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第29話 仮説は正しいようだ

鑑定の終わりに ◾️ をつけることにしました。

次話以降もそうします。

王都に着いたのは夜になってからだった。

遅くなったのは、ラシュアの言い分からちょっと便利そうな物を考えついたので、その製作に勤しんでいたからだ。


俺が作っていたのはシャンデリアだ。


作り方は至って簡単。


まず森の中を駆け回ってゴブリン十数匹を捕らえ、そいつらを結界で作った檻の中にぶち込んでハイボルテージ・ペネトレイトを放つ。

これで十数個の雷属性の魔石ができたので、光源完成だ。


次に、この魔石をオシャレに配置する。

こういうと簡単そうに聞こえるが、実際は一番時間を食ったのはこの工程だ。

なんせ、魔石を一つ一つ丁寧に基盤となる木にはめ込んでいかなければならなかったからな。


完成までに数時間かかったが、これで夜の照明には困らない。

徹夜での作業も可能ってわけだ。


ちなみに、作り終えてから「あれ? これ、わざわざこんな方法で作らずとも『照明創造』で済んだのでは?」と気付いたが……まあ、創造魔法への頼りすぎは発想力の低下を招くからな。有意義な時間だったってことにしておこう。


シャンデリアを店内に飾り、早速商売(オペ)道具を取り出した。

左手の静脈にリドカインが含有されるようなイメージで局所麻酔魔法を使い、作業開始だ。


光魔法を光が一点に集約されるように発動し、紋章の染料を破壊していく。

そう、皮膚科とかでやってもらえるレーザー除去の要領で紋章を消していくのだ。


初めは「生まれつきあった最弱紋の部分は除去できないんじゃないか」という懸念があったが、この光魔法レーザー除去でならその部分も綺麗に消していけた。


レーザー照射と回復魔法(これのお陰で肌のターンオーバーを待たなくて済むのは有難いことだ)を繰り返すこと数回。


紋章は、完全に綺麗に消え去った。


とりあえず、ヤウォニッカに念話を繋いでみる。


『魔神の淳だ。今ちょっととある実験を行ったんだが、加護の方に変化はないか?急に弱体化した感じとかは……』


『特に感じませんね』


『そうか、安心した。ではまた』


『神託をくださり、嬉しい限りです』


念話を繋げられたことも、魔王の加護が健在なことも、ナルシャの仮説の裏付けと見ていいだろう。

特に、ヤウォニッカに与えた加護は常人1人で賄える代物ではない。魔神の力を失って尚、与え続けられるものではないだろう。


……あの程度のやり取りを神託と言われるのはなんかちょっとアレだが。


そろそろ眠くなってきたので、今日は最後に秀英紋の紋章だけ彫って寝ることにした。


☆ ☆ ☆


翌日、俺は久し振りに聖フワジーラ学院に登校することにした。


あそこには秀英紋持ちがたくさん集まっているからな。

せっかく俺も秀英紋を彫ったんだ。「危険度感知」について、色々と確認したい。


教室に入ると、双子の姉妹、アリスとテレスが先に来ていた。


「なあお前ら、『危険度感知』って使えるか?」


「「使えるよ」」


「そうか。なら聞きたいんだが、山2つ越えたあたりにグリフォンが1羽飛んでるんだが、お前らからするとあれの危険度はどのくらいだ? 俺だと勝率ほぼ10割らしいんだが……」


「まずね、そんな遠くまで危険度感知が届くのがおかしいと思うの。百歩譲って、グリフォン相手に勝率10割なのは『淳だから』で納得できるとしても……」


「っていうか、淳危険度感知使えたんだ。いつの間に秀英紋?」


「昨日だな。一度彫った紋章の効果は生涯永続するって昨日気づいて、検証がてら紋章を一旦消して秀英紋を彫り直したんだ。それで今は危険度感知が使える」


「危険度の映り方からして、その検証は合ってると思う。ちなみに、私だと1対1でのグリフォンとの対決は勝率2割を切るわ。……この学院に来る前の話だけど」


2人の話しぶりからすると、俺は魔神の力を保持してることでほぼ確定みたいだな。

ナルシャの予想を証明できてよかった。


……そういえば、危険度感知に引っかかる魔物は鑑定できるのだろうか。やってみよう。


【サルファ=ラ=ドン】

アタミの形見。◾️


一応鑑定は効くようだが、普段ほどの情報量は得られないみたいだな。

アタミの形見とか、地味に韻を踏んでるし。


……


……


……。

っておい、何がグリフォンだ。

思いっきり別物じゃねえか。


まさか、こんなところに戦後処理のやり残しがあったとはな。不覚だった。

主を失い暴走されては困るので、討伐に行かなければならないではないか。


……いや、待てよ。

近くに大きな力を持った奴がいるな。そしてそいつはグリフォン、いやサルファ=ラ=ドンより遥かに強そうだ。


俺の顧客か。なら安心して討伐も任せられるな。

わざわざ俺が出向かずに済みそうで何よりだ。


用も済んだので、俺は教室を後にした。



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