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戦国小ネタ集  作者: カイル
真田信繫(幸村)編
9/12

その2

●小ネタその2●




真田信繁(以下、信繁)「……この戦、もう持たないですね。悔しいが豊臣方の負けのようだ。しかし秀頼様だけは何としてでもお守りしなければ……!」


後藤又兵衛「うわあああああああ!!!!!」


信繁「この声は後藤殿!? まさかあの後藤殿がやられたのか!? 一体誰に!」









片倉重長(以下、重長)「はぁはぁ……て、敵将討ち取った……」


信繁「後藤殿――――――!!」


重長「!!」


信繁「ご、後藤殿……ああ、何ということか…!!」


重長「あなたは真田殿……くっもはやこれまでか……」


信繁「あなたは……! 片倉殿……あなたが後藤殿を?」


重長「くっ! もはやわたしに体力は残っていない……斬るなら斬れ!」


信繁「これは、この太刀筋は……」


重長「は、早くせぬか!!!」


信繁「素晴らしい!」


重長「……は?」


信繁「いや、あの後藤殿を討ち取られたということだけでも素晴らしいですが、この太刀筋お見事です! 流石あの片倉小十郎殿のご子息だけありますね!!」


重長「は、あ。あ、ありがとうございます……?」


信繁「ああそうだあなたにならば!」


重長「……あのぉ?」


信繁「片倉殿!」


重長「は、はい!?」


信繁「うちの娘貰ってください」


重長「……はぁ!? あなた、いきなり何言ってるんですか?」


信繁「いや正直この戦は豊臣方の負けです。私の命はどうでも良いのですが、私の子どもたちの行く末が気になって。一族もろとも処刑されたらどうしようかと……」


重長「……それは確かに心配ではありますね……しかし何故わたしなんですか……?」


信繁「後藤殿を討ち取られたその腕前をお見込み致しまして是非!」


重長「……はあ (変わった人だな) しかし、わたしはもう妻がおりますので、申し訳ないですが……」


信繁「別に側室でいいです」


重長「いや側室でいいですって言われても (ついでに人の話あんまり聞かない人だな)」


信繁「うっ……あなたに断られては私の娘は処刑されてしまうやも……」


重長「あ、あああ、分かりました! 分かりましたから!! な、泣かないでくださいよ!! お嬢さんはその、側室というか、片倉家で大事な客人という形ででもお預かり致しますから……」


信繁「本当ですか片倉殿! ありがとうございますありがとうございます! これで心置きなく死に行くことが出来ます!!」


重長「は、はあ……」


信繁「では娘たちの事は宜しくお願いします!! これにて!!」


重長「あっ!! ……行ってしまわれた。しかしあれが真田信繁殿……何というか……変わった人、だな……」









信繁「……ふぅ、何とかなりましたね。手負いとは言えあの後藤殿を討ち取った方ですからね、あまり手合わせはしたくありません。しかも娘も託せて一石二鳥! しかし父さんから教わった嘘泣き、効くもんなんですねえー。さて今のうちに秀頼様を連れて逃げないと」






その後大阪城は落城。

しかしその城跡から豊臣秀頼の遺体は見つからなかったそうな。











重長「何故秀頼殿の遺体は……真田殿の遺体も首が六つも見つかって曖昧と聞くし。ま、まさか真田殿が秀頼殿を逃がしたのでは? もしやあの時の言葉はその場しのぎの嘘……?」


部下「重長様、あの……真田家よりお客人が来ておりますが如何いたしましょうか?」


重長「何、真田家から!? 嘘では無かったか。良い、通せ」


部下「宜しいのですか?」


重長「うむ。約束は守らねばならぬ。丁重にお迎えせよ」


部下「ははっ!」









真田信繁の娘・阿梅(以下、阿梅)「片倉様、この度はわたくしの父の遺言をお聞き届け下さりありがとうございます」


重長「(遺言……では……) いえ、最期の願いくらいは聞き届けてさしあげられなければ不憫ですから。長旅でお疲れになったでしょう? これからはこの城でゆっくりお過ごし下さい」


阿梅「暖かいお言葉ありがとうございます。わたくしには何も出来る事はありませんが……片倉様、いえ重長様のお役に立てればと存じます」


重長「あ、ああ……まあ、そういう話はまた後日……」


阿梅「そうですわね。わたくしったらはしたない。ではお言葉に甘えさせて頂きますね。ほら、皆入ってらして」


重長「え?」



わらわら。



阿梅「さ、皆重長様にご挨拶を」


子供その1「お世話になりまする」


子供その2「はじめまして~」


子供その3「あー……疲れた。ホント疲れた……」


子供その4「白石は寒いですねえ~」


子供その5「わーしげなが様ってすてき! おねえさまうらやましいわ~こんな方の奥さんになれるだなんて」


阿梅「もう。まだそう決まったわけじゃあないのよ」


重長「ちょ! こ、これはどういう事ですか!?」


阿梅「え? 何がでしょう?」


重長「わたしは真田殿の娘御を側室にと言われたのですが!」


阿梅「それはわたくしの事ですが……難色を示しておられたとお聞きしましたが違いましたでしょうか?」


重長「いえ、それはそうなのですが……」


阿梅「わたくしは別に側室で構いませんので」


重長「(父親に似てる!!) いえ、あなたの事ではなく……この大人数の子供は何ですか!?」


阿梅「弟と妹ですが」


重長「わたしはあなたの事しか聞いてませんよ!?」


阿梅「おかしいですわね。父上の文書には 『全員かくまってくれる』 とあったのですが……」


重長「ええ!?」


阿梅「聞いておられませんか? 本当に?」


重長「聞いていま……いや待てよ、そういえばあの時 『娘たち』 とか言っていたような。こっそりと言っていたような」


阿梅「聞いておられるのではないですか。では宜しくお願いいたしますね。ほら皆ご挨拶」


子供「「「「「よろしくおねがいしまーっす!!!! 義兄上様!!」」」」」


重長「……さ、詐欺だこれ!! ……真田信繁……恐るべし!」











信繁「ぶえっくしゅ!」


豊臣秀頼(以下、秀頼)「信繁殿、大丈夫ですか?」


信繁「ああ大丈夫です。誰かが噂でもしているのでしょう。まあ誰か想像つきますけど」


秀頼「え?」


信繁「いえいえ。さて少し急ぎましょう。遺体が見つからないのを不思議に思う輩も居るかもしれませんからね」


秀頼「ああ、済まないですね信繁殿……」


信繁「九州に着けばそれなりに隠れ蓑もありますから、頑張りましょうね」

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