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戦国小ネタ集  作者: カイル
上杉謙信編
6/12

その3

●小ネタその3●




武田信玄(以下、信玄)「さて、これで軍神との戦も四度目か。そろそろ決着を付けねばならぬな」


山本勘助(以下、勘助)「お館様、わしめに考えがございます」


信玄「ほう。申してみよ勘助」


勘助「上杉殿は酒豪と聞きます故、酒を上杉の本陣に……」


信玄「ふ、む……それで上手く行くのか?」


勘助「は。必ずやこの勘助、成功させてみせまする!」


信玄「ふむ。分かったお主に任せよう勘助」


勘助「はは!」









直江景綱(以下、景綱)「殿、村人達から差し入れだそうです」


上杉謙信(以下、謙信)「んあ? 何だ? 何を差し入れてくれたって?」


景綱「酒、ですな。まあこのような酷い霧では進むことも出来ませぬし……少しくらいならば部下に分け与えても宜しいのでは? このままでは武田も動きはしないでしょうし」


謙信「おー! すっげえ大量の酒だな。いいのかな、こんなに貰っちまって」


景綱「そうですな。あまりに量が多いような気も致しますが……」


謙信「……」


景綱「民からの気持ちだということですし、部下たちも少し疲労しております。貰っておいても宜しいのではないでしょうか……って聞いておられますかな? 謙信様」


謙信「……梅干は?」


景綱「は? ありませんが」


謙信「何でねーんだよ!!」



がしゃーん!



景綱「ちょ……!! 杯投げつける事ないでしょ、殿!!」


謙信「オレの梅干はああああ!?」


景綱「越後から持ってきたのはもう殿が食べつくしたんじゃないですか~!!」


謙信「……そうだっけ?」


景綱「そうですよ!!」


謙信「梅干のない酒なんて旨味半減以下じゃねーか! どうすんだ!!」


景綱「ええ……逆切れ……? し、知りませんよ!」


謙信「ちくしょう! 梅、梅干がないと……!!」


景綱「(梅干中毒かこの人は) ではどうするのですかな? 民から巻き上げるとでも?」


謙信「んな事はしねぇ」


景綱「ですよね (ああ良かった、思考はまだ比較的まともなままだ)」


謙信「……なあ、武田の本陣なら梅干あるよな?」


景綱「は? その根拠はどこから?」


謙信「だから酒の肴は梅干って決まってんだろ!」


景綱「(殿の頭の中では決まっているんだのう……) な、何をする気ですかな殿」


謙信「取り敢えず単騎突撃して強奪してくる」


景綱「えええ!! 貰ってくるの間違いじゃ!?」


謙信「うっせーな、敵だからいいんだよ! じゃ行ってくる」



ぱからっぱからっぱからっ。









景綱「……本当に一人で行ったーーーーーーーーーー!! み、皆の者殿に続けええ!! 出陣じゃ!!」









信玄「……失敗、のようだな」


勘助「何と……わしの策が敗れるとは」


信玄「軍神のあの目、迷いがない。透き通った良い目をしている。……我にはあの目の輝きは灯らぬか……あ奴は一体何を見ているというのだ!」


謙信「うおおおおおお!!! うーめーぼーしーーーー!!!」






この戦で武田勢は多数の死者を出すことになりました。


結論:梅干の切れた謙信は怖い。


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