乙姫の顔が暗くなったと思いましたが、すぐにいつもの美貌を照らす笑顔になっていました。


そして男は乙姫から食事を誘われたので最後だからと思い承諾しました。


最初の歓迎の時と比べて遜色のない料理の数々が運ばれてきました。


味も絶品のままで男はほとんど一人で平らげてしまいました。


すると乙姫が一杯のお酒を渡してきました。


そのお酒を受け取りいざ口にしようとした時でした。


突如浜辺で助けた亀が男の持っていたお酒を振り落して男を無理矢理連れ出し、竜宮城から逃げてしまいました。


亀は男を甲羅に乗せてすぐさま竜宮城から飛び出しました。


男がなぜこんなことをしたか亀に聞くと実は乙姫が男を永遠に竜宮城に縛り付けることを明かされたのです。


たまたまそれを見かけた亀は大事な命の恩人をその呪縛から逃すために今回のような行動に移したようです。


亀は来たとき渡した海藻をもう一度男に渡して海底からどんどん地上に上がっていきます。


そしてやっと男と亀は地上に戻ることができました。


男は亀に礼を言いました。


そして男は亀にこの後どうするのか質問すると亀は竜宮城に帰ると言いました。


男は止めましたが、亀は自分の居場所は竜宮城で死ぬときもそうなのだと伝えてまた海に戻ろうとします。


ここで亀と男は別れました。


男と亀はそれぞれの道を歩み始めました。


亀は償いへの道に。


男は生きるための道に。




おわり





やっぱり長編はとても難しいですね。と言ってもたった2話だけですが(笑)

しかし物語を完結されるということ自体がとてもすごいことなんだな実感させられました。やはり話というのは終わりがなければオチがなければなんの意味もないと思います。

肝心な終わり方なのですが、正直あまりぱっとしたものではないかもしれません。しかしこの話はこの終わらせ方で正しいと思い自分なりの表現で終わらせました。

 最後にご愛読ありがとうございました。よかったら感想などあるととてもうれしいです。

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