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一話 距離感の近いクラスメイト

あきの日常と、好きな人との距離感についてです。


主人公は高一で、16歳で、季節は冬です。

(みなみ)、今日暇か?」




「いや、別に。……福見(ふくみ)?あんまり女と遊びに行ってると、水崎さんに誤解されちゃうわよ?浮気性な男と付き合うなんて、私も願い下げだし?」




「お前さー、本当に返事しながら俺をディスるの、上手くなったよな?そういうとこ、直した方がいいと思うぞ」




「お褒めにあずかり恐悦至極(きょうえつしごく)に存じます」




「……褒めてねーから」




 呆れたような声が返ってくる。

 


 私――南あきの好きな人は今話しているコイツで、福見大(ふくみだい)という。

 

 

 水崎さんのことを好きで、私に恋愛相談を持ち掛けてくるようなちょっと無神経なヤツだ。




「ん~?それで?用件を言ってよ、用件を。惚気話(のろけばなし)だったら秒で断るからね?」




「恋愛相だ……」




「ごめんムリ」




 恋愛相談?惚気なんですけど?どーせ誕生日プレゼント何がいいかとかでしょ?女友達私しかいないもんね?あなたの風花ちゃんに聞いても「大くんのくれるものなら何でも……」って頬染められるんでしょ。どこのラブコメですか?それは。私仮にもあなたのことが好きなんですけど?悪魔?悪魔なの?


 

 無論、私が勝手にイラついているだけである。



 水崎さんの前で爆発させるのはさすがにまずいので、目の前にいる好きな人で発散。



 

 実は福見と水崎さんは、付き合っていなかったりする。けれど、福見は水崎さんのことが好きだし、水崎さんも福見のことを少なからず想っているようだった。

 


 ただ、どちらも勇気を出せず、今の関係で踏みとどまっているだけだ。

 

 

 どちらかが一歩踏み出せば、簡単にその距離は縮まり、二人は恋人になる。



 私の役割はその時まで、今の、心地よい関係を崩さずに、手をこまねいてその様子を見ているだけだ。

 



 ……私、もう七年も福見のことが好きなんだよ?まさか、一瞬でその時間を飛び越えられるとは、思いもしなかったなぁ。




 ずっとそばにいて、友人として心地よい関係を、少しずつ、少しずつ、距離を縮めて頑張ってきたのに、どこで間違ったんだろう、私。



 水崎さんと福見の距離は急激に縮まってきているのに、私と福見の仲は、小学生の頃から縮まりはしたものの、肝心なところは何一つとして変わっていないのだ。



 私はずっと、福見の、“距離感の近いクラスメイト“なんだろうなと、漠然と思った。





「どうにか考え直してくれよ」と言う、私じゃない子のことを考えている好きな人の横顔を見て、曖昧(あいまい)に福見の言葉を流しながら、私は昔――小四の時と、つい最近――数か月前の、ある一瞬を思い出していた。




 

私が福見に恋した瞬間と、福見が水崎さんに恋した瞬間を。




お読みいただきありがとうございます。


本編ではあきはこう言っていますが、あきの恋に落ちた瞬間の回想は三話(第四部分)です。わかりにくくてすみません。


おかしいところや矛盾しているところ、誤字脱字があれば報告してもらえると嬉しいです。

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