君の名は
掲載日:2019/01/06
「……」
「教えてくれ」
「……」
「君の名だ。君の」
「……」
だが、君は何も答えない。いつもそうだ。
「なぜだ?僕が君の名を口にしてはいけないのか?!」
「――っ」
「君の名を知りたい!!ただ、ただそれだけなのに!!」
そうだね、君はいつもいじわるだ。
「ああああ、君の名を叫びたい!!」
「言いたいんだ!!」
「きみのなをっっ!!」
「――」
「だからおしえてくれ!!」
「僕だけに! 僕にだけに!!」
ああ、もうじれったい。
君はそうやっていつも黙ってる。
「お願いだ、教えてくれ!!」
――刹那、君はか細い声でこう言ってきた。
「あけましておめでとう――」
「あ」
年が明けた。新しい年がスタートする。
そして、我に返って君のほうを振り向くといなくなっていた。
「ああくそ、今年も聞きそびれた!!」
いつもいつもそうだった。毎年毎年やってくる君。
僕はいつも聞けずにいた。
今年こそは君の名を聞いてやる。
僕の足長おじさん――。




