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1 - 極度の困難

 人生観を永遠に変えてしまうようなゲームをプレイしたことがありますか?


 難しさと楽しさが美しく融合したゲームプレイ。


 周りの人々への見方を変えるようなキャラクター。


 人生を変えるきっかけとなる物語。


 現実がフィクションを変えるように、フィクションが現実を変えるというのは、実に滑稽なことです。


 でも…


「…私たちはやり遂げた。みんなを救ったんだ。」


「もちろん。みんなの支えがあったからね。」


「だから、あなたは…」


「もちろん、私は去りません。みんなのことが大好きなんです…世界を救った後に去るなんて、今になって思えば愚かだった…あなたたちがいなければ、何もできなかった。残りの人生をみんなと生きていきたい。」


「このバカ…そんなこと知ってたら、もっと早く言うべきだった!!!」


 まさに傑作です。


「夕暮れの秋」は私が今まで見た中で最高の芸術作品です。モナ・リザやゴッホの「星月夜」、あるいはこの世に存在するどんなものよりも素晴らしいです。


 ラスボスと隠しボスを何度倒したか、数え切れません。主人公だけで倒したこともあれば、スキルを全て装備していない状態で倒したこともありました。最適な戦略と最適ではない戦略、オートバトルのみで倒したこともありました…主人公とヒロインの間には、今まさに全てのシーンを体験したばかりです。


 ご存知の通り、こういったゲームの多くは、ストーリーは素晴らしいのにゲームプレイがひどいか、ゲームプレイは素晴らしいのにストーリーが退屈かのどちらかです。「夕暮れの秋」は、その両方を完璧に融合させた唯一のゲームです。


 どのキャラクターも最初は「想定された」使い方をしますが、トレーニングシステムは高度にカスタマイズ可能で、二人のキャラクターをペアにすると独特なシーンが展開され、一回の戦闘で二人のキャラクターをペアにすることで戦闘に有利な効果が得られます。


 主人公は当然のことながら、メインヒロイン全員とのエンディングが最も多く、さらに様々なサブヒロインとのエンディングもいくつかありますが、ヒロイン同士をペアにしたり、主人公が悪役となってヒロイン全員を破滅させるという邪悪なルートを選ぶことも可能です。このルートは、いかにもダークな設定ではありますが、巧みに描かれ、美しく悲劇的な世界観を醸し出しています。主人公の不安やトラウマが、仲間への愛情を覆い隠してしまうのです。


 もちろん、気に入らないシーンがないわけではありませんが、全体的に見て、これは完璧に近いと言えるでしょう。加えて、汎用クラスメイトをパーティに組み込むなど、やや発展途上の要素も数多くあります。登場シーンもなく、ステータスも低い彼らを、なぜ使う必要があるのでしょうか?


 パーティメンバーが倒されると、一定時間次の戦闘には参加できなくなります。ですから、もし主人公以外のキャラクターを倒せたなら、そのメンバーで戦力補充はできるでしょうが、その時点で経験値は主人公に全部取られてしまうのも致し方ないでしょう。別に強すぎる主人公でソロプレイするのは難しいわけでもないのに…


 個人的に開発者に何度もフィードバックを送り、不具合の修正や誤字脱字の修正などを求めてきました…おかげで返信が来て、感謝の言葉と共に「外に出ろ」とまで言われました。


 ちっ、別に人生がないわけじゃないんです。まだそこそこ元気な大学生ですからね。


 でも、こういうゲームを見ると、プレイしてその素晴らしさを自分で体験する以外に何ができるというのでしょう?


 朗報なのは、「夕暮れの秋」が当然の評価を受けていることです…続編はすでに同じ開発チームによって開発中です。今すぐ発売されたら…幸せに死ねる。


 もう午前三時だ…そろそろ寝よう。


 続編にもっと入れてほしいシーンを夢で見たい…もしかしたら提案を受け付けてくれるかな?


 わからないな。発売されてから数週間、このゲームのことで頭がいっぱいなんだ。


 お願い、もし神様がいるなら、この美しい世界に連れて行ってくれ…


 * * * * * * * * * *


「お嬢様、起きる時間です」


「はい、はい…ちょっと待ってください」


 私は不自然に心地よいベッドで飛び起きる。


 部屋の中は見慣れた風景が広がっている。


「すみません、少しだけ一人にさせていただけませんか?」


「お嬢様、お望み通りにいたします」


 若いメイドが部屋を出て、装飾の凝った木製のドアを閉める。


「やったー!!!!!!!!!!!!」


「え、お嬢様?」


 メイドが急いで部屋に入ってきた。


「ちょっと、私の名前は?」


「お嬢様、気が狂ったの?」


「自分のことを全部忘れてしまったの。分かるでしょ?」


「いいえ、覚えていません。」


「ところで、私の魔法の属性は?スキル?才能と弱点は?」


「…お嬢様、ステータス画面を使ってください。」


「ステータス画面?ああ、もちろん。どうすればいいの?」


「想像してみて。」


 私は額に指を当て、ずっと見たいと思っていたステータス画面を想像してみる。


「アメリア・ヴァーレン…うーん、このキャラクターは初めて見た…ダウンロードコンテンツでも追加されたのかな?」


「お嬢様。」


「ちょっと静かにしてください。考えさせてください。」


「…もちろんよ。」


 様々な画面をスワイプし、戦闘ステータスのページに辿り着くと心臓がドキドキする。


「…メイドさん?」


「ちなみに、私の名前はオフィーリアです。」


「そうそう。オフィーリア。優美なメイド、オフィーリア。」


「何ですって、お嬢様?」


「どうして私のステータスはこんなに低いの!?」


 四以上のステータスは一つもない…ちなみに、主人公は九以上のステータスからスタートする。そして、プレイヤーが好きなクラスを選べるように、成長率はどれも馬鹿みたいに高い。


 一方…


「私の平均的な成長はスピードと運だけ…ダメージも与えられないのに、命中率が高いって意味あるの!?」


「お嬢様…」


「スキルなんて一つもないのに!主人公は三つからスタートするんだよ!」


  「お嬢さん、ご両親があなたを勘当したのも、まさにこの理由だとご存じですよね?」


「…勘当?」


「そう……あなたの潜在能力を検査された時、その低さが分かり、『貴婦人らしくない』と頑なに訓練を拒否したのね……さて、今はあなたと私だけですね」


「…本当ですか?」


「少なくとも、ご両親は寛大にも、あなたをデイブレイク・アカデミーに入学させてくれました…」


 これは何かのひねりのある冗談ですか?

第一章を読んでいただきありがとうございます。


文章からもお分かりいただけると思いますが、私は外国人です。コメディに突入しますが、どうかご容赦ください。


おやすみなさい。さようなら。

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