九話目らしい
修学旅行中日、夜中。就寝前。
「ねえ秋見、犯人は誰で、どうやって盗んだの」
畳の上で布団に横になっている秋見に、入り口に近いベッドに横になっている乃野が聞く。
「犯人は言え、ない」
「なら、どうやったかは教えてくれるんだな」
秋見の答えに、二人の間に横になっている美久が聞く。
「それは、平気」
ごくりと美久の喉が鳴る。
「方法は、四つ。私が分かっている、範囲では、確定しない」
「そんなら四つとも教えてくれ」
美久が促すと、秋見は頷いて話し出した。
「まず一つ目。最初から、部屋に、いた。だけど、これは矛盾、が多い。次に二つ目。認証をその、まま、通過した。今回は、この可能性が、高い。偶々、静脈が一致、したか、食物繊維で、同一と、認識する物、を作ったか。三つ目。システムの改竄。これで、ある可能、性もある。四つ目。そもそも起こって、ない。これも、可能性がある。だが、違う、だろう。慰夢が、嘘を言う、理由は無い」
さすがにここまで長くこの口調で喋られるとイライラしてくる美久。
「つまり、たまたま静脈が一緒だったか、あるいは、別の静脈でも認証されるようにしたか、ってーことだな」
美久の言葉に頷く秋見。
「まあ、そうじゃないと慰夢ちゃんも指紋を取らないでしょうし」
乃野がそう言った所で、扉が叩かれた。
「早く寝なさいね」
河内先生だったようで、そう言うと扉から離れていったようだ。
「寝ましょうか。明日になれば犯人も分かるでしょうからね」
乃野がそう言って目を閉じると、秋見が呟いた。
「驚かない、であげて」
そして三人は眠りについた。




