その1
●小ネタその1●
徳川家康(以下、家康)「真田信繁……あ奴は父の昌幸に似て知略に長ける者らしいな。昌幸のおらぬ今、信之もこちらに付いている事だし、もう豊臣に尽くす義理などもあるまい。信尹殿、お主があの者の元へと赴いてこちらに寝返るように言うてはくれまいか?」
真田信尹(以下、信尹)「は、承知致しました」
信尹「信繁よ、信濃一万石と引き換えに徳川方に味方せよ」
真田信繁(以下、信繁)「叔父上、馬鹿なことを仰られるのですね。そのような事ではこの信繁動きは致しませぬ」
信尹「家康様、申し訳ありません。あやつ、某の力では何とも動きませなんだ……」
家康「ふむ。思ったよりも強欲な男なのか? 仕方あるまい。わしが出向こう」
家康「信繁よ、信濃一万石とは確かにお主にしてみれば低禄かもしれなかったな。では信濃一国を与えるとしよう。これならばどうか?」
信繁「全く叔父上もあなたも何を考えておられるのか。一万石が一国へと増禄したら寝返るとお思いでしたか? 私はそのような不忠者ではありません。どのような事があろうと最期まで豊臣に、秀頼様にお味方する所存でございます」
家康「で、では信濃だけではなく甲斐も……」
信繁「くどい! 私をそのような甘言で動かせると思っている事こそが間違いなのです!」
家康「ぐ、ぬぅ……」
信繁「禄や国など要りません。私はただ義に殉じるだけでございます」
家康「……」
信繁「(静かになりましたね。この際ですからもう少しきつく言っておきましょうか。何度も来られてもうっとおしいし) 徳川殿は、人は皆金で動くと思っておられるそれが間違いだと何故お気づきにならないのですか」
家康「……」
信繁「それはもちろん金で動く人間もおりましょう。理に背かず強いほうと行動を共にする。だが皆がそうだと思われない方がいい。少なくとも私たち豊臣にお味方している者達は違うはずです」
家康「……」
信繁「大体、そのお金があれば何でも出来るという考え方がねえ……どうかと思うんですよ私は」
家康「…………」
信繁「禄やら金を与えるだけ与えたら部下になると思い込んでるのが間違いなんですよ」
家康「………………」
信繁「大体そういうやり方で部下を雇っても虚しくないですか? 金しか信じてないっていう感じじゃないですか?」
家康「……………………」
信繁「それ上司としてはどうかと思いますよね~。私ならそんな上司には仕えたくないなあ。無能っぽくないですか? もっと違う説得方法とかあるでしょう? それを使わないで金に頼るとかねえ……」
家康「………………真田くん、後ろ」
信繁「は?」
ばっ。
??「……」
信繁「……」
家康「……」
??「……禄で部下を釣ってごめんね……!!!!」←泣きダッシュ。
信繁「え、えええええええ!!?? み、三成殿!? な、何で生きて!!!?? じ、じゃあなくて、ち、違うんです三成殿! あなたの事を言った訳ではなく! 三成殿!? どこに行かれたんですか、三成殿おおおおお!!!!」
家康「……あの三成殿を泣かせるとは……! 真田、まっこと日の本一の武士よ!! (色んな意味で)」