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第十七話

何が人より攻撃的じゃないだ。

しっかり人を傷つけてるじゃないか。

蟻を踏んだことに気付かないみたいに。無意識に誰かを傷つけてる。


「今日は無口だね。草鹿君」

先生が資料を読みながら訊く。

「先生は、生まれてきてすみませんって言葉知ってますか?」


彼は珈琲に口をつける。

「太宰だね」

「そうです。最近その言葉の意味を考えるんです」


気分を落ち着けるために息を吸った。

「僕は社会的に存在意義がありません」

そのまま続けた。


「働けないし。親の収入を削ってるだけです」

話してると瞳が熱くなってきた。

「他の人と上手くコミュニケーションもとれません」


先生は黙って話を聞いてくれる。


「死んだ方が良いんじゃないかって気になります」

僕は頭を掻きむしりながら言った。

「自分に価値が無いんじゃないかって」


僕が取り乱すのと対照的に先生の態度は冷静だった。

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