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外道ノ転生  作者: 西の雷鳥
第五章 闘技大会編
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リースVSジーナその1

 ジーナが手に持った槍で突きを放つ。


 得意だと言っていた通り、その先端速度はツルギの斬撃に匹敵しそうだ。


 私はそれを紙一重で避ける。

 頬を軽く掠った。

 ……ってかヤバイ!


「はぁっ!」


 ジーナはそのまま槍を横に薙ぎ払う。

 私は咄嗟に頭を下げて避け、距離をとる。


「ちょっと待て!槍!?はぁ!?」

「驚くのも無理はありませんね……はぁっ!」


 いや、ちょっと待てって言ってんだろうが!

 『我空』による空間把握で薙ぎ払いを避ける。

 しかしジーナは突き、薙ぎ、突き、また突きと、攻撃の手を緩めない。


「おい……っくそ!」


 集中しろ!

 とにかく今は勝負に集中だ!


 この間合いでは槍が有利だ。

 私はとりあえず後ろに飛んで距離をとった。


 ジーナを狙って魔銃を構える。


「させません!」

「うぉっ!」


 しかし、一瞬で精霊契約魔法を発動させ精霊を纏ったジーナが大量の『火弾』を発射。

 私は避けるので精一杯だった。


 そうだ。

 遠距離では正直ジーナの方が有利だ。


 私は魔弾と魔法を組み合わせたバリエーションの多い攻撃を遠距離において得意とするが、ジーナとは火力が違いすぎる。

 テクニックなど全てねじ伏せられてしまう。


 確かに遠距離は……キツイな!


 私は地面を蹴り、急激にジーナとの距離を詰める。

 ジーナは迎え撃つように右手で槍を突き出す。


 ツルギと同等の速度ってのは確かに速いが、それはつまり『我空』で見切れない速さではないという事だ。


 私は剣でそれをいなし、懐に潜り込む。

 槍は長い分、懐が死角だ。

 これであとは……


 その時、ジーナが右手を振り下ろす。

 それと同時に、槍が最初のように3本に分離した。

 そしてジーナが持っている根元の棒、その先端から先程同様刃が飛び出した。


「んなっ!?」


 『我空』が無ければ肩に深々と短い槍を突き立てられていただろう。

 私は地面を転がり、二の腕を浅く裂かれた程度ですんだ。


「な、なんだそれ!今訳わかんねぇ事したぞ!」

「この3本の棒はそれぞれ両端から刃が出る仕組みになっていまして。そして魔力を流す事でそれぞれがくっついて合体、魔力を断つと分離します」


 ジーナはまたもや3本の棒を1つに変化させて1本の槍にした。


 分離すれば近距離での取り扱いも容易い。

 槍の弱点である肉薄戦を克服している。

 何より動きがトリッキーで読みにくい。


「お前これ……一朝一夕の技じゃないだろ」

「私の家、ロールクレイン家は代々軍人の家という事はリースさんもご存知ですよね?」

「ああ。ジーナの親父さんは軍団長だしな」

「私は一族では珍しく魔法の才能がありましたが、小さい頃よりお父様から武術の訓練を受けて参りました。お父様に教えていただいたのが……」

「槍術ってわけか。でも私は知らなかったぞ?」

「お祖父様は剣術以外お認めにならないのです。お父様は私にこっそり槍を教えてくださりました」


 祖父さんというと、母さんを目の敵にするあのゾルドという爺さんか。

 一回しか会った事ないけど頑固そうだったからなぁ。


「お父様は私には槍の才能があると仰ってくださりましたが、ピンと来なかった私は旅に出てからも剣を使い続けました。ですが、1年ほど前にこの槍に出会ったのです」

「1年ほど前?レディアスの街か?」

「ええ。それから密かに槍の練習をしていたのです。練習していくにつれ、みるみる上達していくのが自分でも分かるほどでした」


 密かにって、本当にいつやってたんだよ。

 1年間、私に毛ほども気付かせないって相当だぞ。


「なんで黙ってたんだよ」

「驚かせようと思いまして。こんな形になるとは思いませんでしたが」


 確かにめっちゃ驚いてる。

 まだ夢でも見ている気分だ。


 遠距離では歯が立たないジーナが、近距離でも強くなってた。

 これ……勝てんの?


「でも隠すとかでしたらリースさんだって、数年前から強力な防御魔法を使ったり、さっきもどこからか武器を出現させましたし……」

「まぁな……」


 人の事言えんな私も。

 面倒だったから、ジーナにもツルギにも空間魔法の事は言ってない。

 この大会が終わったら話すか。

 良い活用法のアイデアをくれるかもしれんし。


「リースさん、今日は勝たせていただきます」

「いや、ちょっと待て、まだ対策がだな……」

「問答無用です!」


 ジーナが地面を蹴ると、彼女の体は空中を滑るように高速で近づいてくる。

 風の魔法の補助を受けているのだ。

 さっきシーベルも似たような事をしてた。

 一度見ただけで吸収したのか。


 ジーナの高速の突きを避ける。

 しかし今度はそれだけでは終わらない。

 ジーナ本人の攻撃に加え、風の刃が次々と襲ってくるのだ。


 槍で攻撃しながら魔法を使う。

 精霊契約魔法により、魔法構築に意識を割かずに済むジーナにしか出来ない芸当だ。


 受ける私はたまったものではない。


「くそっ……『絶空』!」


 意識を集中し、『絶空』を発動させて風の刃を全て受け止める。

 時間が無かったため、構築が甘く不完全だ。

 足を踏ん張って衝撃に耐える。


 ジーナは魔法での攻撃にシフトしたようで、矢継ぎ早に魔法を放ってくる。

 如何せん数が多い。


 だがジーナの魔力も無限ではない。

 このままのペースで魔法を使い続けたらいつか魔力枯渇を……


 ……は!?

 魔力枯渇!?


 しまった!

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