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十話 九年間の恋の終わり

予約投稿、半信半疑だったけどちゃんと投稿されてました。←当たり前


短めです。




「はぁ―――――――――――………………………」




 私は学校から帰ると、即行で部屋に籠ってベッドに寝転がった。そして盛大な溜息(ためいき)を吐いた。




「告白、しちゃったなぁ……」




 なんか隣室からゴトッと、そう、まるで人がずっこけたような音が聞こえてきたけれど、精神に大ダメージを受けた私には、そんなことは別に大した問題ではなかった。




「フラれたなぁ。まぁ、当たり前だけど、さ」




 そう少し軽い口調で言いながら、私はフラれた時のことを、あの胸の痛みを思い出す。



 福見に「ごめん」と言われた時。確かに、私は傷ついた。何回か同じような経験をしていても、覚悟していても、頭で理解していても、やっぱり心はそういうわけにはいかないのだ。


 ちゃんと、本人からフラれた時は、福見が水崎さんに惚れた時よりも、福見に恋愛相談された時よりも、何百倍も。何百倍も、胸が苦しくなった。何といえばいいのかわからないような、初めて感じた気持ちになった。


 当たり前だけれど、フラれた今でも、私は福見のことが好きだ。世界で一番好きだと、今でも自信を持ってそう言える。




 思えば小学高学年から高三まで、いわゆる「思春期」と「青春」を全て私は福見との関係、時間に捧げてきた。




「私の青春、終わったなぁ――……」




 私の福見への想いが、無駄だったとは思っていない。


 けれど、やっぱりフラれた後に残るのは、フラれた直後よりもずっと、辛くて哀しいという気持ち。寂寥感(せきりょうかん)喪失感(そうしつかん)に似た思いだった。






「髪でも切ろうかな」




 九年間伸ばし続けた真っ黒な髪を手の先でいじりながら、私は哀しさを(まぎ)らわせるためにそんなことを考えていた。



お読みいただきありがとうございます。


あき、溜息吐くと幸せ逃げるよ……?ね? いよいよ次話で完結です。


おかしいところや矛盾しているところ、誤字脱字等ありましたら報告してくると嬉しいです。

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