表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕はヴァンパイアになるっ! - なり時を間違うと、人生設計のハードルがあがるものなのです。ヴァンパイアって-  作者: 林海
私は獣の娘

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/243

第1話 獣の独白


 自分の生きてきた経緯を、同じ種族ではない誰かに話すことがあるなんて思っていなかった。

 でも、種族は違えども、共に人ならざる者が生活圏にいる以上、不要な争いの芽は摘んでおきたい。

 本当は、今回の問題が、あとくされなく根が取り切れていたら、身を隠しても良かった。

 だけど、上手く行かなかった。

 ま、よくあること。


 こうなると、このヨシフミという子をいくらかは守ってやらないと、だ。

 ヨシフミを怯えさせたくないので、いい加減なことを言ってきたところもあるけど、実はこの問題は根が深い。

 今回はまぁ、ヨシフミに救われたところもある。だから、特別だ。

 ヨシフミも、人類とその周囲にいる者たちについて知っておいた方がいいだろうし。


 それに、この子、自力で真祖のヴァンパイアになった挙げ句、私に好意を示している。自力で真祖のヴァンパイアになった人間なんて、1,000年に1人か2人と聞いている。

 相当の才能か相当の運か。

 そして、それを証明するように、それからの成長ぶりはなかなかのものだ。



 まぁ、私も、この子に救いを求めているんだろうね。

 だってもう、何人の親しい人たちを見送っただろう?

 誰かを好きになるなんて感情も、すべて虚しい。

 人という生き物は、あまりに脆く短命で、愚かしく悲しい。

 母と別れてから同族にも会えていない中で、この子はこれから先、私を孤独から救ってくれる唯一の存在かもしれない。


 おそらく私は、2,000年ほどの寿命を持つだろう。

 この子は、最強に分類される真祖のヴァンパイアだ。おそらく控えめに見積もっても10,000年は生きるだろう。そして、適切に若返りができれば、それこそ永遠にだ。

 つまり、私が死ぬまで付き合ったとしても、この子には8,000年という過酷な孤独が待っている。だから、少しはこの子の将来も考えてあげなければ可哀相だ。

 私の経験が、この子の役に立つように話そう。そしていつか、ヨシフミが他の、私たちのような存在に巡り会えればいいのだけれど。



 私が、この子に対して、この先どのような感情を持って生きていくことになるのかはわからない。

 先のことを考えれば不安ばかりだ。

 でも、だからこそ、とりあえずは話す。

 ヨシフミの真っ直ぐな感情に対して、せめてもの私の気持ちとして情報を返すのだ。


 すべてはそこからだろうな。

 ヨシフミが、私の話に引いてしてしまったら……。

 まぁ、最初の考えのとおり、身を隠したっていいかな。


次話、獣、話し出す


に、続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ