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第二十七話

炎天下の中汗を拭う。こんなに穴を掘ったのは初めてだ。

何kgぐらいあるんだろう。

人が簡単に入れそうな袋はもう満杯になっている。


ヘルメットの紐を調整していると向こうから声が聴こえた。

「おーい。一服するぞー」

そう現場監督の声が空に響く。


車座になってみんな煙草をふかす。

缶コーヒーを灰皿代わりにする。


「草鹿君だっけ?」

「はい」

「この仕事キツイだろ。若いのになんでまた」


そう作業員のおじさんが快活そうに笑う。

「お金が必要になったんです」

「女かー?」


周りの作業員もあわせて笑う。

僕は少し考えた後、答えた。

「そうです。幸せにしたい人がいるんです」


そう僕が真顔で答えるとみんなはまた笑う。

お熱いねーとか。結婚なんてそんな幸せなもんじゃねえぞー。

そんな声が飛びかった。


僕は笑って頷いた。それから手帳を開く。

計算したらもう少しで部屋を借りることができる。

暑くなったのでヘルメットを取った。風を爽やかに感じた。

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