目次 次へ 1/35 第一話 精神科は緑に包まれていた。 観葉植物が眼に優しい。 煉瓦細工の中庭が美しく見える。 診療室で白髪の先生が口を開く。 「さあ悪口を言ってみよう」 「はぁ」 「君は悪口を言わない。それが問題だ。さぁカモン! カモン!」 不思議な悪口の練習が始まった。 先生曰く。 僕は特種な人間らしい。 普通の人間より極端に攻撃性が低いのだ。 一例を言うと人の悪口が言えない。 良い事じゃないかと思う人もいるかもしれない。 しかし実際に生活していると問題が出てくる。 ストレスを処理できないのだ。