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僕はヴァンパイアになるっ! - なり時を間違うと、人生設計のハードルがあがるものなのです。ヴァンパイアって-  作者: 林海
お宅訪問

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第7話 ヴァンパイアの欲しいもの


「10代の病状は、進むの早いよね。

 一刻を争う。

 薔薇十字団の人に連絡を取るには……」

「それは大丈夫。

 すぐに連絡するよ。

 ただね……」

 瑠奈(るいな)の顔が悩ましいものになった。


「お願いするのに、言い訳が必要なのよ」

「言い訳?」

「そう。

 なんで、笙香(しょうか)を助けるのかっていうね。

 人はみんな死んでいく。

 だから、ただ単に可哀相だから助けたいってのはダメなのよ。 

 それだと、薔薇十字団の団員の近くの人だけが助けるっていう組織になっちゃうでしょ?

 公私の混同は好ましくないって言われちゃうとアウトだから、なんかの言い訳が必要なの」

 そうか、不公平はダメだよね。


「昔は、目に付く人から救えばよかったけど、今はそういうわけにも行かないって苦悩していたのよね。ある程度世界中に散らしていかないと、あっという間に正体がバレちゃうし……」

 ああ、そういうこともあるだろうねぇ。



「うーん、じゃあさ、真祖のヴァンパイアが実験に全面的に協力するってのは?」

「うん、魅力的だと思う。

 でもさ、真祖のヴァンパイアを作る方法も知っている人たちだからね……。

 ほら、私を作れゃう人たちだから。だから、どこまで魅力的と感じてくれるかはわからないよね」

「じゃあさ、僕、その人たちの実験台になるよ。

 1つか2つ、僕の身体で実験していいから」

「それは止めて!

 絶対に駄目っ!」

 あらら、なんでそんなに語調が強いのかな。


「ヨシフミ。

 もっと自分を大切にして。

 ヨシフミは自分が強いから、大丈夫だって思っているんだろうな。

 けど、それを超える知力を持っている人たちなの。だから、どんな実験になるか想像もつかない。

 例えばだけど、原子炉の炉心に入ってこいって言われても、真祖のヴァンパイアの超回復力ならなんの問題も生じないと思う?」

「さすがに、それは……」

「でしょう?

 だから、そういうのは言っちゃ駄目」

「でも、それで笙香が助かるなら……。

 瑠奈の友達だし」

「ヨシフミ。

 だーめ。

 優しいのはわかるけど、それでも駄目」

 すっごく念を押すなぁ、瑠奈。


「方法があるなら、笙香は絶対助ける。

 でも、ヨシフミも失わない。

 ヨシフミを失ったら、結局マイナス1で、運命に負けたことになるからね。今回ばかりは、勝ちに行きたいんだ」

「はい」

 僕、気圧されちゃったよ。

 さっきと逆だ。


 やっぱり、基本、瑠奈は強い。

 僕の鼻のあたりから、僕を見上げていても、だ。


 ん……、見上げる?

「……瑠奈、お願いがあるんだけど、ついでに真祖のヴァンパイアになった者の背を伸ばす方法があるか、聞いてみてくれないかなぁ。もう少しでもいいから、背が伸びたら嬉しいなぁ」

「金もいらなきゃ女もいらぬ、あたしゃも少し背が欲しい」

「なに、それ?」

「なんだっていいでしょっ。ヨシフミが生まれるより前の歌よ。

 わかった、聞いてあげるよ」

「ありがと。

 これで……」

 そう、瑠奈をほぼ同じ高さじゃなくて、胸の中で抱きしめたいもんね。


「これでなによ?」

「いや、なんでもないって」

「ふーん。

 ヨシフミ、ときどき本当に可愛いよね」

「や、やかましいっ!」


 でも、採るべき手は決まったよ。

 うん。

 あとは、いろいろ無事に進んで欲しいよ。

 

次話、1人では勝てないヴァンパイア


に続きます。

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