ジーナの隠し事
それにしてもどうするかな……
控え室で私は腕を組んで考えていた。
弟子であるジーナとの決戦が迫っているが、困った事に、『切り札』と言えるものは私にはもう無い。
多少の細々としたものなら少しあるが……
『移空』や弾道の操作といった大技は全てツルギ戦で出し尽くしてしまった。
こんなはずじゃなかったんだけどなぁ……
『移空』なんかはまだ未完成の域だから、全く使うつもりなんてなかった。
ツルギが全部悪いな。
うん。
「まぁ全力でやるだけだな」
魔法、剣術、使えるもんは全部使う。
『切り札』なんて無くても戦える。
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『お待たせいたしました。それでは本日最後の試合、準決勝第二試合を開始いたします!』
拡声魔法で拡大された声と歓声が舞台裏まで響く。
『出場者最年少ながら準決勝まで勝ち残ってきた麗しい少女2人の対決となります!まずはリーシア選手の入場です!』
よっし行くか。
闘技場内に入ると、割れんばかりの大歓声が私を包み込む。
一回戦や二回戦よりずっと多い。
最初はあんなだったけど、応援してくれる人も増えたようだ。
『続きまして、ジーニスタ選手の入場です!』
そして向かいのゲートからジーナが現れる。
さっき私に宣戦布告した時と同様、キリッとした表情だ。
良い顔するようになったじゃないか。
『事前予想では、二回戦で凄まじい試合を見せてくれたリーシア選手が僅かに優勢だと出ておりますが、ジーニスタ選手もまだ力を出し切ってない様子!どうなるか全く想像つきません!』
「リースさん、よろしくお願いします」
「おう、よろしく。それはさておき……何か足りなくないか?」
私はジーナの背中部分を指差す。
そう。
ジーナは今いつもの長剣を背負っていない。
近接戦を捨てたのだろうか。
それがジーナの選択なのだとしたら口出すするつもりはないが……
「……リースさん。実はツルギさん同様、私も黙ってた事があるんです」
「えっ!?お前もあんな凶暴な二重人格者だったのか!?」
「ち、違います!あっ…別に今のはツルギさんがそうだという意味では……」
「冗談だって」
ジーナまであんなのになったら泣くぞ私。
マジで。
「もっと小さい事なのですが……」
「小さい事……?」
『それでは、試合を開始したいと思います!』
早く言えよ。
試合が始まっちゃうぞ。
「実は私……」
『それでは……』
ジーナは腰から3本の棒を取り出した。
それがどうしたってんだ?
「私は……」
『試合開始!』
司会の声と同時にジーナは棒をクルクルと回し、3本の棒を1本に繋げる。
すると棒の先端からカシャンと刃が飛び出した。
ちょっと待て、これって……
「私、実は剣術より槍術が得意なんです」




