表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/35

第二十一話

先生には反対されていたが僕とユキはよく会うようになった。

彼女と映画に行ったり喫茶店でお茶を飲むのは楽しかった。

その時だけは自分が病気であることを忘れられた。


「さて今度は何処にいこっか?」

そうユキがアイスコーヒーの氷を鳴らしながら訊く。

いつも彼女が行先を提案するのだ。


「品川にね。良い水族館があるんだって」

「そう」

「日の出駅の近くでね。船が出るんだって。意外と安い……」


彼女は困ったように笑う。

「悩みごと?」

「ちょっとね」


ユキは素っ気ない返事につまらなそうな顔をする。

そうしていると途中で電話がかかってきて彼女は席をたった。

残った僕は独り頭をかかえる。


誰かを愛するということは今の僕にはとてもつらい。

グラスの氷が溶け落ち澄んだ音が響いた。

僕は知らぬ間にユキを好きになっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ