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僕はヴァンパイアになるっ! - なり時を間違うと、人生設計のハードルがあがるものなのです。ヴァンパイアって-  作者: 林海
ヴァンパイアのお付き合い未満

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第13話 負けて嬉しいヴァンパイア


 僕……。

 ちょっとなにも言えない。

 僕が、「それでも好きだ」とか言って、かえってそれが瑠奈(るいな)の心を殺してしまうことだってあるかもしれない。話の階梯(レベル)が違うんだよ。

 つまり……。

 瑠奈は、僕と対等な関係を結びたいのに、瑠奈の存在自体がそれを許さないとしたら、それは辛いよね。うっかりすると瑠奈、僕とは一緒にいられないって、姿を消しちゃいかねないよ。


 僕、自分自身でも驚くほど声が震えた。

 それでも聞いたよ。

「……とりあえず、今回の試験、僕と比べてどうだったの?」


「4点」

「プラスマイナスでは?」

 さらに聞く僕。


「私の方がプラス」

 ぷはぁっ。

 僕の口から、思いっきり安堵の吐息が噴き出した。

 初めて瑠奈、ちょっとだけだけど、笑った。


「ヨシフミ、聞いて。

 真祖のヴァンパイアはさ、この世界の王になるほどの力を秘めているんだよね。

 だから、アンタが本気を出したら、学校で1位、市内で1位、県内で1位、国内で1位って成績表を持って帰れるわけだよね。

 そんなアンタに比べて、私が勝てるところがないのは当たり前かもしれない。

 時間が経つにつれてヨシフミは経験を積んで、私との差は開くばかりかもしれない」

「そんなことはないよ。

 現に……」

 僕が言いかけるのを、瑠奈は視線で抑える。


「ヨシフミ、今はいいんだよ、今はね。

 でも、私を見るヨシフミの目つきが……、さ。

 10年も経たないうちに可哀想なモノを見る目になって、次には煩わしいものを見る目になって、最後は存在自体を無視されるようになって……。

 そんなの私、絶対耐えられない」

 瑠奈の顔、深刻。


 僕……、そか、僕……。

 周りの人がみんな寿命で死んじゃうってだけでなく、そもそも対等に話せる人がいなくなっちゃうのか。

 そか、ようやくわかったよ。

 映画でも小説でも大抵のヴァンパイアが、身の回りの使用人1人を置く以外、孤独な生活をしているってのはそういうことなのか。



「なんだっていい。

 私ね、ヨシフミと対等でいるためには、属性以外でヨシフミに勝るところが欲しかったし、頑張れば勝てるという証明も欲しかった。

 それからでなきゃ……。

 それからでなきゃ、私、ヨシフミの告白を聞くことはできなかったんだよ」

 ……瑠奈、なんて覚悟なんだろ。


「ヨシフミ。

 言っとくけど、私、アンタを好きだと言っているわけじゃないからね。

 ヨシフミを振るにしたって、『すべての点で勝てない相手だから逃げた』とは言われたくない。

 そんな話になったら、母にもC.R.C.にも顔向けできない」

 そか。

 その気持ち、少しはわかるよ。


 瑠奈、そこまで考えて、覚悟を決めて。

 それでも結果として、瑠奈は僕の未来の孤独に対して戦ってくれたことになる。

 つまり、僕の告白に対して、返事の内容はともかく誠実に考えてくれたってことでいいんだよね?

 そして、僕と一緒に歩くって前提が皆無じゃないから、そんなふうに考えてくれたんだよね?


次話、ヴァンパイアの推測


なのです。

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