第1話 ヴァンパイアの勝利報告
新章に入りました。
中間テストの結果、凄まじいものだった。
笙香の読みは恐ろしいほど当たった。
最大で5分の4、最低でも5分の2。平均して5分の3.5。
結果として、他のクラスより、5教科総合得点平均で、50点から差がついた。
さらに……、学年1位は瑠奈。
2位は僕。
そして、ちょっとさすがだなと思ったのは、3位は荒川。
よくもまぁ、人間以外の僕たちに対してここまで食いついたよ。
本郷が4位で、笙香が5位。
ウチのクラスで、上位5人。
本郷と笙香は、志望校変更みたいな話にまでなったらしい。
結果として……。
僕たちの担任の先生、職員室で吊るし上げられたらしい。
何らかの不正行為を僕たちがしたのではないか、とか、担任自身が問題を漏らす等の不正行為をしたのではないか、ということで。
そんなこと、知らんがな。
で、個別に聞き取り調査が入って、笙香が、「ええ、答えは知ってましたよ」「これ、〇〇先生に質問しましたからね」「これは△△先生に聞きました」「で、みんなで勉強会したんです」って答えて。
学年主任の川本先生、最後まで不正を疑っていたらしいけど、自分自身ですら「言われてみれば、試験に出す問題について間違いなく質問されてたし、丁寧に答えてやっていた」ってことになったらしい。
しかも、荒川が試験の前の週からクラスのみんなの面倒見ていたの、巡回の先生が目撃していたからね。
あっという間に無罪放免。
僕たちも、担任の先生も。
「マジ、馘首になるかと思った」
っていう、血色を取り戻した担任のつぶやきは、やたらとリアリティに満ち満ちていたよ。
ちょっとやりすぎたかもしれないね。
で、だ。
晴れてお化け屋敷、もとい、人間心理の恐怖の研究、できることになった。
「生徒の自主性に任せたら、全員がとんでもなく成績が上がった」って実績があるからね、僕たち。
もう、怖いものなしだよ。
で、今の案。
髪の長い女子は2人いるから、日本の伝統の幽霊の恐怖はどこから来るのか実験できる。
片方はそのままで、片方はマブタを腫らしたメイクにして。
で、その実験にはシュチエーションが大切だから、当然舞台装置も作らなきゃならない。明るい教室じゃ、どっちもぜんぜん怖くないからね。
あ、だから、お化け屋敷じゃないってば。
西洋の恐怖に関しては、瑠奈と僕が担当。
西洋風の石の部屋を作ったよ。
って、模造紙に石壁の模様を描いて、壁一面に貼っただけだけど。
本当の恐怖ってのを、みんなに教えてあげよう。
で、文化祭後、1週間をめどに、まとめた調査報告を出すってことで、さらにアリバイを作った。
廊下に壁新聞で発表って、方法自体はあまりに古いけど、先生たちからの評判が良かったんだ。やっぱり、先生自身が中学生だった頃のことを真似てあげるのが、物事をスムーズに運ぶコツだね。
全校のクラスに広げようって言いだした先生を、他のクラスでは必死に止めているらしい。可笑しいよね。
あと、中間テストをみんなで頑張って得たこと、得点だけじゃなかった。
勉強だけでなく、文化祭の展示や、セットづくりも協力し合う体制が順調。
それだけじゃない。
僕の自己啓発セミナーの結果、まだ生きてる。
彼ら、彼女らの人生にとって、良いか悪いかはまだわからないけど、でも、すごく積極的。
いい方向に転がって欲しいよね。
次話、ヴァンパイアの文化祭
なのです。




