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プロローグ
新連載はじめました! よろしくお願いします!
関東の奥座敷と呼ばれる、ある温泉地の有名旅館「森さと」。
伝統ある本館。
21世紀のおもてなしを追求した新館。
最高の安らぎがコンセプトの別館。
以上三棟からなる老舗の旅館だ。
その「森さと」がなぜか敷地ごと異世界に転移してしまっていた。
セルフィリア王国の中でも難所と言われるアリマー山脈。
とはいえ、寂れた山というわけでもない。
山越えの街道が通っていて、人も馬も汗をかきながら、ここを通り過ぎる。
そこに「森さと」はやってきてしまった。
もちろん、当初は従業員たちはパニックになった。
不幸中の幸いなのは昼12時で宿泊客がほとんどいなかったこと。
彼らもずっと悲観してもいられない。
情報を集め、ここがファンタジー世界だと理解した。
そして、彼らはある決意を固めた。
――この異世界に、「森さと」のおもてなしを定着させてみせると。
次の話はすぐ更新する予定です。