その2
●小ネタその2●
上杉謙信(以下、謙信)「ぶはっ! 今回の戦も疲れたな~」
子供「あっ! けんしんさまだ! 今回もおつかれさまでした。えちごを守ってくれてありがとうございます!」
謙信「ん? ああ、ハハッ。自分の国だからな、当たり前だろ! オマエらも無事で良かったぜ」
子供「けんしんさま、お礼にあたしの折ったこの鶴あげます!」
謙信「おお~ありがとうなっ! 綺麗だな……」
母親「ああ、お殿様。本当に本当にこの度もご苦労様でございました……」
謙信「いや。自国の民を守るのは大名として当然の事。オマエらが無事ならオレはそれが一番幸せだぜ」
母親「何と奥ゆかしいお殿様なのでしょう……」
村人「謙信様ぁ! これはオラら村人から少ねーですがお礼ですだ!」
謙信「ん? 米か。馬鹿者、米は貴重品であろう。オマエらが食え。オレの心配はすんな。充分にオマエ達から貰っている」
村人「んだけど、それだとオラたちの気が治まらねーだ!!」
母親「そうです! お殿様、是非受け取ってくださいませ!」
謙信「うーん、困ったな…………あ、じゃあ米の代わりにアレくれ」
母親「あれは梅干ですか?」
謙信「うん」
村人「あ、あれだけでいいんですかい!?」
謙信「いいんだって! オレ米より梅干が好きなんだ。つか三度の飯より梅干と酒が好き」
母親「そうなんですか! ではあそこにあるもの全てお持ちくださいませ!」
村人「オラの家のもどんぞ!! ほらほら、皆梅干持ってくるだ! 全て謙信様にお渡しするだー!!!」
謙信「いや、オマエらが食う分は残しておけよ……って聞いてねーな?」
直江景綱(以下、景綱)「……何ですか、その大量の梅干は」
謙信「おお、民から貰ったぜ! 勝ち戦の礼だって言ってたぜ」
景綱「どうするんですか! こんなに大量の梅干を!!」
謙信「食えばいいだろ」
景綱「城にどれだけあると思っているんですか!? 管理してる景家の身にもなってくださいよ!!」
謙信「えー。家庭によって漬け方が違うから色んな味楽しめるんだぜ? あ、これ倉に持っていっとけ。景家によく言っておけよ~。毎晩食うから」
景綱「んがっ!! ちょ、殿――――!!! ……はああああ……いつか梅干で城の床が抜けるかもしれんのぅ……」
その後柿崎景家は梅干当番が嫌になって上杉を裏切ったとか何とか。
それが真実かどうかは分からない。