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竜宮物語

童話系二弾目です。

 昔々あるところに一人の漁師がいました。





 ある日漁師が浜辺を歩いていたところ、近所に住んでいる数人の子供達が皆で亀をいじめていました。


漁師はいじめを止めるよう子供達に言いましたが、子供達はなかなか言うことを聞いてくれません。


仕方ないので漁師は持っていたお金を子供達に渡して亀のいじめを止めさせました。


いじめを止めさせた漁師はそのままその場から離れようとしたとき、何と先程助けた亀が喋ってきたではありませんか。


いじめられていた亀は助けたお礼として漁師を竜宮城に招待したいと言うので、漁師は亀の甲羅の上に乗り竜宮城へ向かうことになりました。


陸からかなり離れると亀は漁師を乗せながら海の中へと潜っていきました。


海の中は漁師が今まで見たことがないとても綺麗な景色した。


どんどん海の底に潜っていくと海の底から明るい光が現れはじめ、とても大きな建物が見えてきました。


その建物こそが亀の言っていた竜宮城なのでした。


 亀と漁師が竜宮城に着くと、たくさんの海の生き物達が出迎えてきてくれました。


そのままたくさんの海の生き物達によって漁師は竜宮城の披露宴の場まで案内されました。


披露宴の場まで案内されると今度は一人の麗しき女性、竜宮城の主である乙姫が漁師を待っていました。


その時、乙姫は漁師の顔を見た途端、胸がいきなり締め付けられてきました。


乙姫は初めて会う漁師に一目惚れしてしまったようです。


乙姫はまだそれが何なのか良くわからなかったので、皆に悟らせぬよう普段通りの表情で漁師を迎えました。


最初に乙姫は漁師に亀を助けてくれたお礼を言って、次に手を軽く叩くと海の生き物達がたくさんのごちそうを運んで来ました。


乙姫は漁師のためにごちそうと魚たちによる踊りを披露しました。


漁師はとても喜んでくれてたので乙姫もその時の漁師の喜んだ顔を見て、今までにないくらい幸せな気持ちになってきて、またもや胸がきつく締め付けられ始めました。


乙姫はそのまま漁師の隣に侍り、宴会の間ずっと漁師と楽しく話をしていました。


会話は途切れることなく次から次へと話題が出てきて乙姫、漁師二人はお互い微笑みながら愉快に踊り続けているたくさんの魚たちに囲まれて、ごちそうを手に談笑をしていました。


そして話をしていくうちに乙姫は漁師のことに夢中になり、ずっとこの人と一緒にいたいと思い始めてきました。


ようやく乙姫はこれを恋だと自覚したのです。


そして乙姫にとっての初恋でもありました。


 自覚した乙姫は漁師がとても愛しくなり、漁師に触れたくなり自分の腕を漁師の腕に絡めさせました。


漁師はその行動に驚いてしまい、つい乙姫から離れてしまいました。


乙姫は腕を解かれてしまいとても残念に思いましたが、それよりも漁師に触れられたことにとても幸福と快楽を感じました。


乙姫は漁師にこのまま竜宮城にいてもらい、自分と生涯を供にしてもらおうと思っていましたが、悲しいことに漁師は陸に戻りたいと言い始めました。


乙姫はとても悲しくなりました。


ようやく運命の人に出逢えたというのにたった一日で芽がついた恋のつぼみがこのまま咲かずに終わってしまうことにとても悲しみを感じました。


そして乙姫は決心しました。漁師の意思関係なくこのまま竜宮城に一生あてもらおうと。


そのためにはいろいろ準備が必要になり、大体二日間はかかると思った乙姫は漁師にその二日間を陸に戻るための期間と嘘を教えて何とか漁師を二日間竜宮城に滞在されるのでした。



それから漁師は二日間竜宮城に残りました。


準備がいろいろあったため漁師と一緒にいることができなかった乙姫ですが、これから一生竜宮城にいてもらうことを考えれば安い代償でした。


漁師が竜宮城に来て三日目のこと、漁師は改めて陸に戻してほしいと頼んできました。


この二日間でもしかしたら竜宮城に残りたいと言ってくれることを微かに期待していた乙姫でしたが、残念ながらそのようなことは全くなく、二日かけて準備した作戦に移るのでした。


乙姫は最後に漁師とお食事をしたいと漁師に頼み、漁師は優しい表情でその誘いに乗りました。


最初の歓迎の時と比べて遜色のない料理の数々が運ばれ、最後に乙姫は自分で作った飲み物を漁師に渡しました。


竜宮城にずっと漁師を縛り付けるための希望の飲み物を。


いざ漁師が飲み物を飲もうとしたとき、突如浜辺で助けられた亀が漁師を無理矢理連れ出し竜宮城から逃げてしまったではありませんか。


後僅かと言うところで漁師は竜宮城から消えてしまいました。


乙姫の怒りは頂点まで達しました。


そして次の日から竜宮城の主は不在になってしまい、海底の秩序が崩れてしまったのですが今回その事について語られることはないでしょう。







後愛読ありがとうございました。

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